Trademark Appeal Case
BLUEの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−650075(T2014−650075/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第11類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2013年(平成25年)2月14日に国際商標登録出願されたものである。
その後、指定商品については、原審における平成26年2月3日付け手続補正書により、第11類「Air purifying,air deodorizing and air filtering apparatus and installations;filters for the aforesaid apparatus and equipment;water filtering,water treatment,water sterilizing and water purifying apparatus;filters for drinking water;water purifying filters;parts and fittings for the aforesaid goods,included in this class.」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『BLUE』の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、該文字は、一般に商品の色を表すものとして採用されている。そうとすると、本願商標をその指定商品に使用したとしても、これに接する需要者・取引者は、商品の色という品質を表示したものと認識するにとどまるものと判断するのが相当であるから、本願商標は単に商品の品質を表記したにすぎず、自他商品の識別標識としては機能しないものと認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「BLUE」の欧文字をゴシック体で横書きしてなるところ、該文字は、「青色」の意味を有し、「ブルー」と発音される英語として、我が国において広く親しまれているものである。
また、原査定において示した別掲2のとおりのインターネット調査の結果によれば、本願の指定商品に係る空気清浄機や浄水器の分野において、「BULE」の表音を片仮名で表した「ブルー」の文字が、商品の色彩が青色であることを表す語として、取引上普通に使用されている実情がある。このことは、別掲3に示した該語の使用状況からも首肯できるものである。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者においては、その商品の色彩を理解するにとどまるというべきであるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標であるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項について
請求人(出願人)は、本願商標は出願人により使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することのできる文字であるから、商標登録されるべきと主張し、証拠方法として、甲第5号証ないし甲第15号証を提出した。
ア 請求人の提出に係る甲各号証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)出願人は、空気清浄装置や浄水装置等を指定商品とした「BLUEAIR」の登録商標、及び家庭用浄水用機器を指定商品とした「BLUEWATER」の登録商標の商標権者である(甲5、甲6)。
(イ)家電量販店のウェブサイト等において、出願人の取扱いに係る空気清浄機が「Blueair」や「ブルーエア(ー)」の文字とともに掲載され、通信販売されている(甲7〜甲12)。
(ウ)2014年3月現在の出願人の空気清浄機に係る商品カタログには、出願人の略称や空気清浄機の商品名等を表すものとして、「Blueair」、「ブルーエア」、「ブルーエア空気清浄機」の文字が記載されている(甲13)。
(エ)2010年1月19日に開催されたブルーエア空気清浄機の新製品発表会において、会場のプロジェクターに「Blueair」の文字が表示されている(甲14)。
(オ)実店舗におけるブルーエア空気清浄機の販売コーナーに、「Blueair」の文字が表示されている(甲15)。
イ 本願商標と使用に係る商標との同一性について
上記アによれば、出願人は、出願人の略称として、又はその取扱いに係る空気清浄機について、出願人の登録商標に係る「Blueair」の欧文字又はその表音である「ブルーエア」の片仮名を使用していることが認められるものの、「BLUE」の欧文字が、それのみで自他商品の識別標識としての機能を発揮する態様により使用されている例を見いだすことはできない。
よって、本願商標は、提出に係る各証拠によっては、本願商標と使用に係る商標が同一性を有しているということはできない。
ウ 使用による識別力の獲得について
上記イのとおり、使用に係る商標として、自他商品の識別機能を発揮している部分は「Blueair」や「ブルーエア」の文字であるから、請求人提出の証拠は、本願商標がその指定商品について使用された結果、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識することができるものになっていることを証明するものではない。
そして、当審において職権により調査しても、本願の指定商品を取り扱う業界において、本願商標が出願人又は出願人の取扱いに係る商品を表わすものとして、取引者、需要者の間に広く認識されている事実を発見することができない。
エ したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、空気清浄機や浄水器などにおいて種々の色を配している商品は存在するものの、これらの商品の需要者・取引者は、空気清浄や浄水の容量や機能などに最も興味があり、配してある色には必ずしも興味がないから、「BLUE」という色の語意を含む言葉から、直ちに、配してある色彩だけをイメージするほどの強い動機がなく、綺麗な海や澄んだ空気などを連想することもあり、本願商標から、例えば、憂鬱な気分を解消させてくれるような澄んだ空気を連想することも多くある旨主張する。
また、請求人は、拒絶査定で引用された商品名の例と異なり、本願商標は商品名に付加するものではなく、それ自体を商標とするものであるから、需要者が、上記引用例と同じように単に、色彩・品質を表示するものとは認識することはなく、直ちに一義的に商品の色彩・品質を示すとまではいえないものである旨主張する。
しかしながら、原査定において示したインターネット調査の結果等の証拠によれば、同一の商品に複数の色彩のものが用意されている空気清浄機や浄水器が多数見受けられるものであるから、該商品分野においても購入する商品をその色により選定することが普通に行われているというのが相当であり、また、上記証拠で示したウェブサイトは、いずれも商品名と「ブルー」の文字が一体不可分に表されたものとはいえないものであり、該文字が商品名とは独立して表示されているものというのが相当である。よって、請求人の上記主張は採用できない。
イ 請求人は、「Blueair」の文字が上記(2)アのとおり使用された結果、空気清浄機の「Blueair」は著名なものとなっており、空気清浄機において、空気を意味する「air」の文字は識別力を有さないから、「Blueair」は、「Blue」の文字列で識別されており、「Blue」の文字は出願人の出所を表すものとして認識されるようになっている旨主張する。
しかしながら、上記(2)イのとおり、本願商標の「BLUE」の文字が、それのみで自他商品の識別標識としての機能を発揮する態様により使用されている実情を見いだすことはできないものであるのに加え、「Blueair」の文字が空気清浄機について使用された結果、その構成中の「Blue」の文字部分がそれのみで出願人又は出願人の取扱いに係る商品を表わすものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていることを客観的に立証する資料等の提出もない。さらに、本願の指定商品は、空気清浄機以外の商品(浄水器等)を含むものである。よって、請求人の上記主張は採用できない。
ウ 請求人は、原審における意見書及び審判請求書において、過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべき旨主張しているが、商標が識別力を有するか否かの判断は、登録査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として、商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ、請求人が挙げた登録例は、いずれも本願商標とは構成等を異にし、かつ、本件の審決時における取引の実情は上記のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
(4)まとめ
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、同条第2項の要件を具備するものとはいえないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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