結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2014−300869(T2014−300869/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
登録第934891号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、昭和44年1月20日に登録出願、昭和46年10月30日に設定登録、指定商品を第9類「電気通信機械器具」をはじめとする第7類、第9類、第11類、第12類及び第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とするものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成26年11月18日にされたものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、本件審判の請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により、該商品についての登録を取り消されるべきである。
被請求人は、本件商標が使用されている「電光表示用電球」は、第9類「電気通信機械器具の部品及び附属品」の範疇の「表示灯」に相当する旨述べ、証拠を提出している。
しかしながら、「電光表示用電球」は、第9類「電気通信機械器具の部品及び附属品」に属する商品ではなく、第11類「電球類及び照明用器具」に属する商品である。
したがって、被請求人提出の証拠により、本件商標が、第9類「電気通信機械器具」について使用されたこと及び本件商標と社会通念上同一の商標が使用されていることは証明されていない。
(1)被請求人提出の証拠は第11類「電球類及び照明用器具」についてのものであることについて
ア 乙第2号証の2に掲載される包装箱の写真について
乙第2号証の2には、「フォーカス電球」、「FOCUS LAMPS」の文字が印刷されたラべルが付された包装箱の写真が掲載されているところ、この写真から、被請求人が、本件商標が付された商品と主張するものは、第11類「電球類及び照明用器具」に属する商品であることは明らかである。
イ 乙第1号証の1の「件名」及び乙第1号証の2の「備考」について
乙第1号証の1における「件名」及び「備考」の欄には、「レフランプ」の記載があるから、被請求人が本件商標の使用を主張する商品は「レフランプ」と考えられるところ、「レフランプ」とは、白熱電球の内側にアルミニウムを付着させて反射鏡としたものであり、ランプの口金部分から半分がアルミに覆われており、光を効率的に前方に集中させることができるものであって、ダウンライトやスポットライトとしての用途に優れ、屋内用及び屋外用のものが販売されている。
したがって、「レフランプ」は、白熱電球の一種であり、第11類「電球類及び照明用器具」に属する商品である。
ウ パンフレット(乙4)について
乙第4号証として提出されたパンフレットは、その記載のとおり「自動ドア部門」及び「照明部門」についてのものであり、「電気通信機械器具」についてのパンフレットではない。
また、「照明部門」の欄には、「『フォーカス』ブランドで電球製造を開始以来、半世紀以上にわたってつねに先進の技術で電球の可能性を追求してきました。」と記載されているから、被請求人が製造するものは「電球」であり、「電気通信機械器具」でないことが窺える。
エ 小括
以上のとおり、被請求人提出の証拠は、「電球」についての証拠であり、第9類「電気通信機械器具」についての証拠ではない。
(2) 本件商標の使用が証明されていないことについて
ア 注文請書(乙1の1)と納品書(乙2の2)とは品名が対応しているが、両書類からは、納品された商品に付された商標は特定できない。また、乙第2号証の2に掲載されている商標は、文字のみの「フォーカス」及び「FOCUS」であり、本件商標の特徴をなしている図形(円)を欠いているから、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。
したがって、注文請書、納品書及び乙第2号証の2によっては、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という。)に使用されたことは証明されない。
イ 仕様書(乙2の1)について
乙第2号証の1として提出された仕様書の作成時は、「平成7年3月23日」と推測されるから、該仕様書は要証期間外に作成されたものであり、本件商標が要証期間に使用されたことの証拠とはならない。
(3) まとめ
以上述べたとおり、被請求人の提出した証拠によっては、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも、本件商標を、第9類「電気通信機械器具」に使用していることは証明されていない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標権者(被請求人)は、本件要証期間に日本国内においてその請求に係る指定商品について、本件商標を使用している事実があり、本件審判の請求は成り立たない。
商標権者は、注文請書(乙1の1)に記載されているとおり、2012年(平成24年)11月6日に、パナソニックESエンジニアリング株式会社サイン事業推進グループ(大阪市中央区城見)から「長居陸上競技場用表示灯電球」1000個の注文を受け、納品書(乙1の2)に記載されているとおり、2013年(平成25年)2月13日に納品した事実がある。
(2)注文請書(乙1の1)に記載された品名と、納品書(乙1の2)及び電光表示用電球仕様書(乙2の1)の表紙、第1頁及び図面に記載されている品名とが一致しているものであり、納品書(乙1の2)の右上部における商標権者の社名の頭部と、電光表示用電球仕様書(乙2の1)の表紙の上端及び下端並びに図面の上端に、欧文字「FOCUS」の斜体文字を丸で囲んだ商標が付されている。この欧文字は、片仮名「フォーカス」の表示と相互に変更するものであって、同一の称呼及び観念を生ずる商標にあたり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標に相当することは明白である。このような商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為は、商標についての使用に該当する(商標法第2条第3項第8号)。
また、表示灯の写真(乙2の2)のとおり、表示灯の口金に「FOCUS 110V15WS」と刻印され、包装容器に「FOCUS LAMP」「フォーカス電球」等と表示されている。このような商品又は包装に標章を付する行為は、商標の使用に該当する(商標法第2条第3項第1号)。
(3)注文請書(乙1の1)に記載されている「長居陸上競技場」は、乙第3号証により、現在の「ヤンマースタジアム長居」であり、注文請書(乙第1の1)及び納品書(乙1の2)で取引されている当時は、「長居陸上競技場」であったことが裏付けられる。
また、「ヤンマースタジアム長居」には、視聴覚装置として電光掲示板を備え付けており、注文請書(乙1の1)に記載されている「長居陸上競技場用表示灯電球」は、このヤンマースタジアム長居(乙3)の電光掲示板に使用されていることは明らかである。
(4)商標権者のパンフレット(乙4の1)は、2012年3月に2000枚印刷されて頒布したものである。このパンフレットは、商標権者が三鱗印刷株式会社に印刷を依頼し、受領書(乙4の2)のとおり、2012年(平成24年)3月5日に受領したもので、商標権者が同社から同月19日に請求書(乙4の3)を受け取った事実がある。
なお、上記パンフレット(乙4の1)に記載の「PRODUCT INTRODUCTION」の文字がその受領書(乙4の2)及び請求書(乙4の3)に表示されているから、これらは、全て同一のパンフレットに係るものである。
このパンフレット(乙4の1)の第2面には、「近年『フォーカス』の製品は、各種スタジアムの電光掲示板・・・などでも広く活用されています。」と記載され、また、「電光表示灯用電球」の写真が掲載され、納品書(乙1の2)の図面に記載されているものと形状が一致している。また、このパンフレット(乙4の1)には、「FOCUS」の斜体文字を丸で囲んだ本件登標と社会通念上同一と認められる商標が付されている。このような商品に関する広告に標章を付して頒布する行為は、商標についての使用に該当する(商標法第2条第3項第8号)。
(5)まとめ
以上のとおり、本件要証期間に日本国内において商標権者が本件請求に係る指定商品について、本件商標を使用していることは、明白である。
(1)本件商標の使用について
乙第4号証の1は、商標権者の業務に係るパンフレット「PRODUCT INTRODUCTION」であり、その第2面右下に「2012−03−2000」の表示がある。
また、乙第4号証の2及び乙第4号証の3は、商標権者と印刷会社との間で交わされた2012年3月5日付けの「受領書」及び同月19日付けの「請求書」であり、それぞれに記載された「受注No(コード)」が「A−2004065」、その数量が「2,000」、その他、単価等の記載が一致していること及び乙第4号証の1の第2面の上記記載からみて、商標権者は、2012年3月5日に、その業務に係る商品のパンフレット「PRODUCT INTRODUCTION」(2000部)(乙4の1)を作成し、2012年3月上旬頃に頒布したものといえる。
そして、上記パンフレットの第2面には、「照明部門」の見出しの下に、一般照明用電球、各種装置用の電球及び各種特殊電球として特殊用照明を製造していること、「近年『ファーカス』の製品は、各種スタジアムの電光掲示板や航空機の尾翼灯・翼端灯、さらに病院、ホテルレジャー施設などでも広く活用されています。」と記載されて、さらには「ナゴヤ球場のスコアボード電光掲示板灯に当社開発のLEDランプ36,000個設置。」の記載とともにLEDランプの写真が掲載されていることから、商標権者は、その業務に係る電光掲示板用の電球(LEDランプ)を製造しているものであり、上記パンフレットにおいて、その宣伝広告を行ったことを認めることができる。
さらに、同じく「照明部門」の見出しの下に、別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されているところ、使用商標は、細線で描かれた円を背景に、縦線を太く右傾した「FOCUS」の欧文字が表示されているものであり、該文字中、第1文字目の「F」及び第5文字目の「S」が、背景の円弧上に表示された構成からなり、「フォーカス」の称呼及び「焦点」の観念を生じるものである。
一方、本件商標は、別掲1のとおり、細線で描かれた円を背景に、縦線を太く右傾した「ファーカス」の片仮名が表示されているものであり、該文字中、第1文字目の「フ」及び第5文字目の「ス」が円弧上に表示された構成からなり、「フォーカス」の称呼及び「焦点」の観念を生じるものである。
してみると、本件商標と使用商標とは、文字の背景に細線の円を配した構成、構成中の文字の第1文字目、第5文字目の位置が背景の円弧上に表示されていること及び文字のレタリングの特徴を共通にするものであり、本件商標の文字部分と使用商標の文字部分とは、片仮名と欧文字の表示を相互に変更したものであって、同一の称呼及び観念を生ずるものであることからすれば、使用商標は、本件商標と社会通念上の同一性を失わないものとみるのが相当である。
そうすると、商標権者は、2012年3月上旬頃、「電光掲示板用LEDランプ」(以下「使用商品」という。)に関する広告に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して頒布したということができる。
(2)「電光掲示板用LEDランプ」について
「電光掲示板」は、多数の電球を配列し、その明滅により、又は、LEDや液晶等を用いて、文字や図により情報を表示する装置であり、「電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素にしている通信機械器具(電気通信機械器具)」ということができる。そして、「電光掲示板」には、上記のとおり、発光体として電球が組み込まれる装置及びLEDが用いられる装置があるから、使用商品は、「電光掲示板」の構成要素として用いられるものであって、「電光掲示板」の部品又は付属品であるとみるのが相当である。
そうとすれば、使用商品「電光掲示板用LEDランプ」は、「電気通信機械器具の部品又は付属品」であり、本件請求に係る指定商品「電気通信機械器具」の範疇に含まれる商品である。
請求人は、「乙第4号証は、『自動ドア部門』及び『照明部門』についてのものであり、また『照明部門』の記載によれば、被請求人が製造するのは、第11類『電球類及び照明用器具』の範疇の『電球』であり、第9類『電気通信機械器具』ではないから、乙第4号証により、本件請求に係る商品についての使用は証明されていない」と主張しているところ、使用商品は、LEDランプの明滅により情報を表示することを目的とするものであって、周辺を光で照らして明るくすることを目的とする照明器具用の電球とは、同じ発光体ではあるが、その機能、用途に相当の隔たりがあり、上記1(2)で述べたとおり、「電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素にしている通信機械器具」である「電光掲示板」の専用部品であるから、乙第4号証に係る「スコアボード電光掲示板灯」である「LEDランプ」は、第9類「電気通信機械器具」の範疇に含まれる商品についてのパンフレットとみることができる。
そして、「電光掲示板」の「表示灯」である使用商品が、第9類「電気通信機械器具」の範疇に含まれる商品であることは、「商標法施行規則(別表)」の「第九類 十三 電気通信機械器具」について「(ヤ)電気通信機械器具の部品及び付属品」に属する商品には「表示灯」が分類されていることからも認めることができる。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内である2012年3月頃に日本国内において、商標権者が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る指定商品「電気通信機械器具」の範疇に含まれる「電光掲示板用LEDランプ」について使用したことを証明したものということができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その請求に係る指定商品「電気通信機械器具」について、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。