結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2015−300327(T2015−300327/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5442472号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成23年3月23日に登録出願され,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として同23年10月7日に設定登録されたものである。
また,本件審判の請求の登録は,同27年5月26日にされている。
なお,本件審判請求の登録前3年以内の期間である同24年5月26日から同27年5月25日までの期間を,「要証期間」という。
請求人は,本件商標の指定役務中,第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。
本件商標は,その指定役務中,第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから,商標法第50条第1項の規定により,その登録を取り消すべきものである。
(1)被請求人提出の乙第1号証ないし乙第9号証のいずれも,審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての本件商標の使用をしていることを証明するものではない。
(2)商標法第50条第2項には,前項の審判の請求があった場合においては,(a)その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,(b)商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,(c)その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての,(d)登録商標の使用をしていること,を被請求人が証明しない限り,商標権者は,その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない,と規定されている。
また,商標法第50条第1項においては,(e)登録商標には,書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標,平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標,外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む,と規定されている。
以下,上記要件(a)ないし(e)について各乙号証毎に検討する。
(3)乙第1号証について
ア 要件(a)
乙第1号証において,本件商標を要証期間に使用したことを示す記載はない。なお,乙第1号証に記載されている日付は,2015年(平成27年)6月2日である。
イ 要件(b)
乙第1号証において,第1頁左上部に示される商標及び第1頁左中段に示される商標の使用者が誰であるのか特定することができない。
ウ 要件(c)
商標法施行規則別表上の商品又は役務は例示列挙されたものであり,例示列挙されていないものについては商標登録出願人が所定の条件下指定できる性質のものであるため,登録商標に係る指定商品又は指定役務は商標登録出願人が当該商標登録の内容として積極的に選択したものであるといえる。
したがって,登録商標に係る指定商品又は指定役務の内容として,商標権者が積極的に選択した内容を尊重すべきものである。
また,本件商標に係る指定役務中,第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」において,「小売」とは,物品を卸売りから買い入れて,これを消費者に分けて売ることであり,「卸売」とは,生産者・輸入商から大量の商品を仕入れて小売商人に売り渡すことである(岩波書店発行「広辞苑第六版」)。
そうすると,乙第1号証において,第1頁左上部に示される商標を指定役務「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に対し使用した事実は示されていない。
むしろ,乙第1号証において,第1頁左上部に示される商標は,第30類「弁当」の商品に対し,商標法第2条第3項第8号に規定される態様で使用されているものと考える。
一方,乙第1号証において,第1頁左中段には,本件商標と同一と評価可能な商標が記載されているが,その右側には「個人宅向け調理済食材のネット通販はこちら」と記載されていることから,これは本件商標を指定役務中の,第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用することを示すものではない。
むしろ,乙第1号証において,第1頁左中段に示される商標は,商品である第29類「肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実」等に対し,商標法第2条第3項第8号に規定される態様で使用されているものと考える。
ところで,日本の公的統計における産業分類を定めた総務省告示である日本標準産業分類において,商品を製造して,製造と同じ場所にある販売施設によってその場で消費者に販売している場合は小売業(製造小売業)に分類され,商品を製造して,店舗を介さず通信販売等により直接消費者に販売している場合は製造業に分類される(甲2及び甲3)。
被請求人は,「ライフデリという屋号で高齢者向け宅配弁当事業の店舗展開を行っている(乙1及び乙2)」としているが,これは「製造と同じ場所にある販売施設によってその場で消費者に販売」という要件を満たさないといえるから,被請求人の事業は,製造業に分類されると考えた方が適切である。
ただし,原則的には,総務省のホームページにも「日本標準産業分類は,統計の結果を表示するための分類であり,個々の産業を定義するものでありません。」と記載されているように,日本標準産業分類は日本の公的統計における産業分類を定めた総務省告示であるため(甲2),その日本標準産業分類に基づき,第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」における「小売(又は卸売)の業務」を製造小売業に含めて考えることの正否について検討することは適切ではない。また,商標権者が出願商標についていわゆる製造小売業に係る使用の保護を欲するのであれば,指定役務として例えば,第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの製造小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とすれば良いのであり,商標権者以外の者が登録商標に係る指定役務について拡大解釈する必要は無く,先に述べたように,当該指定役務については文理解釈により厳格に定められるべきものである。
エ 要件(d)及び(e)
本件商標は,ハートを前に抱いた人が上部に描かれ,その下部に「LIFE DELI」なる文字が描かれた結合商標である。
一方,乙第1号証の第1頁左上部には,ハートを前に抱いた人が左側に描かれ,その右側に「LIFE DELI」なる文字が描かれた結合商標が記載されている。
ここで上記の2つの商標は,類似関係にある可能性があることは認めるものの,乙第1号証の第1頁左上部に記載の商標は,本件商標に対する「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」,「平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」,「外観において同視される図形からなる商標」,「その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」の何れにも該当しない。
(4)乙第2号証について
ア 要件(a)
乙第2号証において,本件商標を請求の登録前3年以内に使用したことを示す記載は無い。なお,乙第2号証が証する日付は,2012年(平成24年)4月12日である。
イ 要件(d)及び(e)について
乙第2号証の第1頁中央上部には,本件商標と同一と評価可能な商標が記載されているが,これは本件商標を指定役務である第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用することを示すものではない。
むしろ,乙第2号証の第1頁中央上部に示される商標は,第35類「フランチャイズ事業に関する情報の提供」の役務について商標法第2条第3項第8号に規定される態様で使用されているものと考える。
(5)乙第3号証について
ア 要件(a)
乙第3号証において,本件商標を請求の登録前3年以内に使用したことを示す記載は無い。なお,乙第3号証に示されている日付は,2015年(平成27年)6月2日である。
イ 要件(b)
乙第3号証において第1頁左上部に示される商標及び第1頁左中段に示される商標の使用者が誰であるのか特定することができない。
ウ 要件(c)
乙第1号証と同様に,乙第3号証において第1頁左上部に示される商標を指定役務中,第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に対し使用した事実は示されていない。
むしろ,乙第3号証において,第1頁左上部に示される商標は,漠然と示されただけか,又は商品である第30類「弁当」について商標法第2条第3項第8号に係る態様で使用されているものと考える。
また,乙第3号証の第1頁左中段には,本件商標と同一と評価可能な商標が示されているが,その右側には「個人宅向け調理済食材のネット通販はこちら」と記載されていることから,これは本件商標を指定役務中の,第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用することを示すものではない。
むしろ,乙第3号証において,第1頁左中段に示される商標は,商品である第29類「肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実」等について商標法第2条第3項第8号に規定される態様で使用されているものと考える。
(エ)要件(d)及び(e)
乙第1号証と同様に,乙第3号証の第1頁左上部には,ハートを前に抱いた人が左側に描かれ,その右側に「LIFE DELI」なる文字が描かれた結合商標が記載されている。
ここで上記の2つの商標は,類似関係にある可能性があることは認めるものの,乙第3号証の第1頁左上部に記載される商標は,本件商標について「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」,「平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」,「外観において同視される図形からなる商標」,「その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」の何れにも該当しない。
(6)乙第4号証について
ア 要件(b)
乙第4号証の作成者と商標権者との関係が不明であり,証拠としての適格性を有さないものと考える。
また,乙第4号証の左上部に示される商標の使用者と商標権者との関係も不明であるため,乙第4号証は,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによる使用を示すものではない。
イ 要件(c)
乙第4号証の中段に「本日のメニュー」と記載されているが,本日のメニュー欄に記載されているものは「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」の何れでもないことに加え,本日のメニュー欄に記載されているものについて「小売又は卸売の業務」を行っているか否かも不明である。
そうすると,乙第4号証において,左上部に示される商標を指定役務中の第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に対し使用した事実は示されていない。
むしろ,乙第4号証の左上部に示される商標は,商品である第30類「ごはん,加工水産物,加工野菜及び加工果実」及び第29類「主に食肉,魚,家禽肉又は野菜からなる惣菜」等に対し,商標法第2条第3項第8号に規定される態様で使用されているものと考える。
(7)乙第5ないし第9号証について
要件(a)ないし(e)を満たす事実が示されているか否かを検討するに値するだけの記載は無い。
(8)むすび
以上のとおり,被請求人提出の証拠によっては,本件商標の指定役務中,第35類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関し,商標法第50条第2項に規定される上記要件(a)ないし(d)が被請求人によって証明されていないため,本件商標は上記指定役務について登録の取消しを免れることはできない。
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出している。
本件商標は被請求人が継続的に使用中である。
被請求人は,本件商標を使用し,平成24年4月11日からライフデリという屋号で高齢者向け宅配弁当事業の店舗展開を行っており,平成27年6月2日時点で,全国に73店舗の展開を行っている(乙1ないし乙3)。
ライフデリ各店では本件商標を用い,高齢者向けにお弁当を販売している。乙第4号証はお弁当をお届けした際に添付した伝票にお客様がコメントを残し,返却されたものである。
被請求人と請求人は以前に商取引を行っていたが,請求人の身勝手な都合で取引を中止した経緯がある。取引を中止する際,覚書(乙5)を締結し,取引を中止した。
現在,請求人は,被請求人とは競合関係にあり,「まごころ弁当」という屋号でライフデリと類似した事業を展開している(乙6及び乙7)。
平成25年6月3日には請求人の代表者であるS氏より被請求人の問合せフォームからの事務連絡を受けている(乙8)。この事務連絡では,利用者の方が,被請求人の展開する「ライフデリ川越・富士見店」と請求人の展開する「まごころ弁当」とを混同した旨のクレーム内容があり,この時点で請求人は,被請求人が本件商標を使用して事業展開している事を明確に理解しているはずである。
また,請求人は「まごころ弁当」のフランチャイズ加盟店を募集するにあたり,検討者に資料を送付しているが,その中で比較表(乙9)として,被請求人が展開する「ライフデリ」との条件比較を行っている。比較表の中では「ライ○デリ」として伏せ字にしているが,掲載写真等の内容は被請求人が展開するライフデリのものである事は明らかである。
上記からも請求人が,被請求人が本商標を使い,ライフデリという屋号で事業展開していることを当然に知っていることは明らかであり,本件請求は競合に対する嫌がらせに他ならない。
(1)乙各号証について
ア 乙第1号証は,「高齢配食・糖尿・腎臓・透析・ムース食の宅配弁当ライフデリのメニュー」と題するウェブページの写しと認められる。
上記ウェブページの掲載内容についてみるに,第1頁の左上方には,本件商標中の図形と略同一の図形が表示され,その右側に本件商標中の文字と略同一の「LIFE DELI」の文字が表示されている。
第1頁の左側には,「お弁当のメニュー」,「美味しさのヒミツ」,「よくある質問」,「ご注文方法」,「個人宅向け調理済み食材のネット通販はこちら」,「高齢者向け安否確認電話サービスはこちら」等の項目欄が設けられているほか,中央部分には「お弁当のメニュー」の見出し下に,弁当の内容について2頁に亘り写真と共に説明されている。
上記「個人宅向け調理済み食材のネット通販はこちら」及び「高齢者向け安否確認電話サービスはこちら」の項には,本件商標と略同一の構成からなる標章が表示されている。その左上隅に表示された「2015/6/2」の数字に照らし,2015年6月2日にプリントアウトされたものといえる。
イ 乙第2号証は,「@niftyビジネス」と題するウェブページの写しと認められ,乙第1号証と同様,2015年6月2日にプリントアウトされたものといえる。
その内容は,2012年4月12日に配信されたプレスリリース記事であり,本件商標と同一といえる標章と弁当の写真が掲載され,「株式会社グランフーズ/ライフデリFC本部」の見出し下に,2012年4月11日に株式会社グランフーズが高齢者や糖尿病・腎臓病・透析治療中の者向けの弁当の宅配(配食サービス)を行う店舗「ライフデリ」においてフランチャイズ(FC)加盟店の募集を開始したことをはじめ,その経緯,高齢者配食サービス業界の展望・特徴,FCの特徴・他社との違い等について記述されている。
ウ 乙第3号証は,「ライフデリの店舗・配達エリアの検索」と題するウェブページの写しと認められ,乙第1号証と同様,2015年6月2日にプリントアウトされたものといえる。
その内容は,被請求人の店舗である「ライフデリ」の一覧であり,全国各地に所在する店舗の名称,住所,電話番号が掲載されている。そのうちの一つとして「ライフデリ八王子店」が見られる。
エ 乙第4号証は,「肝臓食お届け票」と題する書面の写真と認められるところ,その書面には左上隅に本件商標と同一といえる標章が表示され,その右側に「肝臓食お届け票」及び「2015年3月11日(水)夕食」の表題が付されている。その下方には,「本日のメニュー」として「ごはん150g」,「鶏肉のマーマレード煮」,「赤玉南瓜煮」等の内容物が掲載され,更に下端部に「ライフデリ八王子店」の名称が住所,電話番号等と共に表示されている。
(2)上記(1)の事実によれば,乙第1号証のウェブページは,その掲載内容及び乙第2号証の記載内容に照らし,被請求人が開設したものとみるのが自然である。
また,乙第3号証の第1頁の体裁が乙第1号証と同様であることからすると,これは,被請求人の開設に係るウェブサイト中の「店舗検索」の項をクリックすることにより得られたものと推認される。
そして,乙第4号証の書面は,当該書面下端部に表示された「ライフデリ八王子店」が,乙第3号証に掲載された店舗名称,電話番号,住所等と一致することから,被請求人の店舗と認められるものであって,その書面が同店舗によって発行されたものとみるのが自然である。そして,その書面の記載内容に照らすと,肝臓に障害のある者向けの宅配弁当について説明する取引書類の範疇に属するものであり,本件審判の請求の登録(平成27年5月26日)前3年以内の期間(以下「要証期間」ということがある。)である2015年(平成27年)3月11日に発行されたものといえる。
そうとすれば,被請求人は,2012年(平成24年)4月11日から現在に至るまで,「ライフデリ」と称する店舗を全国展開し,高齢者や病人向けの宅配弁当を提供しているものと認めるのが相当である。
そして,被請求人の提供に係る宅配弁当は,弁当自体を捉えれば商品の販売(小売)といえるとしても,さらにそれを超えて高齢者や病人向けに宅配されるものであって,弁当の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供といえるものであり,かつ,本件請求に係る指定役務の範疇に属する役務というべきである。
(3)本件商標の使用について
「@niftyビジネス」のウェブサイトにおける2012年4月12付のプレスリリース記事には,既に本件商標と同視し得る標章(以下,「使用商標」という。)が表示されていたこと,被請求人が開設したものと認められるウェブサイトのページ及び被請求人の店舗により発行されたものと認められる書面(伝票)にも本件商標と同視し得る標章(使用商標)が表示されていること,などからすると,被請求人のウェブサイトにおいては,2012年4月12日から該ウェブページのプリントアウト時の2015年6月2日までの間に上記使用商標の表示が中断されたとみるよりも,むしろこの間継続して表示されていたものとみるのが自然である。
また,これらの使用商標を表示する行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「商品若しくは役務に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するものというべきである。
(4)小括
以上を総合すると,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に,請求に係る指定役務の範疇に属する役務「弁当の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について,本件商標と社会通念上同一といえる標章(使用商標)を使用していたものと認めるのが相当である。
請求人は,乙第1号証ないし乙第3号証はいずれも要証期間内のものでないこと,乙第1号証及び乙第3号証に表示された標章の使用者が誰であるか特定できないこと,乙第1号証及び乙第3号証に表示された標章は,商品である第30類「弁当」又は,第29類「肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実」について使用するものであること,乙第2号証に表示された標章は,第35類「フランチャイズ事業に関する情報の提供」の役務について使用するものであること,乙第4号証の作成者と商標権者との関係が不明であること,乙第4号証に表示された標章は,商品である第30類「ごはん,加工水産物,加工野菜及び加工果実」及び第29類「主に食肉,魚,家禽肉又は野菜からなる惣菜」等について使用するものであること,などを理由として被請求人の提出に係る証拠によっては,商標法第50条第2項に規定する要件が証明されていない旨主張している。
しかしながら,前示のとおり,乙第1号証,乙第3号証及び乙第4号証は,乙第2号証の記載内容と相俟って,いずれも被請求人によって作成されたものと認められ,これら各乙号証に表示された使用商標は本件商標と社会通念上同一といえるものであり,少なくとも乙第4号証に示す伝票は要証期間内に発行されたものである。
そして,乙第1号証ないし乙第4号証の記載内容に照らし,上記使用商標は本件請求に係る指定役務の範疇に属する役務について被請求人によって使用されているものと認められるから,請求人の上記主張は,理由のないものであり,採用することができない。
以上のとおり,本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,請求に係る指定役務の範疇に属する役務「弁当の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について,商標権者である被請求人により使用されていたものというべきであるから,商標法第50条第1項の規定によりその登録を取り消すべき限りでない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 本件商標(色彩については,原本参照。)
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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