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Trademark Appeal Case

著名地名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−3917(T2015−3917/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「オリンピア」の片仮名を標準文字で表してなり、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製金具,金属製ヒンジ」を指定商品として、平成25年9月10日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、『オリンピア』の文字を標準文字で表してなるところ、『オリンピア』の文字は、『OLYMPIA』に通じ、ギリシアの西部イーリア県中部の古代都市遺跡のある地であって、古代ギリシアの宗教上の中心地、オリンピック競技発祥の地、そして、オリンピアの古代遺跡は、1989年にユネスコの世界文化遺産として登録され世界的に広く知られた土地であり、かつ、著名な観光地であることから、本願商標をその指定商品について使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、『オリンピアで製造あるいは販売された建築用又は構築用の金属製専用材料,同金属製金具,同金属製ヒンジ』程の意味合いを認識するにすぎず、結局、本願商標は、単に商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品識別機能を果たさないものといわなければならない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「オリンピア」の片仮名を標準文字で表してなるものである。

そして、原審で説示し、請求人も認めるとおり、「OLYMPIA」及びその読みを片仮名で表した「オリンピア」の文字は、ギリシアの都市(地域)の旧都市名(旧地名)と認められるものであるところ、該都市は古代オリンピック競技の発祥地であり、また、該都市にあるオリンピアの古代遺跡が、1989年にユネスコの世界文化遺産として登録されていることから、該都市は「オリンピア(OLYMPIA)」の名称とともに世界的に広く知られており、かつ、我が国においても広く一般に知られている世界的に有名な観光地でもある。

そうとすれば、「オリンピア」の片仮名からなる本願商標は、著名な地理的名称(外国の著名な都市(地域)及びその観光地を表す名称)を普通に用いられる方法で表示するものであるといえるから、これをその指定商品に使用したときには、これに接する取引者、需要者に、指定商品の産地又は販売地を表すものと認識されるというのが相当である。

してみれば、本願商標は、その指定商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表したにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

なお、請求人は、オリンピアは、古代遺跡として世界的に著名な観光地であるから、本願の指定商品である金属製ヒンジ等の工業製品がオリンピアにおいて生産あるいは販売されると需要者等が認識することはないと考えるのが自然であり、また、過去に「オリンピア」又は「Olympia」について、一般的な書体で構成されている商標の登録例が22件あって、そのうち12件については、その査定時において、オリンピアが既に世界遺産として登録されている等、本願の拒絶査定時と同じ社会状況等にあったものと思われるものであり、むしろ、上記22件が登録された以降、ギリシアの経済成長が連続マイナスとなっている中、ギリシアへの観光客が毎年増加傾向にあり、ますます、オリンピアと言えばギリシアの古代遺跡、という認識が強まっているのではないかと主張する。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号にいう「商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するというためには、「必ずしも当該指定商品が当該商標の表示する土地において現実に生産され又は販売されていることを要せず、需要者又は取引者によつて、当該指定商品が当該商標の表示する土地において生産され又は販売されているであろうと一般に認識されることをもつて足りるというべきである。」(最高裁昭和60年(行ツ)第68号昭和61年1月23日第一小法廷判決参照)とされている。これを本願商標についてみるに、「オリンピア」がギリシアの都市(地域)及びその観光地を表す名称として、我が国においても広く一般に知られていることは、上記で述べたとおりであるのに対し、該都市における観光以外の産業については、さほど知られていないというべきであるから、本願商標に接する需要者等は、その指定商品がオリンピアにおいて生産され又は販売されているであろうと認識するのであって、古代遺跡として有名な観光地であるから、金属製ヒンジ等の工業製品が生産され又は販売されることはないと認識するものとはいえない。

また、上記22件の登録商標は、最も新しいものでも2007年に登録されたものであって、その後、請求人も述べるとおり、ギリシアへの観光客は増加傾向にあり、さらに、2013年には、東京でオリンピックが開催されることが決定し、我が国におけるオリンピックに関連するあらゆるもの(過去の開催地に係るものも含む。)についての関心が非常に高まっていることなど、社会状況は変化しているのであるから、上記の登録例をもって、本件審判の審決時において、本願商標が商標法第3条第1項第3項に該当しないということはできない。

したがって、請求人の主張は採用することができない。

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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