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Trademark Appeal Case

指定商品と使用商品の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2014−300622(T2014−300622/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3286393号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成6年6月29日に登録出願、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはりつけチェック装置」を指定商品として、同9年4月25日に設定登録がされ、その後、同19年3月6日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

本件審判の請求の登録は、平成26年9月2日にされている。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品のうち「電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、本件商標が「複合機『spirio』の構成要素の一部として組み込まれるトナーカートリッジ」に使用されていることから、本件商標が請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に使用されている旨主張している。

しかしながら、本件商標が「トナーカートリッジ」について使用されていていることが証明されたとしても、本件商標が請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に使用されていることは証明されない。

ア 被請求人は、複合機「spirio」の構成要素たる「トナーカートリッジ」が「電子応用機械器具及びその部品」に属する商品であることは自明であるかのように論じている。

しかしながら、複合機「spirio」についての説明はなく、同機器はいかなる機能・用途を有しているのか不明である。したがって、複合機「spirio」が「電子応用機械器具及びその部品」に属する商品であることは明らかでなく、その構成要素と主張する「トナーカートリッジ」も「電子応用機械器具及びその部品」に該当するのかも不明である。

この点、被請求人は、乙第7号証及び乙第8号証により複合機「Spirio」が「電子応用機械器具及びその部品」に属することは明らかになり、本件商標が付された「トナーカートリッジ」が「電子応用機械器具及びその部品」に属することも明らかになった旨主張する。

しかしながら、乙第7号証及び乙第8号証に記載の「Spirio3550/3500」及び「Spirio4050/4000」は、乙第1号証ないし乙第4号証及び乙第6号証に記載の「Spirioトナータイプ305W」及び「Spirioトナータイプ300W」に対応する複合機ではない(甲5)。したがって、本件商標が付された「トナーカートリッジ」に対応する複合機が「電子応用機械器具及びその部品」に属することについての証明はなされていない。

イ 仮に、複合機「spirio」が「電子応用機械器具及びその部品」に属するとしても、同機器に使用されるトナーカートリッジに本件商標を使用することは本件商標を「電子応用機械器具及びその部品」に使用したことにならない。

(ア)商標法第50条の規定により登録商標をその指定商品に使用しているかどうかは、商標法における商品、すなわち、商取引の目的物としての流通性を有するものに登録商標が使用されているかどうかという点から検討されなければならない。

商標法は、商標を、自己の商品と他の商品とを識別し、かつ他の商品との出所の混同を防止する機能を有するものとして保護しているからである。

(イ)特許電子図書館の『商品・役務名リスト』によると、「トナー(カートリッジ)」は種類によって類似群コードは異なるがいずれも第2類に属する商品として規定されており(甲2)、それ自体独立して商取引における目的物としての流通性を有する。

このことは、「トナーカートリッジ」自体が単独で販売されていることを示す被請求人提出の証拠(乙1〜6)からも明らかである。

(ウ)したがって、「トナーカートリッジ」は「電子応用機械器具及びその部品」とは異なる別箇独立の商品であり、「電子応用機械器具及びその部品」の構成要素ではない。

よって、「トナーカートリッジ」についての本件商標の使用はトナー(カートリッジ)について本願商標が使用されていることを示すにとどまり、それ自体とは独立の商取引の目的物である電子応用機械器具及びその部品について本件商標が使用されていることにはならない。

ウ 上記イに対して、被請求人は、「トナーカートリッジ」が類似群コード11C01に属すること、及び「トナーカートリッジ」が複写機を構成するために、必要不可欠な部品であることを理由に、「トナーカートリッジ」が「電子応用機械器具及びその部品」に属する旨主張する。

しかしながら、商標法第50条第1項の文言上、使用の証明は、指定商品・役務それ自体についてなされることを要し、これに類する商品・役務についてなされるだけでは不十分である。

また、商品の分類は、商標法施行令別表の表示を頂点に下位概念の商品を順次階層的に概念括りして配列するという体系を採っており、その範囲があらかじめ画定され、互いに区別されている。したがって、第2類の「トナーカートリッジ」が第9類の「電子応用機械器具及びその部品」に属さないことは明らかである。

以上のことから、「トナーカートリッジ」に本件商標を付す行為は、「電子応用機械器具及びその部品」について本件商標を使用することにはならない。

(2)被請求人の提出証拠について

ア 乙第1号証及び乙第2号証(乙第7号証及び乙第8号証を含む。)について

商標法50条2項にいう「登録商標の使用」があったというためには、登録商標が自他商品等識別機能を発揮する形で使用されている必要があり、登録商標が単に記述的に使用されただけでは同項にいう「登録商標の使用」がなされたとはいえない。

乙第1号証及び乙第2号証の「商品名」欄に「SPIRIOトナータイプ305W」が記載されているが、これらは取扱商品を表示するために記述的に本件商標が記載されているにすぎない。

すなわち、被請求人が、乙第7号証及び乙第8号証により、複合機の名称が「Spirio」であることを示していること、また、「トナーカートリッジ」を販売するに当たっては、その性質上、機種の適合関係を示す必要があることから、乙第1号証及び乙第2号証における「SPIRIO」の記載は、「トナーカートリッジ」の出所を表示するものではなく、単に、その適合関係を記述的に示しているにすぎない。

したがって、乙第1号証及び乙第2号証は、本件商標の使用を証明する証拠とはならない。

イ 乙第3号証ないし乙第5号証について

乙第3号証ないし乙第5号証は、本審判請求登録後のウェブサイトを撮影したものなので、審判請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という。)に本件商標が使用されたことを証明する証拠とはならない。

ウ 乙第6号証について

乙第6号証に係る写真の撮影日は不明であるので、同写真は要証期間に本件商標が使用されたことを証明する証拠とはならない。

(3)以上のとおり、被請求人提出した証拠によっては、本件商標が、要証期間に、請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について使用されていることは証明されていない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。

1 本件商標の使用事実の要点

(1)乙第1号証及び乙第2号証について

乙第1号証は、2011年9月30日付けで発行された「SPIRIOトナータイプ 305W」の請求書であり、その取引明細には2011年9月29日に取引が行われたことが記載されている。また、乙第2号証は、2014年3月24日付けで発行された「SPIRIOトナータイプ 305W」の請求書であり、その取引明細には2014年3月20日に取引が行われたことが記載されている。「SPIRIOトナータイプ 305W」は、商標権者(被請求人)製品である複合機「spirio」の構成要素の一部として組み込まれるトナーカートリッジであり、トナーカートリッジは本部品が製品に組み込まれることで製品としての機能を発揮するため、製品として必要不可欠な部品である。

以上のことから、乙第1号証及び乙第2号証において、本件商標が本件審判請求日前の3年以内かつその請求日の3か月以上前に商標権者の製品である複合機「spirio」の重要部品のトナーカートリッジの名称として使用されている。

(2)乙第3号証及び乙第4号証について

乙第3号証及び乙第4号証は、商標権者の100%出資の販売関連会社の「リコージャパン株式会社」が運営するインターネット販売店「NetRICOH」(http://shop.netricoh.com)で、2014年10月10日付け現在において「リコーSpirioトナータイプ300W(ブラック)」及び「リコーSpirioトナータイプ305W(ブラック)」が販売されていることを示すインターネット、販売サイトであり、本件商標が本件審判請求日前の3年以内に商標権者の製品である複合機「spirio」の重要部品のトナーカートリッジの名称として使用されている。

(3)乙第5号証について

乙第5号証は、商標権者ホームページ(http://www.ricoh.co.jp/spirio/support/supply/index.html)で、2014年10月10日付け現在において表示されている「spirioトナータイプ500」、「spirioトナータイプ300W」、「spirioトナータイプ305W」及び「spirioトナータイプ800」についての価格表であり、本件商標が本件審判請求日前の3年以内に商標権者の製品である複合機「spirio」の重要部品のトナーカートリッジの名称として使用されている。

(4)乙第6号証について

乙第6号証は、「Spirioトナータイプ305W」のトナーカートリッジの包装の表示を示す写真であり、本件商標が商標権者の製品である複合機「spirio」の重要部品のトナーカートリッジの名称として使用されている。

(5)乙第7号証及び乙第8号証について

乙第7号証及び乙第8号証は、商標権者の複写機商品である「spirio」シリーズのカタログである。該カタログの表紙によれば、「spirio」は静電複写機であることが記載されており、また、仕様においても「間接静電複写方式」の記載があり、複写機であることが明記されている。

このことから、「spirio」が「電子応用機械器具及びその部品」に属する商品であることは明らかである。

2 本件商標の使用の事実

(1)本件商標の使用者

乙第1号証の2011年9月30日付け発行の請求書及び乙第2号証の2014年3月24日付け発行の請求書には、商標権者100%出資の当社商品の販売関連会社の名称である「リコージャパン株式会社」、またその事業所の所在地である「北九州市八幡西区割子川2丁目13番20号」、「神奈川県川崎市川崎区日進町1−14 キューブ川崎ビル 3F」が表示されている。乙第3号証及び乙第4号証は、当社100%出資の販売関連会社の「リコージャパン株式会社」が著作権者であることを示す「Copyright2014 RICOHJAPAN Corporation All Rights Reserved.」が表示されている。第5号証は、商標権者「株式会社リコー」及び商標権者100%出資の販売関連会社の「リコージャパン株式会社」が著作権者であることを示す「(C)Ricoh Company,Ltd./RICOH JAPAN Corporation」が表示されている。

(2)使用に係る商品

乙第1号証ないし乙第6号証には、請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」の製品名及び品番が記載されている。

(3)使用に係る商標

乙第1号証ないし乙第6号証には、本件商標が記載されている。

(4)使用時期

乙第1号証の2011年9月30日付け発行の請求書には、取引明細に「09月29日」と記載され、乙第2号証の2014年3月24日付け発行の請求書には、取引明細に「03月20日」と記載され、乙第3号証及び乙第4号証は、商標権者100%出資の販売関連会社の「リコージャパン株式会社」が運営するインターネット販売店である「NetRICOH」(http://shop.netricoh.com)において2014年10月10日現在も販売され、乙第5号証は、商標権者ホームページ(http:// www.ricoh.co.jp/spirio/support/supply/index.html)にて2014年10月10日現在も表示されている。

3 請求人の主張に対して

(1)請求人は、「仮に、複合機『spirio』が『電子応用機械器具及びその部品』に属するとしても、同機器に使用されるトナーカートリッジに本件商標を使用することは本件商標を『電子応用機械器具及びその部品』に使用したことにならない。」旨主張し、その理由として「『トナー(カートリッジ)』は種類によって類似群コードは異なるがいずれも第2類に属する商品として規定されており、それ自体独立して商取引における目的物としての流通性を有する。」旨主張している。

請求人が主張するように「トナーカートリッジ」は第2類に属する商品として規定されているが、「トナーカートリッジ」はその使用用途により異なる類似群コードを有し、例えば、本件商標を使用している「トナーカートリッジ」であれば、「コピー機用トナーカートリッジ」として類似群コード:11C01に属している。

本件商標を使用している「トナーカートリッジ」は「電子応用機械器具及びその部品」に類似するものであり、本件の使用行為が「電子応用機械器具及びその部品」の使用に当たる。

さらに、一般的に複写機は「トナーカートリッジ」が組み込まれていることで、その「トナーカートリッジ」から「トナー」を供給することが可能となり、複写機としての複写機能を発揮するものである。

そのため、「トナーカートリッジ」は、複写機を構成するために、必要不可欠な部品であることは明白である。商標権者の複写機商品である「spirio」においても、本件商標が付された「トナーカートリッジ」を組み込むことで複写機としての機能を発揮するため、本件商標が付された「トナーカートリッジ」の使用は、商取引の目的物として商標権者商品の「spirio」シリーズとしての使用であり、「電子応用機械器具及びその部品」についての使用であることは明白である。

(2)請求人は、乙第1号証及び乙第2号証について、「取扱商品を表示するために記述的に本件商標が記載されているにすぎない。」旨主張している。

しかしながら、商標法第2条第3項第8号では、取引書類に標章を付すことは商標の使用であることが明確に記載されている。

4 むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内において商標権者により「電子応用機械器具及びその部品」について使用している。

第4 当審の判断

1 本件商標の使用について

(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第5号証は、審判請求の登録前3年以内(要証期間)後である2014年10月10日付けの商標権者のウェブサイトの打ち出しと認められるところ、「複写機 消耗品」の表題の下、「モノクロ機」の表には、「シリーズ名」、「機種名」、「製品名」、「品種コード」、「規格」、「販売単位」及び「標準価格(消費税別)」の順に、「spirioシリーズ」、「(略)/spirio3500/spirio3550/spirio4000/spirio4050」、「PPCトナータイプ350 ブラック」、「639260」、「285g」、「1本」及び「8,000円」の記載がある。

イ 乙第7号証及び乙第8号証は、商標権者の複写機に係る商品カタログとするものであり、乙第7号証のカタログ(以下「乙7カタログ」という。)は、その表紙において、「RICOH」及び「Spirio」の文字が大きく表示され、「Spirio」の文字には、その左上部に「人に地球に優しい高性能PPC」の文字、右下部に「3550/3500」の数字が併記され、左下部には複写機の写真とともに「静電複写機」の文字が表示されている。また、その裏表紙には、「spirio 3550/3500の主な仕様」のタイトルの下に「複写方式」欄の「間接静電複写方式」の記載のほか、「トナー」として「●リコーPPCトナータイプ350 標準価格8,000円(消費税別)(リコー指定トナーをご使用下さい)」の記載、「株式会社リコー」の表示とともに各支店等の住所・電話番号の記載、「このカタログの記載内容は、1996年3月現在のものです。」などの記載がある。乙7カタログにおける「Spirio」の文字及び「3550/3500」の数字と乙第5号証における機種名の「spirio3500」及び「spirio3550」の文字及び数字とは符合する。

同じく乙第8号証のカタログ(以下「乙8カタログ」という。)は、その表紙において、「RICOH」及び「Spirio」の文字が大きく表示され、「Spirio」の文字には、その左上部に「人に地球に優しい高性能PPC」の文字、右下部に「4050/4000」の数字が併記され、左下部には複写機の写真とともに「静電複写機」の文字が表示されている。また、その裏表紙には、「spirio 4050/4000の主な仕様」のタイトルの下に「複写方式」欄の「間接静電複写方式」の記載のほか、「トナー」として「●リコーPPCトナータイプ350 標準価格8,000円(消費税別)(リコー指定トナーをご使用下さい)」の記載、「株式会社リコー」の表示とともに各支店等の住所・電話番号の記載、「このカタログの記載内容は、1996年12月現在のものです。」などの記載がある。乙8カタログにおける「Spirio」の文字及び「4050/4000」の数字と乙第5号証における機種名の「spirio4000」及び「spirio4050」の文字及び数字とは符合する。

ウ また、「リコージャパン株式会社」(北九州市八幡西区割子川2丁目13番20号在)が2011年9月30日付け及び2014年3月24日付けに発行した請求書(写し)(乙1,乙2)、同社が運営する「リコーのオンラインショップ NetRICOH Lite」と称するウェブサイトの打ち出しにおける「取扱い商品」の表示の下の「リコーSpirioトナータイプ305W(ブラック)【639189】」の記載(乙4)、商標権者のウェブサイトにおける複写機消耗品の価格表の「spirioトナータイプ305W ブラック」についての記載(乙5)及び「Spirioトナータイプ305W」のトナーカートリッジの包装の本体写真(乙6)からすると、「リコージャパン株式会社」が、乙第6号証における態様の文字により「Spirioトナータイプ305W」と包装箱に表示されたトナーカートリッジを、要証期間内である2011年(平成23年)9月30日及び2014年(平成26年)3月24日に販売したことが認められる。

エ 上記ア及びイによれば、乙7カタログ及び乙8カタログで紹介されている商品は、商標権者の製造に係る「静電複写機」といえるものであって、「Spirio」の商標を付して販売されたものといえる。なお、該商品は、本件要証期間内において販売された等の主張、立証がないことからすると、要証期間前に販売されたものであると推認される。そして、乙7カタログ及び乙8カタログで紹介された商品は、要証期間後である2014年10月10日付けの商標権者のウェブサイトの打ち出し(乙5)において、その商品に対応する消耗品である「トナーカートリッジ」が紹介されていたことが認められる。

(2)上記(1)で認定した事実によれば、乙7カタログ及び乙8カタログで紹介された商品「静電複写機」と機種は相違するものの、2014年10月10日付けの商標権者のウェブサイトの打ち出し(乙5)において、同じシリーズ名「spirioシリーズ」として「spirioトナータイプ305W ブラック」が紹介され、「Spirioトナータイプ305W」と包装箱に表示されたトナーカートリッジ(乙6)を、要証期間内である2011年(平成23年)9月30日及び2014年(平成26年)3月24日に販売したことが認められるものであるから、乙7カタログ及び乙8カタログで紹介された機種名が「spirio3500」、「spirio3550」、「spirio4000」又は「spirio4050」である静電複写機自体が要証期間内において販売されていないとしても、それに対応するトナーカートリッジである「PPCトナータイプ350 ブラック」については要証期間後まで継続的に販売されていたものと推認される。

そして、静電複写機は、一般的な消費材と異なり、耐久年数が長く、該機種の製造が終了した後においても、該商品が直ちに世上巷間から消え去ることはなく、取引者、需要者の目にみえる形で利用が継続されることは、取引の実情として顕著な事実といえるものであり、その消費財である「トナーカートリッジ」の販売に当たり、それに対応する商品「静電複写機」に係る商標を、「トナーカートリッジ」の価格表等に表示することも十分考えられ、その場合、該商標が静電複写機の出所表示機能を発揮しているとみることもできる。

本件についてみれば、乙第5号証は、2014年10月10日付けの商標権者のウェブサイトの打ち出しであり、上記のとおり、そこに記載された機種名である「spirio3500」、「spirio3550」、「spirio4000」又は「spirio4050」の表示は、乙7カタログ及び乙8カタログで紹介された静電複写機の機種名とみることができる。

そして、乙第5号証における乙7カタログ及び乙8カタログで紹介された静電複写機に係る一連の表示については要証期間内においても公開されていたものと推認される。

また、上記の「spirio3500」、「spirio3550」、「spirio4000」又は「spirio4050」の表示は、それぞれの数字部分は型番等であるから、「spirio」の文字部分を独立した商標の使用とみることが相当であり、該文字部分は本件商標と社会通念上同一の商標といえる。

してみれば、商標権者が静電複写機用トナーカートリッジの紹介をするウェブサイトにおいて、請求に係る指定商品中の「静電複写機」について本件商標と社会通念上同一の商標の使用がされたとみるのが相当であり、乙第5号証における機種名欄の記載は、静電複写機についての商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に当たるといえる。

3 まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定商品中の「静電複写機」について、本件商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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