Trademark Appeal Case
非標準綴りの称呼認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2015−900170(T2015−900170/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5748383号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成26年1月15日に登録出願され,第42類「電子計算機用プログラムの提供,クラウドコンピューティングネットワークのアクセス及び使用に用いるオペレーティングソフトウェアの設計・作成又は保守,医療データに関する電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・電子計算機用プログラム・インターネットの使用及び操作方法に関する紹介及び説明」を指定役務として平成27年3月13日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4065363号商標(以下「引用商標」という。)は,「CRONOS」の欧文字を横書きしてなり,平成7年8月2日に登録出願,第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,保安用ヘルメット,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として平成9年10月3日に設定登録され,その後,平成19年9月18日に商標権の存続期間の更新登録がされ,さらに,商標権の一部取消し審判が請求され,平成21年3月5日に指定商品中「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具」についての登録を取り消す旨の審決の確定登録がされているものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は取り消されるべきである旨申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
本件商標は,大きく書された「Xronos」の文字部分が要部となることは明らかであり,引用商標と比較すると,頭文字の「X」と「C」の違いがあるのみで,「RONOS」の部分が一致するから,外観上は類似するものである。また,本件商標は,「Xronos」の文字より「クロノス」の称呼を生ずるものであり,引用商標は,その構成文字より「クロノス」の称呼を生ずるものであるから,両商標は「クロノス」の称呼を共通にする類似のものである。してみると,本件商標と引用商標とは外観及び称呼において類似するものである。そして,本件商標の指定役務は,引用商標の指定商品中の「電気通信機械器具,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品」と類似するものである。したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
4 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は,別掲のとおりの構成からなるところ,白抜きで大きく顕著に表された「Xronos」(「X」の文字が図案化されている。以下、同じ。)の文字とその上部に白抜きで小さく表された「LSCクラウドPACS」の文字とが常に一体不可分にのみ認識し,把握されるべき格別の理由は見出し難く,圧倒的に顕著な「Xronos」の文字部分が独立して印象的な自他役務の識別標識としての機能を果たすものというべきであり,これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資される場合が少なくないものといえる。
そして,「Xronos」の文字は,外国語辞典には見られない綴りであって,親しまれた既成の観念を有する成語とはいえず,一見して直ちに称呼し難いものであるが,語頭の「X」の文字が一際大きく目立つ態様で表されていることから,「エックスロノス」の称呼を生ずるものというのが相当である。
この点に関し,申立人は,「Xronos」の文字から「クロノス」の称呼が生ずる旨主張しているが,「Xronos」は辞書等に載録されている語ではなく,これが「クロノス」と称呼されるものとして一般に広く知られ,定着しているものとは認められず,むしろ上記のとおりに判断するのが相当であるから,申立人の主張は採用することができない。
(2)引用商標
引用商標は,前記2のとおり,「CRONOS」の欧文字を横書きしてなろところ,その構成文字に相応して,「クロノス」の称呼及び「(ギリシャ神話)クロノス(ローマ神話のSaturnに当たる巨人)」の観念を生ずるものといえる。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較するに,外観については,本件商標が青色で塗り潰した四角形内に白抜きで文字を表し,かつ,引用商標にはない「LSCクラウドPACS」の文字を有するのに対し,引用商標は「CRONOS」の文字のみからなるものであるから,両商標は,容易に区別することができるものである。さらに,本件商標の「Xronos」の文字部分のみを分離抽出して引用商標と比較してみても,上記文字部分は語頭の「X」の文字が一際大きく目立つ態様で表され,これに続く「ronos」の文字は小文字で表されているのに対し,引用商標は大文字で一連に表されているものであって,看者がそれぞれから受ける印象は全く別異のものであるから,両者は,外観上,判然と区別し得るものといえる。
そして,本件商標から生ずる「エックスロノス」の称呼と引用商標から生ずる「クロノス」の称呼とは,構成音数が異なるばかりでなく,「エックス」と「ク」の音の差異により,それぞれを一連に称呼するときは全体の音感,音調が明らかに相違し,互いに相紛れるおそれはないものといえる。
また,本件商標は,上記のとおり親しまれた既成の観念を有するものとはいえないから,観念について,引用商標と比較することはできない。
そうすれば,本件商標と引用商標とは,観念において,比較することができないとしても,外観及び称呼のいずれの点においても相紛れるおそれがないから,これらを総合すれば,両商標は,互いに類似しない商標というべきである。
したがって,たとえ,本件商標の指定役務中の「電子計算機用プログラムの提供」と引用商標の指定商品中の「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ」とが類似するものであるとしても,本件商標と引用商標は,類似する商標ということはできない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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