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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「要部抽出と称呼・観念の類否」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2015−8867(T2015−8867/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2015−8867(T2015−8867/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「針類,テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類,腕止め,衣服用…」
争点(論点)
要部抽出と称呼・観念の類否
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2015−8867(T2015−8867/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「針類,テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類,腕止め,衣服用…」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「要部抽出と称呼・観念の類否」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、第14類「キーホルダー,宝石箱,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計」を指定商品として、平成26年4月9日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、登録第5013427号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成18年6月14日に登録出願、第26類「針類,テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地,房類,腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花」を指定商品として、同年12月22日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)商標の類否について

ア 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおり、「PURE 10」の文字を横書きで表してなるところ、その構成中の「PURE」の欧文字は、字画末端部に爪のような張り出し部を設けたゴシック体から表されているのに対し、数字「10」は、一般的なゴシック体で表され、かつ、両者は、半角分程度のスペースを空けて表されていることから、視覚上分離して観察される。

そして、「PURE」の欧文字は、「純粋な」という意味合いを有する英語として一般に広く親しまれた語であるところ、該語と数字「10」を組み合わせた本願商標は、商標全体として、特定の意味合いを生ずるものではないことから、各構成文字を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないものである。

さらに、数字「10」は、商取引において、一般に自己の生産又は販売に係る商品の品番、型式等を表示するための記号、符号として類型的に使用されているのが実情であって、本願商標の指定商品を取り扱う業界においても、数字「10」を含む2桁の数字が取引上普通に使用されていることが、例えば、別掲(3)に挙げたインターネット情報からも裏付けられるところである。

加えて、「PURE」の文字は、本願の指定商品との関係において、商品の品質等を表すものとみるべき特段の事情を見いだせないものである。

そうすると、本願商標は、その構成中の「PURE」の欧文字が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、該文字部分をもって取引に資されるということができるから、本願商標から「PURE」の文字部分を抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。

したがって、本願商標は、「PURE」の文字部分に相応して「ピュア」の称呼及び「純粋な」という観念を生ずるものである。

イ 引用商標

引用商標は、別掲(2)のとおり、「ピュア」の片仮名及び「PURE」の欧文字を二段に表してなるところ、「ピュア」の文字は、広く親しまれた「pure」の語を片仮名で表したものであり、普通に使用されているものであるから、引用商標は、その構成文字より、「ピュア」の称呼及び「純粋な」という観念を生ずるものである。

ウ 商標の類否

本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標は、上記アのとおり、「PURE」の欧文字と数字「10」からなるものであり、引用商標は、「ピュア」の片仮名及び「PURE」の欧文字を二段に表してなるものであるところ、両商標は、「PURE」の欧文字部分を共通にするものであるから、外観において近似した印象を与えるものである。

次に、本願商標及び引用商標は、上記ア及びイのとおり、「ピュア」の称呼及び「純粋な」という観念を生ずるものであるから、両商標は「ピュア」の称呼及び「純粋な」という観念を同一にするものである。

そうしてみると、本願商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与えるものであり、かつ、称呼及び観念において同一のものであるから、両商標は相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

(2)指定商品の類否について

商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品が類似のものであるか否かは、取引の実情、すなわち、生産部門、販売部門、品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品との関係にあるかどうか等を総合的に考慮して判断をすべきであり、結局、その類否は、2つの商品に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する取引者、需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるかどうかにより判断すべきものである。

そこで、本願商標と引用商標に係る各指定商品の類否について検討してみると、本願商標の指定商品は、前記1のとおり、「身飾品」を含み、引用商標の指定商品は、「衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,ボタン類」(以下、「『衣服用き章(貴金属製のものを除く。)』等」という。)を含むところ、本願商標の指定商品中の「身飾品」は、「主に身に飾ることによって、直接的にその人の美しさを増すもの」(「商品及び役務の区分解説」特許庁商標課編)であり、具体的な商品として、例えば、「イヤリング,カフスボタン,貴金属製き章,貴金属製バッジ,貴金属製ボンネットピン,ネクタイ止め,ネクタイピン,ネックレス,ブレスレット,ペンダント,宝石ブローチ,メダル,指輪,ロケット」(商標法施行規則別表)を含むものである。そして、本願商標の指定商品中の「身飾品」と引用商標の指定商品中の「衣服用き章(貴金属製のものを除く。)」等は、同一のアクセサリー製造者及び販売店において取り扱われる場合のある商品であって、共に身に飾るためのものであり、その需要者は一般消費者であることから、両者は、その生産部門、販売部門、用途及び需要者を共通にする場合がある類似の商品といわなければならない。

したがって、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似の商品を含むものである。

(3)小括

以上からすれば、本願商標は、引用商標に類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(4)請求人の主張について

請求人は、本願商標は、その書体から見て、一体不可分の商標として認識される旨主張する。

しかしながら、本願商標中の「PURE」の欧文字と数字「10」とは、上記(1)アのとおり、異なる書体で表されているものであり、全体として特定の意味合いを生ずるものではないことから、外観上及び観念上、構成全体を一体のものとしてみることができないものであり、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない。

したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。

さらに、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標もこれらと同様に登録されるべきである旨主張しているが、商標の類否判断は、過去の登録例、審決例等の判断に拘束されることなく、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品の取引の実情等を考慮し、本件の事案に即して本願商標と引用商標とを対比することにより、個別具体的に判断されるべきものであって、過去の登録例、審決例等の判断に拘束されるものではないから、この点についての請求人の主張も採用できない。

(5)まとめ

以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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