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Trademark Appeal Case

クセ付けふたえの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−3968(T2015−3968/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類「つけまつ毛用接着剤,その他化粧用接着剤,せっけん類,二重瞼形成用化粧品,その他化粧品,つけまつ毛,身体装飾用シール」及び第5類「ばんそうこう,医療用粘着テープ,医療用接着テープ,その他の医療用テープ,医療用粘着バンド,医療用接着バンド,医療用粘着シート,瞼整形用ストレッチテープ」を指定商品として、平成25年12月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、『クセ付け二重まぶた』に通じ、その指定商品との関係では『二重まぶたのクセ付け用品』を容易に想起させる『クセ付け』『ふたえ』の文字を上下二段に書してなるものであるから、これをその指定商品中『二重まぶたのクセ付けに用いる商品』(例えば、第3類記載の『化粧用接着剤、二重瞼形成用化粧品』及び第5類記載の『全商品』)に使用しても、その商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における手続の経緯

当審において、平成27年7月24日付け証拠調べ通知書により、化粧品等の美容関連商品を取り扱う業界において、二重まぶたを形成するための商品について、「ふたえ」「二重」の文字がまぶたにひだがあり二重になっている「二重まぶた」を表すものとして使用され、また、「クセづけ」「くせづけ」「クセ付け」の文字が二重まぶたを「元に戻りにくい状態になるようにする」「長時間維持する」商品であることを表すものとして使用されている事実、二重まぶたの形成に用いられるテープ類には医療用テープが使用されているものがあるとの事実、及び、二重まぶたを形成するために、ばんそうこうが当該テープ類のように使用されている事実が見いだせるとして、請求人に対し、別掲2に示すウェブサイト情報を提示し、意見を求めたところ、請求人は、同年9月7日付けで意見書を提出した。

4 請求人の意見

請求人は、上記3の通知書に対し、以下を要旨とする意見を述べた。

(1)二重まぶた形成用の化粧品(パック、のり等)、二重まぶたの形成用のテープ類、二重まぶたを形成するために代用使用されるばんそうこうについて、本願商標と同じ「クセ付けふたえ」の語の使用例はないから、普通に使用されているとはいえない。また、この業界で「くせづけふたえ」の語そのものは一般的に使用されているとはいえない現状がある。そして、二重を形成する方法には様々なものがあり、様々な会社で様々なタイプの商品が販売され、様々な使用方法があるから、「ふたえ」を「クセ付ける」とはいっても、暗示的な表現にすぎず、商品の内容、品質を具体的に表示するものとはいえない。

(2)本願商標は、文字の大きさが上段と下段では微妙に異なり、まとまったデザインの外観であり、文字も少しデザイン化されたものであるから、特殊な態様で記載された限定的な商標であって、請求人が使用し、業界で知られている商標に商標権を付与することは、商標流通秩序を維持し、ひいては商標法の目的に寄与するものである。

(3)参考となる異議決定例がある。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、別掲1のとおり、「クセ付け」の文字と「ふたえ」の文字を2段に書してなるところ、その書体及び全体の構成において特殊な態様といえないものであるから、普通に用いられる方法で表してなるものといえるものである。

そして、その構成中、「クセ」の文字は、「折れ曲がったりしわになったりしたまま、元に戻りにくくなっていること」の意味を有する「癖」の語を片仮名で表したものであり、「付け」の文字は、「あるものが他のものから離れない状態にする」の意味(いずれも株式会社小学館「大辞泉 増補・新装板」)を有する「付ける」の語の体言止めであるから、「クセ付け」の文字は、その語義から「元に戻りにくい状態にする」程度の意味合いを認識させるものであり、また、「ふたえ」の文字は、「二重」の語を平仮名で表したものと認められるものである。

また、化粧品等の美容関連商品を取り扱う業界において、別掲2(1)及び(2)のとおり、二重まぶたを形成するための商品について、「ふたえ」「二重」の文字がまぶたにひだがあり二重になっている「二重まぶた」を表すものとして使用されている事実が認められる。

さらに、同業界において、別掲2(1)のとおり、二重まぶた形成用の化粧品、パック、のり等について、別掲2(2)のとおり、アイテープ、二重テープと称される二重まぶたの形成に用いられるテープ類について、「クセづけ」「くせづけ」「クセ付け」の文字が二重まぶたを「元に戻りにくい状態になるようにする」「長時間維持する」商品であることを表すものとして使用されている事実が認められる。

加えて、別掲2(2)のとおり、二重まぶたの形成に用いられるテープ類には医療用テープが使用されているものがあるとの事実が認められるほか、別掲2(3)のとおり、二重まぶたを形成するために、ばんそうこうが当該テープ類のように使用されている事実も認められる。

そうすると、本願商標は、その指定商品中、第3類「つけまつげ用接着剤,その他の化粧用接着剤,二重瞼形成用化粧品,その他化粧品」及び第5類「ばんそうこう,医療用粘着テープ,医療用接着テープ,その他の医療用テープ,瞼整形用ストレッチテープ」に使用された場合には、これに接する取引者、需要者は、「二重まぶたを、元に戻りにくい状態になるようにする」又は「二重まぶたを、長時間維持する」商品であると理解、認識するにとどまり、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、業界において、「クセ付けふたえ」の語の使用例はなく、「くせづけふたえ」の語も一般に使用されているとはいえない現状があるほか、二重を形成する方法には様々なものがあり、様々な会社で様々なタイプの商品が販売され、様々な使用方法があるから、「ふたえ」を「クセづける」といっても暗示的な表現にすぎず、商品の内容、品質を具体的に表示するものとはいえない旨主張する。

しかしながら、二重まぶたを形成するための商品について、本願商標と同一の綴り及び「くせづけふたえ」の文字の使用例がないとしても、上記(1)のとおり、語義から「クセ付け」の文字が「元に戻りにくい状態にする」程度の意味合いを認識させ、また、別掲2(1)及び(2)のとおり、「二重まぶた」を表すものとして使用されている「ふたえ」等の文字及び「クセ付け」等の文字が一つの商品に同時に使用されている事実が複数認められることからすれば、両語を組み合わせたにすぎない本願商標に接する取引者、需要者は、「二重まぶたを、元に戻りにくい状態になるようにする」又は「二重まぶたを、長時間維持する」商品であると理解、認識するにとどまるというべきであるから、本願商標は、暗示的な表現とはいい難いものである。

よって、本願商標は、単に商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標であるというのが相当である。

イ 請求人は、本願商標は、上下の文字の大きさが微妙に異なり、まとまったデザインの外観で、その文字も少しデザイン化されている特殊な態様の商標であり、また、請求人が使用し、業界で知られている商標であるから、商標流通秩序を維持し、ひいては商標法の目的に寄与するものとして商標権を付与するべき旨主張する。

しかしながら、本願商標のように、上下の文字の大きさを変え、まとまりよく2段に表すことは、指定商品の分野を含め一般的に行われていることといえ、また、本願商標に用いられている文字の書体はありふれたものといえるものであるから、上記(1)のとおり、本願商標の書体及び全体の構成において特殊な態様といえるところはなく、普通に用いられる方法で書してなるというのが相当である。さらに、本願商標の使用については、証拠の提出がなく、当審において職権で調査するも、請求人によって本願商標が使用されている事実が把握できない。

ウ 請求人は、本願商標の登録適格性を主張するために、過去の審決、異議決定例を挙げているが、本願とは、商標の構成態様を異にするものであって、出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるものであって、他の審決例等の存在によって、上記判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の主張を採用することはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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