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Trademark Appeal Case

地名と一般名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−2765(T2015−2765/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「千代田インプラントセンター」の文字を標準文字で表してなり,第44類「歯科医業」を指定役務として,平成26年3月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は,「本願商標は,『千代田インプラントセンター』の文字を書してなるところ,全体として『東京都千代田区に所在するインプラント治療等を行う施設』程の意味合いを認識・理解させるにとどまり,これをその指定役務に使用しても,単に役務の提供場所を表示するにすぎず,自他役務識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,前記1のとおり,「千代田インプラントセンター」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「千代田」の文字部分は,「東京都23区の一つ。23区のほぼ中央にあり,皇居および霞ヶ関・丸の内など日本の政治・経済の中枢機関が集中。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味するものであり,また,「インプラント」の文字部分は,「(移植の意)人工の歯を埋め込むこと。また,その歯。」(同前)の意味を,そして,「センター」の文字部分は,「その分野の中心となる機関・施設。」(同前)の意味を表すものであって,いずれも広く知られているものである。

そして,本願指定役務を取り扱う業界においては,別掲のとおり,歯科医業を営む事業者が,インプラントに関する業務を行うに際し,当該業務を行っている場所の地名を冠に配し,「インプラントセンター」の文字とを結合させた「○○インプラントセンター」の表示を普通に使用している実情がある。

以上よりすれば,「千代田インプラントセンター」の文字に接する取引者,需要者は,「東京都千代田区所在の人工歯埋め込み治療を行う施設」程の意味合いを容易に理解,認識するというのが相当である。

そうすると,本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する取引者,需要者をして,単に役務の質,提供場所を表示したものと理解するにとどまるから,本願商標は,自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は,「『千代田』の語が『東京都千代田区』を直ちに認識させるものではない。」旨主張し,その理由として,「原査定において,『千代田』の地が日本の首都機能など国家権力の中枢が集中する地であることや,巨大企業の本社が集結する地であることが挙げられているが,日本の首都機能が所在する地を表す語としては,通常『永田町』や『霞が関』などが使用されており,また,巨大企業の本社が集結している地として一般に想起されるのは,『丸の内』や『大手町』であり,『千代田』の文字は用いられていない。」こと,「原査定における『横浜インプラントセンター』や『大阪インプラントセンター』等の例は,『横浜』や『大阪』等が地名である蓋然性が高いのに対し,『千代田』の文字は,地名としての印象が非常に強いとまではいえないから,『千代田』の文字からすぐさま『東京都千代田区』を想起することはない。」こと,「『千代田』の文字を含む会社名や固有名詞が多数存在する。」こと,「『千代田』の姓を持つ者が全国に約3300人いる。」こと,「『千代田』の文字を含む商標が多数存在し,その中には東京都千代田区とは関係のない商標も多い。」こと,「『千代田』の語が皇室を想起させる語でもある。」こと,「請求人の役務提供場所は,千代田区ではない。」こと等を挙げている。

しかしながら,前記(1)で述べたとおり,本願商標の構成中「千代田」の文字は,「東京都千代田区」という地名を表す語として広く知られており,また,地名を冠に配し「インプラントセンター」の文字とを結合させた「○○インプラントセンター」の表示を普通に使用している実情が別掲のとおりにあることからすれば,これに接する取引者,需要者は,当該文字は地名を表した語として認識するというのが相当である。

したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおりであるから,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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