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Trademark Appeal Case

商標の類似性と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900116(T2015−900116/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5732339号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5732339号商標(以下「本件商標」という。)は、「NATURAL&VITA」の文字と「ナチュラルアンドヴィータ」の文字を二段に横書きしてなり、平成26年8月7日に登録出願、第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年11月27日に登録査定、同27年1月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録第3064545号商標(以下「引用商標」という。)は、「NATURVITAL」の文字を横書きしてなり、平成4年12月4日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同7年7月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、「NATURAL&VITA」の文字と「ナチュラルアンドヴィータ」の文字を二段に横書きしてなるところ、前段部の「NATURAL/ナチュラル」は「自然の」等を意味する英語であり、後段部の「VITA/ヴィータ」は「命、人生」等を意味するイタリア語である。

一方、引用商標は、「NATURVITAL」の文字を横書きしてなるところ、前段部の「NATUR」は「自然」を意味するドイツ語であり、後段部の「VITAL」は「生命の」等を意味する英語である。

してみると、両商標は、共に「自然と命」又は「自然の命」等の意味合いを有する観念的に類似する商標である。また、本件商標中の上段の文字部分と引用商標は、中間部における「AL&」及び末尾における「L」の有無の差異にすぎず、実際の取引において、互いに紛れるおそれがある類似の商標である。

さらに、本件商標の指定商品中の「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」は、引用商標の指定商品と抵触する。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について

引用商標は、申立人及び我が国における販売業者によって、商品「シャンプー、コンディショナー、カラーリンス、染毛剤」等(以下「申立人商品」という。)について使用され、平成14年から今日に至るまで広告活動を行ってきた(甲6〜甲13)。申立人商品の我が国における平成14年から今日までの総売上は、3,153,338個であり、総額約2億8千万円であった。

以上のように、引用商標は、本件商標の出願前には、申立人商品を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていた。

してみると、著名な引用商標と称呼において類似する本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者・需要者が申立人又は申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であると商品の出所について混同を生じる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当する。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中の「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」について、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)引用商標等の周知・著名性

甲第6号証ないし甲第13号証によれば、(a)申立人は、2002年(平成14年)9月頃から2012年(平成24年)4月頃にかけて、およそ年1回の割合で、申立人商品を日本における輸入発売元と認められる株式会社石澤研究所(以下「石澤研究所」という。)に販売をしていたこと(甲6)、(b)石澤研究所は、2006年(平成18年)2月頃に、インターネット上で、「NATUR」の文字と「VITAL」の文字(語頭の「N」と「V」の文字部分は、他文字に比べ大きく表されている。)を二段に表した商標(以下「申立人使用商標」という。)を表示した染毛剤の広告、販売をしたこと、その際、申立人使用商標の片仮名表記として「ナチュールバイタル」との文字が併記されていたこと(甲7)、(c)申立人商品は、2009年(平成21年)9月ごろに、販売会社により店頭ないしインターネット上で販売されたこと(甲8)、(d)申立人商品には、その正面に貼付されたラベルに申立人使用商標が表示されていること、同裏面に貼付されたラベルには、片仮名表記の「ナチュールバイタル」の文字が表示されているものが存在すること(甲9、甲10)、(e)主としてシャンプーの販売促進用資料には、「ナチュールバイタル」の文字が表示されていること(甲11)、(f)その他、申立人商品に関し、「発売元:株式会社石澤研究所」等の表示のもとに、申立人使用商標を表示した広告物やチラシを作成したこと(甲12、甲13)などを認めることができ、申立人使用商標を付した申立人商品は、平成14年9月から平成24年4月頃にかけて、我が国の市場において販売されていたことをうかがうことができる。

しかし、申立人の提出に係る証拠についてみると、甲第7号証及び甲第8号証の申立人商品の広告や販売状況を示す写真は、本件商標の登録出願日(平成26年8月7日)よりかなり以前のものであり、甲第9号証及び甲第10号証の申立人使用商標が付された申立人商品の写真やラベルは、作成日又は使用の状況などが明らかではなく、また、甲第11号証及び甲第12号証の申立人商品の広告物並びに甲第13号証のチラシも作成日、配布の地域的範囲、回数などが明らかではない。さらに、申立人は、平成14年から今日までの申立人商品の販売数量、売上高を述べるも、これを裏付ける証拠の提出はない。

してみると、申立人の提出した証拠をもってしては、申立人使用商標が、我が国において「ナチュールバイタル」と称呼され、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。その他、本件商標の登録出願日及び登録査定日(平成26年11月27日)の時点において、申立人使用商標ないし引用商標が申立人商品を表示するものとして、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていた事実を明らかにする証拠の提出はない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標

本件商標は、前記1のとおり、「NATURAL&VITA」の文字と「ナチュラルアンドヴィータ」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、上段の文字部分及び下段の文字部分は、それぞれ同一の書体をもって、いずれも一連一体に書され、全体として外観上まとまりよく表されているばかりでなく、下段の文字部分は、上段の文字部分の称呼を特定したものと無理なく理解、認識されるものであるから、本件商標は、構成全体をもって、一つの商標を表したと認識されるというべきである。

また、本件商標より生じると認められる「ナチュラルアンドヴィータ」の称呼は、冗長というほどのものではなく、よどみなく称呼し得るものといえる。

さらに、本件商標は、その構成中の「&」、「アンド」の各文字が、「・・・と・・・、及び」などを意味する英語「and」に相当する記号及び片仮名表記として我が国においても親しまれて使用されているものであるから、「&」、「アンド」の文字を介して、「NATURAL」、「ナチュラル」と「VITA」、「ヴィータ」の2語を結合したものと看取されるものである。そして、本件商標中、前半部の「NATURAL」、「ナチュラル」の文字が「自然の」等を意味する英語であることは、本件登録異議の申立てに係る指定商品の主たる需要者である一般の消費者にも理解され得るといえるとしても、後半部の「VITA」の文字については、一般に馴染みのある語ではないから、「命、人生」等を意味するイタリア語であるとは理解され難いというのが相当である。

そうとすれば、本件商標は、上記のとおり、その外観及び称呼上の一体性も相まって、構成文字全体をもって、一体不可分の造語を表したと理解されるということができる。

したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「ナチュラルアンドヴィータ」の称呼を生じる造語よりなる商標というべきであり、特定の観念は生じないものといえる。

イ 引用商標

引用商標は、前記2のとおり、「NATURVITAL」の文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔でまとまりよく表され、外観上一連一体のものとして看取されるものである。

また、引用商標中の「NATUR」の文字が「自然」等を意味するドイツ語であり、「VITAL」の文字が「生命の」等などを意味する英語であるとしても、これらの語は、我が国においては、一般に馴染みのある語とはいえない。

してみると、引用商標に接する需要者は、引用商標の外観上の一体性も相まって、構成文字全体をもって特定の意味を有しない造語を表したと理解するとみるのが相当である。

そうとすれば、引用商標に接する需要者は、これをローマ字風読みにした「ナチュールビタル」の称呼又は英語風読みにした「ネイチャーバイタル」の称呼がいずれも一連によどみなく称呼し得ることに鑑みて、「ナチュールビタル」又は「ネイチャーバイタル」の称呼をもって商品の取引に当たる場合が多いというべきである。

したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「ナチュールビタル」又は「ネイチャーバイタル」の称呼を生じる造語よりなる商標というべきであり、特定の観念は生じないものといえる。

ウ 本件商標と引用商標の対比

本件商標と引用商標は、それぞれ前記1及び2の構成からなるものであるところ、両者は片仮名を伴うか否かの相違により、全体の外観は明らかに相違するものであり、また、本件商標の上段の文字部分と引用商標を比較しても、前者は「&」の文字を介して「NATURAL」と「VITA」の2語を結合したものと看取されるのに対し、後者は一連一体のものと看取されるものであるから、両者は、文字構成が明らかに相違し、外観上相紛れるおそれはないものである。

そして、本件商標より生じる「ナチュラルアンドヴィータ」の称呼と引用商標より生じる「ナチュールビタル」又は「ネイチャーバイタル」の称呼は、構成する音数の相違、構成する音の配置・音質・音感の相違等により、その語調、語感が著しく相違し、明瞭に聴別し得るものであるから、称呼上相紛れるおそれはないものである。

さらに、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上相紛れるおそれはないものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

エ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する商標ということはできない。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について

前記(1)認定のとおり、申立人使用商標ないし引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

また、前記(2)のとおり、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標であり、また、申立人使用商標とも、外観、称呼及び観念のいずれについても類似する点は見いだせない。

してみると、本件商標に接する需要者が、申立人使用商標ないし引用商標を想起又は連想することはないとみるのが相当であるから、本件商標は、これを本件登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標と認めることはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び第項15号に該当する商標ということはできない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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