結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2014−300621(T2014−300621/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3286393号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成6年6月29日に登録出願、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはりつけチェック装置」を指定商品として、同9年4月25日に設定登録がされ、その後、同19年3月6日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
本件審判の請求の登録は、平成26年9月2日にされている。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品のうち「電気通信機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人は、本件商標が「複合機『spirio』の構成要素の一部として組み込まれるトナーカートリッジ」に使用されていることから、本件商標が請求に係る指定商品「電気通信機械器具」に使用されている旨主張している。
しかしながら、本件商標が「トナーカートリッジ」について使用されていていることが証明されたとしても、本件商標が請求に係る指定商品「電気通信機械器具」に使用されていることは証明されない。
ア 被請求人は、複合機「spirio」の構成要素たる「トナーカートリッジ」が「電気通信機械器具」に属する商品であることは自明であるかのように論じている。
しかしながら、複合機「spirio」についての説明はなく、同機器はいかなる機能・用途を有しているのか不明である。
したがって、複合機「spirio」が「電気通信機械器具」に属する商品であることは明らかでなく、その構成要素と主張する「トナーカートリッジ」も「電気通信機械器具」に該当するのかも不明である。
イ 仮に、複合機「spirio」が「電気通信機械器具」に属するとしても、同機器に使用されるトナーカートリッジに本件商標を使用することは本件商標を「電気通信機械器具」に使用したことにならない。
(ア)商標法第50条の規定により登録商標をその指定商品に使用しているかどうかは、商標法における商品、すなわち、商取引の目的物としての流通性を有するものに登録商標が使用されているかどうかという点から検討されなければならない。
商標法は、商標を、自己の商品と他の商品とを識別し、かつ、他の商品との出所の混同を防止する機能を有するものとして保護しているからである。
(イ)特許電子図書館の『商品・役務名リスト』によると、「トナー(カートリッジ)」は種類によって類似群コードは異なるがいずれも第2類に属する商品として規定されており(甲2)、それ自体独立して商取引における目的物としての流通性を有する。
このことは、「トナーカートリッジ」自体が単独で販売されていることを示す被請求人提出の証拠(乙1〜6)からも明らかである。
(ウ)したがって、「トナーカートリッジ」は「電気通信機械器具」とは異なる別箇独立の商品であり、「電気通信機械器具」の構成要素ではない。
よって、「トナーカートリッジ」についての本件商標の使用はトナー(カートリッジ)について本願商標が使用されていることを示すにとどまり、それ自体とは独立の商取引の目的物である「電気通信機械器具」について本件商標が使用されていることにはならない。
(2)被請求人提出証拠について
ア 乙第1号証及び乙第2号証について
商標法50条2項にいう「登録商標の使用」があったというためには、登録商標が自他商品等識別機能を発揮する形で使用されている必要があり、登録商標が単に記述的に使用されただけでは同項にいう「登録商標の使用」がなされたとはいえない。
乙第1号証及び乙第2号証の「商品名」欄に「SPIRIOトナータイプ305W」が記載されているが、これらは取扱商品を表示するために記述的に本件商標が記載されているにすぎない。
したがって、乙第1号証及び乙第2号証は、本件商標の使用を証明する証拠とはならない。
イ 乙第3号証ないし乙第5号証について
乙第3号証ないし乙第5号証は、本審判請求登録後のウェブサイトを撮影したものなので、審判請求登録前3年以内(以下「要証期間」という)に本件商標が使用されたことを証明する証拠とはならない。
ウ 乙第6号証について
乙第6号証に係る写真の撮影日は不明であるので、同写真は要証期間に本件商標が使用されたことを証明する証拠とはならない。
(3)以上より、被請求人提出証拠(乙1〜6)によっては、本件商標が、要証期間に、本件審判対象商品について使用されていることは証明されない。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
(1)乙第1号証及び乙第2号証について
乙第1号証は、2011年9月30日付けで発行された「SPIRIOトナータイプ 305W」の請求書であり、その取引明細には2011年9月29日に取引が行われたことが記載されている。また、乙第2号証は、2014年3月24日付けで発行された「SPIRIOトナータイプ 305W」の請求書であり、その取引明細には2014年3月20日に取引が行われたことが記載されている。「SPIRIOトナータイプ 305W」は、被請求人製品である複合機「spirio」の構成要素の一部として組み込まれるトナーカートリッジであり、トナーカートリッジは本部品が製品に組み込まれることで製品としての機能を発揮するため、製品として必要不可欠な部品である。
以上のことから、乙第1号証及び乙第2号証において、本件商標が本件審判請求日前の3年以内かつその請求日の3か月以上前に商標権者(被請求人)の製品である複合機「spirio」の重要部品のトナーカートリッジの名称として使用されている。
(2)乙第3号証及び乙第4号証について
乙第3号証及び乙第4号証は、商標権者の100%出資の販売関連会社の「リコージャパン株式会社」が運営するインターネット販売店「NetRICOH」(http://shop.netricoh.com)で、2014年10月10日付け現在において「リコーSpirioトナータイプ300W(ブラック)」及び「リコーSpirioトナータイプ305W(ブラック)」が販売されていることを示すインターネット、販売サイトであり、本件商標が本件審判請求日前の3年以内に商標権者の製品である複合機「spirio」の重要部品のトナーカートリッジの名称として使用されている。
(3)乙第5号証について
乙第5号証は、商標権者ホームページ(http://www.ricoh.co.jp/spirio/support/supply/index.html)で、2014年10月10日付け現在において表示されている「spirioトナータイプ500」、「spirioトナータイプ300W」、「spirioトナータイプ305W」及び「spirioトナータイプ800」についての価格表であり、本件商標が本件審判請求日前の3年以内に商標権者の製品である複合機「spirio」の重要部品のトナーカートリッジの名称として使用されている。
(4)乙第6号証について
乙第6号証は、「Spirioトナータイプ305W」のトナーカートリッジの包装の表示を示す写真であり、本件商標が商標権者の製品である複合機「spirio」の重要部品のトナーカートリッジの名称として使用されている。
(1)本件商標の使用者
乙第1号証の2011年9月30日付け発行の請求書及び乙第2号証の2014年3月24日付け発行の請求書には、商標権者100%出資の当社商品の販売関連会社の名称である「リコージャパン株式会社」、またその事業所の所在地である「北九州市八幡西区割子川2丁目13番20号」、「神奈川県川崎市川崎区日進町1−14 キューブ川崎ビル 3F」が表示されている。乙第3号証及び乙第4号証は、当社100%出資の販売関連会社の「リコージャパン株式会社」が著作権者であることを示す「Copyright2014 RICOHJAPAN Corporation All Rights Reserved.」が表示されている。第5号証は、商標権者「株式会社リコー」及び商標権者100%出資の販売関連会社の「リコージャパン株式会社」が著作権者であることを示す「(C)Ricoh Company,Ltd./RICOH JAPAN Corporation」が表示されている。
(2)使用に係る商品
乙第1号証ないし乙第6号証には、請求に係る指定商品「電気通信機械器具」の製品名及び品番が記載されている。
(3)使用に係る商標
乙第1号証ないし乙第6号証には、本件商標が記載されている。
(4)使用時期
乙第1号証の2011年9月30日付け発行の請求書には、取引明細に「09月29日」と記載され、乙第2号証の2014年3月24日付け発行の請求書には、取引明細に「03月20日」と記載され、乙第3号証及び乙第4号証は、商標権者100%出資の販売関連会社の「リコージャパン株式会社」が運営するインターネット販売店である「NetRICOH」(http://shop.netricoh.com)において2014年10月10日現在も販売され、乙第5号証は、商標権者ホームページ(http:// www.ricoh.co.jp/spirio/support/supply/index.html)にて2014年10月10日現在も表示されている。
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内において商標権者により「電気通信機械器具」について使用している。
商標法第50条第1項に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
本件審判は、本件商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての登録の取消しを請求されたものであり、これに対し、被請求人は、請求に係る指定商品に含まれる「複合機の構成要素の一部として組み込まれるトナーカートリッジ」(以下「本件使用商品」という。)について本件商標を使用しているから、本件審判の請求は成り立たない旨答弁し、乙各号証を提出している。
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証及び乙第2号証は、「リコージャパン株式会社」(北九州市八幡西区割子川2丁目13番20号在)が2011年9月30日付け及び2014年3月24日付けに発行した請求書(写し)と認められるところ、それぞれ、「お取引明細」において、乙第1号証は「月日」欄に「09.29」、乙第2号証は「月日」欄に「03.20」とあり、それに対応する「商品名」欄に、共に「SPIRIOトナータイプ 305W」との記載がある。
イ 乙第3号証及び乙第4号証は、「リコージャパン株式会社」が運営する「リコーのオンラインショップ NetRICOH Lite」と称するウェブサイトの要証期間後の打ち出しと認められるところ、それぞれ、「取扱い商品」の表示の下、乙第3号証には「リコーSpirioトナータイプ300W(ブラック)【639313】」、乙第4号証には「リコーSpirioトナータイプ305W(ブラック)【639189】」の記載がある。
ウ 乙第5号証は、商標権者のウェブサイトの要証期間後の打ち出しと認められるところ、「複写機 消耗品」の表示の下、「モノクロ機」の表には、「シリーズ名」、「機種名」、「製品名」、「品種コード」の順に、「spirioシリーズ」、「spirio5010/(略)」、「spirioトナータイプ500 ブラック」、「636969」の記載があり、また、「広幅機」の表には、同じく「spirioシリーズ」、「spirio300W/(略)」、「spirioトナータイプ ブラック300W ブラック」、「639313」及び「spirioシリーズ」、「spirio400W/(略)」、「spirioトナータイプ ブラック305W ブラック」、「639189」の記載がある。
エ 乙第6号証は、「Spirioトナータイプ305W」のトナーカートリッジの包装の本体写真であるとするものであり、「RICOH」、「Spirioトナータイプ305W」、「ブラック」及び「商品番号 63−9189」の記載がある。そして、「商品番号 63−9189」の記載は、乙第4号証の「リコーSpirioトナータイプ305W(ブラック)における「【639189】」の記載及び乙第5号証の「Spirioトナータイプ305W ブラック」における「639189」の記載と符合するものである。
(2)上記(1)で認定した事実を総合してみれば、通常使用権者と認められる「リコージャパン株式会社」が、「Spirioトナータイプ305W」と包装箱に表示されたトナーカートリッジ(本件使用商品)を、要証期間内である2011年(平成23年)9月30日及び2014年(平成26年)3月24日に販売したことが推認される。
そして、本件使用商品の包装箱に表示された「Spirioトナータイプ305W」の表示中の「Spirio」の文字からなる標章(以下「本件使用商標」という。)は、本件商標と社会通念上同一のものであると認められる。
本件使用商標が請求に係る指定商品(電気通信機械器具)についての使用に該当するか否か、すなわち、本件使用商品(トナーカートリッジ)が「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品であるか否かについて検討するに、被請求人は、本件商標が「複合機『spirio』の構成要素の一部として組み込まれるトナーカートリッジ」に使用されていることから、本件商標が請求に係る指定商品「電気通信機械器具」に使用されている旨主張するのみであり、これに対する「本件商標が『トナーカートリッジ』について使用されていていることが証明されたとしても、本件商標が請求に係る指定商品に使用されていることは証明されない。」旨及びその他の請求人の主張についても、何らの主張、立証をしていない。
そして、本件使用商品が組み込まれるとする被請求人のいう「複合機」そのものが「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品であるか否かについて、何ら明らかにされていない。また、仮に、該複合機が乙第5号証に記載された「複写機」であるとしても、それが「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品であるということはできない。
したがって、本件商標は、請求に係る指定商品「電気通信機械器具」について使用したということはできない。
以上のとおり、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品について使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の商品」について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。