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Trademark Appeal Case

機能表示商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−21432(T2014−21432/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「減免申請要否判定支援システム」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電子計算機用プログラム」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として、平成26年1月17日に商標登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『減免申請要否判定支援システム』の文字を標準文字で書してなるところ、この文字は、指定商品・役務との関係において、全体として、『減免の申請が必要かそうでないかの判定を支援するためのシステム』程の意味合いを容易に認識させるものである。そうすると、本願商標をその指定商品・役務中、前記意味合いに照応する商品・役務、例えば、第9類『減免の申請が必要かそうでないかの判定を支援するための電子計算機用プログラム』、第42類『減免の申請が必要かそうでないかの判定を支援するための機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,同電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,同電子計算機その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,同電子計算機の貸与,同電子計算機用プログラムの提供』等に使用しても、単に商品の品質、役務の提供の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否か(「減免申請の要否判定を支援するシステム」(「減免の申請が必要かそうでないかの判定を支援するためのシステム」や「減免申請について減免の要否判定を支援するためのシステム」等)ほどの意味合いを想起させ、商品の品質及び役務の質を表したものと認識されるか否か)について、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、別掲2のとおりの事実を内容とする証拠調べの結果を通知した。

4 証拠調べに対する意見の要旨

請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、以下のように述べている。

(1)本願商標からは、「『減免申請の要否(減免申請が必要か否か)』を判定する『支援システム』」の意味合いを生じるが、「『減免申請の減免』の要否(減免が必要か否か)を判定する『支援システム』の意味合いは生じない。何故ならば、本願商標中「判定」の目的語は「減免申請要否」であり、「要否」の目的語は「減免申請」である。審判官は「減免申請について減免」、端的に言えば「減免」と恣意的に解釈しているが独自の解釈であって到底容認できるものではない。本願商標中の「減免申請要否」の意味合いは「減免申請が必要か否か」であるとするのが妥当である。

(2)証拠調べ通知書で示された証拠(別掲2)は、いずれも「減免申請要否」の語の具体的意味合いを示す記載も示唆もないものである。

また、出願人側において調査するも、本願商標「減免申請要否判定支援システム」が、その指定商品(指定役務)を取り扱う業界において、商品の品質等(役務の質等)を表示するものとして、取引上、普通に採択、使用されている事実を発見できなかった。

(3)本願商標が審判官説示のような「減免申請の要否判定を支援するシステム」(「減免の申請が必要かそうでないかの判定を支援するためのシステム」)ほどの意味合いを想起させることがあるとしても、審判官説示のような「減免申請について減免の要否判定を支援するためのシステム」の意味合いを想起させるというのは不自然である。

また、「減免の申請が必要かそうでないか」について、「減免申請しようとする者は減免申請が可能ならば減免申請は必要である。」とほぼ100%答えるはずであるし、「(書面による)減免の申請が必要かそうでないかの判定」については、国・地方公共団体等に対して手続きはほぼ100%申請書が必要であるので、「減免の申請が必要かそうでないかの判定」は意味のない判定ということになるから、本願商標から、審判官説示の意味合いが生じるとするのは不自然である。

(4)上記(1)ないし(3)からすれば、本願商標に接する取引者、需要者をして、本願の指定商品(指定役務)についての品質等(質等)を直接的かつ具体的に表示したものとして理解されるとはいい難いものであり、むしろ、構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品(指定役務)について使用しても、自他商品(自他役務)の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、かつ、商品の品質(役務の質)について誤認を生ずるおそれもないというべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶せんとした審判官の判断は、妥当でなく、取消しを免れない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「減免申請要否判定支援システム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「減免」、「申請」、「要否」、「判定」、「支援」及び「システム」の文字は、それぞれ「租税や刑罰などを、軽くしたり免除したりすること。」、「希望や要望事項を願い出ること。特に、国や公共の機関などに対して認可・許可その他一定の行為を求めること。」、「必要か否かということ。」、「物事を判別して決定すること。また、その決定。」、「力を貸して助けること。」及び「コンピューターを使った情報処理機構。また、その装置。」の意味を有する既成の語(いずれも「デジタル大辞泉」(2015年8月現在)小学館提供。)であり、一般に親しまれているといえるものあるから、本願商標は、これらの文字を結合したものと容易に理解されるものである。

ところで、原審で示した事実(別掲1)、前記3の証拠調べ通知で示した事実(別掲2)並びに別掲3において示すインターネット情報によれば、a.所定の要件を満たした場合において、国や公共の機関などに申請することにより、税等の軽減や免除の措置が適用される各種減免制度が存在すること(別掲2(1)及び(2))、b.このような減免措置の適用を受けるための申請が一般に「減免申請」といわれていること(別掲1(3),別掲2(1)ア、別掲3(1))、c.減免等には申請が必要な場合とそうでない場合があり、申請が必要かどうかの確認が行われていること(別掲1(1)、同3(2))、d.減免申請に係るシステム(電子計算機用プログラム)が製造販売、提供されていること(別掲1(2)、別掲2(1))、e.官公庁等において減免申請に係る業務のシステム化のニーズがあり、実際にシステム化されている例もあること(別掲2(2))、f.「支援システム」の語が「特定の作業や業務を助けるシステム」程の意味合いで、一般に使用され、減免と同義ともいえる免税、控除等を支援するシステム(電子計算機用プログラム)が多数存在していること(別掲1(4)、別掲2(3))についての実情がある。

上記のとおりの本願商標の各構成文字の語意に、上記aないしfで示した実情をも踏まえれば、本願商標の構成中、「減免申請」の文字部分は、減免措置の適用を受けるための申請を表す既成の語として看取されるものであって、これに続く「要否判定」の文字部分は、その「減免申請」に関する「要否を判定すること」を理解させるものであるから、本願商標の構成全体からは、「減免申請に関する要否を判定することを支援するコンピュータープログラムやその装置」程の意味合いが想起されるというのが自然である。

そして、本願の指定商品及び指定役務は、前記1のとおり、電子計算機用プログラムに係る商品並びに電子計算機用プログラム及びその装置に関する役務である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する取引者・需要者に、その商品及び役務が「減免申請に関する要否を判定することを支援するコンピュータープログラムやその装置」に関するものであると理解させるにとどまるものというべきであるから、単に商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標からは、「『減免申請の要否(減免申請が必要か否か)』を判定する『支援システム』」の意味合いを生じるが、「『減免申請の減免』の要否(減免が必要か否か)を判定する『支援システム』の意味合いは生じない旨主張する。

しかしながら、「減免申請に関して減免措置を適用するための申請の要否を判定すること」及び「減免申請に関して減免措置の適用の要否を判定すること」は、いずれも「減免申請に関する要否を判定すること」の範ちゅうに含まれるといえるのであって、かつ、本願商標の構成中の「減免申請要否判定」の文字部分から、これら以外の意味合いが生じるとはいえない。

してみれば、仮に、請求人の主張のとおり、本願商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「減免申請要否判定」の文字部分から、「減免申請に関して減免措置を適用するための申請の要否を判定すること」又は「減免申請に関して減免措置の適用の要否を判定すること」のいずれかの意味合いしか想起しない場合があるとしても、上記(1)で述べたとおり、本願商標から「減免申請に関する要否を判定することを支援するコンピュータープログラムやその装置」程の意味合いを想起するにすぎないのであって、結局、単に商品の品質及び役務の質を表したものと認識することに相違はないのであるから、請求人の主張は採用できない。

イ 請求人は、前記3の証拠調べ通知書で示された証拠(別掲2)は、いずれも「減免申請要否」の語の具体的意味合いを示す記載も示唆もないものであって、また、本願商標が、その指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、商品の品質や役務の質を表示するものとして、取引上、普通に採択、使用されている事実を発見できなかったと主張する。

しかしながら、たとえ、「減免申請要否判定支援システム」や「減免申請要否」の文字が、本願の指定商品の品質及び指定役務の質を表すものとして実際に使用されていないとしても、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断にあっては、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(東京高裁平成12年(行ケ)76号 平成12年9月4日判決参照)とされている。そして、上記(1)のとおり、本願商標の各構成文字の語意に、本件審判の審決時における上記(1)aないしfで示した実情からすれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者に指定商品の品質及び指定役務の質を表したものと認識されるものというのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。

ウ 請求人は、本願商標から、「減免の申請が必要かそうでないかの判定を支援するためのシステム」ほどの意味合いを想起させることがあるとしても、「減免申請しようとする者は減免申請が可能ならば減免申請は必要である。」とほぼ100%答えるはずであるし、「(書面による)減免の申請が必要かそうでないかの判定」については、国・地方公共団体等に対して手続きはほぼ100%申請書が必要であるので、「減免の申請が必要かそうでないかの判定」は意味のない判定ということになるから、本願商標から、上記の意味合いが生じるとするのは不自然である旨主張する。

しかしながら、請求人は独自の理論により、「減免の申請が必要かそうでないかの判定」は意味のない判定であると主張するのみで、これを立証する客観的な証拠の提出等はされていないところ、減免措置の適用においては、申請が必要な場合とそうでない場合があり、かつ、例えば、別掲3(2)で示すとおり、所得金額等によりその要否の判断が異なる場合があるなど、その判断を誰もが容易に行うことができるとはいい難いものであるから、請求人の主張は採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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