Trademark Appeal Case
商標の類似性と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900375(T2013−900375/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5603279号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成25年2月1日に登録出願、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成25年6月13日に登録査定、同年8月2日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
第3 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の4件(これらをまとめて、以下「引用商標」という。)であり、下記(1)を除いて、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2608961号商標は、「VANQUISH」の文字を書してなり、平成3年10月14日に登録出願、第22類「はき物、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成5年12月24日に設定登録されたものである。なお、本権については、平成25年12月24日の存続期間満了を原因として同26年9月3日に商標権の登録の抹消の登録がされているが、本件商標の登録査定時(平成25年6月13日)には有効に存続していたものである。
(2)登録第4905421号商標は、「ヴァンキッシュ」及び「VANQUISH」の文字を2段に書してなり、平成16年12月16日に登録出願、第14類「貴金属,キーホルダー,時計,貴金属製喫煙用具,身飾品(「カフスボタン」を除く。),宝玉及びその模造品」、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,皮革」及び第25類「洋服,コート,セーター類,下着,水着,帽子,ベルト」を指定商品として、同17年11月4日に設定登録されたものである。
(3)登録第5150524号商標は、「VANQUISH」の文字を標準文字で表してなり、平成19年6月20日に登録出願、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,布製身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,うちわ及びせんすの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ガーター・靴下止め・ズボンつり・バンド・ベルト及び腕止めの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身飾品(「カフスボタン」を除く。)・衣服用き章(貴金属製のものを除く。)・衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。)・衣服用バックル・衣服用ブローチ・帯留・ボンネットピン(貴金属製のものを除く。)・ワッペン及び腕章の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,頭飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,カフスボタン及びボタン類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,つけづめ・つけまつ毛・ひげそり用具入れ・ペディキュアセット・まつ毛カール器・マニキュアセット・耳かき・携帯用化粧道具入れ・化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)・つけあごひげ・つけ口ひげ及びヘアカーラー(電気式のものを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成20年7月11日に設定登録されたものである。
(4)登録第5469558号商標は、「VANQUISH」の文字を標準文字で表してなり、平成22年7月2日に登録出願、第9類「眼鏡」、第14類「身飾品,貴金属,キーホルダー,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計」、第18類「かばん類,袋物,かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,毛皮」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)」を指定商品として、同24年2月10日に設定登録されたものである。
第4 本件商標に対する取消理由の要点
審判長が商標権者に対し、平成27年7月7日付けで通知した取消理由の内容は、次のとおりである。
1 引用商標の周知性
申立人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)申立人は全国に20の直営店を有し、そのうち、2006年オープンの東京・渋谷店をはじめ、順次開店した計10店舗(札幌、東京新宿、渋谷、池袋、静岡、名古屋、大阪など)において「VANQUISH」又は「ヴァンキッシュ」を店舗名としている(甲12ないし甲22)。また、申立人は「VANQUISH」又は「ヴァンキッシュ」を表示しウェブストアを運営している(甲23ないし甲25)。そして、申立人は、「VANQUISH」又は「ヴァンキッシュ」を表示した商品(被服など)のカタログ(ルックブック)を2008年から毎年継続して発行している(甲34ないし甲45)。
(2)さらに、2006年発行のものをはじめとして、それ以降で本件商標の出願前発行に係る雑誌「men’s egg」及び「MEN’S KNUCKLE」に、商標「VANQUISH」又は「ヴァンキッシュ」を使用した「被服」、同「靴」、同「アクセサリー」、同「かばん」、同「時計」、同「眼鏡」などの広告を、一部欠号はあるものの、ほぼ継続して掲載しており(甲49ないし甲103)、そのほか、雑誌「Men’s JOKER」、「THE ONE」「MEN’S 美ST」「メンズノンノ」「Fine」等で同商品を宣伝広告している(甲104号証ないし甲128)。また、本件商標の出願前発行の新聞において、「VANQUISH(ヴァンキッシュ)」の店舗についての紹介記事が掲載されている(甲130ないし甲136)。
(3)加えて、申立人は、「DISNEY」「DITA」「CONVERSE」「adidas」「HOLYWOOD MADE」「SHINe」等のブランドとのコラボレーションを盛んに行い、その際、「VANQUISH」又は「ヴァンキッシュ」を表示した製品を企画・販売等していること(甲39ないし甲44及び甲137ないし甲167)などが認められ、「VANQUISH」又は「ヴァンキッシュ」からなる標章は、申立人に係る店舗名や商品商標として継続的に使用され、継続的に宣伝広告されているものである。
(4)以上によれば、「VANQUISH」及び「ヴァンキッシュ」は、本件商標の出願時及び査定時に、本件商標の指定役務に係る小売等役務に関連する業界おいて、申立人に係る店舗や取扱商品を表示する商標として、需要者の間で広く認識されるものとなっていた実情があるとみるのが相当である。
2 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性
(1)引用商標は、「VANQUISH」又は「ヴァンキッシュ」及び「VANQUISH」の文字からなり、その構成文字に相応して「ヴァンキッシュ」の称呼を生ずるものであり、また、「征服する。打ち負かす。」の観念を生ずるものというべきである。
(2)これに対し、本件商標は、前記第1のとおり「VANQUISH」と「BONAPARTE」の文字を横書きしてなるところ、両文字の間には1文字程度の空白があること、さらに、両文字の頭文字がいずれも他の文字に比して大きく表されていることから、視覚上、両文字からなると容易に理解されるものである。
また、全体として特定の意味合いを有する等の両文字が常に不可分一体のものとしてのみ観察しなければならない格別の理由は見いだせないことからすると、本件商標は、語頭に位置する「VANQUISH」の文字部分が独立して認識される場合があるというのが相当である。そして、本件商標は、構成全体に相応した称呼「ヴァンキッシュボナパルト」を生ずるほか、語頭に位置する「VANQUISH」の文字部分に相応する「ヴァンキッシュ」の称呼及び「征服する。打ち負かす。」の観念をも生ずる場合があるというべきである。
(3)そして、上記及び前記1の実情を勘案すれば、本件商標が、その語頭に位置する「VANQUISH」に着目し強く印象を留めて、取引に資される場合も決して少なくないというのが相当であるところ、当該文字は、引用商標における「VANQUISH」とその文字綴りを同じにし、称呼・観念を共通にするものである。
(4)してみれば、本件商標と引用商標とは、同一又は類似の役務について使用された場合、同一の事業者の提供に係る役務であるかの如く誤認混同されるおそれがあるといわざるを得ないから、本件商標は引用商標に類似する商標である。
また、引用商標の指定商品及び指定役務には、本件商標の指定役務に包含される役務、あるいは、これと類似の商品又は役務と認められるものが含まれているから、本件商標の指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の役務と認められるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
第5 商標権者の意見
商標権者は、前記第4の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。
第6 当審の判断
本件商標についてした前記第4の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、その他の登録異議の申立ての理由について判断するまでもなく、同法第43条の3第2項の規定によって、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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