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Trademark Appeal Case

芸名の著名性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−12325(T2015−12325/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「MAYDAY」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類、第37類、第38類、第41類及び第42類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2013年9月24日にオーストラリアにおいてした商標の登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成25年12月26日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同26年7月10日付け及び同27年3月24日付け手続補正書により、別掲1のとおり補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、別掲2の新聞記事情報及びインターネット記事情報を示した上で、「本願商標は、新聞記事情報及びインターネット情報によれば、台湾のロックバンド名『MAYDAY』の文字を標準文字で書してなるものであり、かつ、その者の承諾を得たものとは認められないから、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

商標法第4条第1項第8号は、他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないとする規定である。

そして、商標法第4条第1項第8号に規定する「著名」とは、「指定商品又は指定役務の需要者のみを基準とすることは相当でなく、その略称が本人を指し示すものとして一般に受け入れられているか否かを基準として判断されるべきもの」(最高裁平成16(行ヒ)343)と解されるものである。

また、商標法第4条第3項が「第1項第8号、第10号、第15号、第17号又は第19号に該当する商標であつても、商標登録出願の時に当該各号に該当しないものについては、これらの規定は、適用しない。」と規定しているとおり、本願商標が、商標法第4条第1項第8号に該当するというためには、商標登録出願時及び審決時において、同号の所定の要件を満たさなければならない。

以上を踏まえて本願商標について検討するに、本願商標は、「MAYDAY」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「労働祭」及び「船舶,航空機の発する救難信号」等を意味する英語(「ランダムハウス英和大辞典」小学館発行)である一方で、原審説示のとおり、台湾出身のロックバンドを表すグループ名に当たるものでもある。

そして、原審において提示した新聞記事情報及びインターネット記事情報をみると、新聞記事情報は、商標登録出願前の記事であるところ、該ロックバンドの日本公演の記事であるが、該記事は1日だけ日本公演を行ったにすぎないものであり、当日の観客数についても掲載がされていないものである。また、インターネット記事は、日本で放送されるテレビドラマに該ロックバンドの楽曲が採用された旨の記事であるが、該テレビドラマは、本願商標の登録出願後である平成26年4月に放送が開始され、同年6月には放送が終了しているものである。

さらに、当審において職権をもって調査したところ、商標登録出願前に、該ロックバンドの楽曲を集めたアルバムが発表されているが、該アルバムが音楽界において高い売り上げを記録したといえるような事実はなく、商標登録出願後も、該ロックバンドが我が国において芸能活動をしていることは認められるものの、世間一般に広く知られているといえるほどの芸能活動を行っているものではない。

そうすると、本願商標は、商標登録出願時及び審決時のいずれにおいても、台湾出身のロックバンドを表すグループ名として、世間一般に広く知られているとはいえないことから、商標法第4条第1項第8号に規定する著名な芸名であるということはできない。

なお、原査定は、商標法第4条第1項第8号に該当する要件について明らかにしていないが、拒絶理由通知及び拒絶査定の全趣旨によれば、「著名な芸名」に該当すると認定、判断したものと解されるところ、本願商標は、上記のとおり、著名な芸名であるということはできないものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、本願についての拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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