sokuhyo

Trademark Appeal Case

「Polo」著名性と結合商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成4年審判第22531号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「The Polo Cup Challenge」の文字を横書きしてなり、第17類「被服その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年4月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、出願人とは他人であるアメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識として本願出願時には既に著名に至っていた『Polo』の文字を含んでなるものであるから、これをその指定商品について使用するときは、その商品が上記他人の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

本願商標は、各文字が同書、同大、等間隔で一連かつ一体に表示され、全体として「ポロ競技の優勝杯に挑戦する」という意味合いを想起させるものであって、他に「Polo」の文字のみを抽出して称呼、観念しなければならない格別の事情が存せず、「ザポロカップチャレンジ」の一連の称呼のみを生ずる。本願商標は、「Polo」の文字を有しているとしても、該文字が全体の構成に融合しているものであり、これより直ちにアメリカのデザイナーであるラルフ・ローレンのデザインに係る商品を想起することはない。「Polo」自体は、元来「ポロ競技」を意味する普通名詞であり、ラルフ・ローレンが使用することによって著名になったものではない。ラルフ・ローレン自身も「POLO by RALPHLAUREN」等、ラルフ・ローレンの標章と結合した態様で使用してきたものである。「POLO」、「Polo」を含む商標がラルフ・ローレンの使用に係る標章と非類似であるとして登録されている。

4 当審の判断

(1) (株)講談社昭和53年発行7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。

そして、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’SCLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。

他に、これを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として遅くとも昭和55年頃までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標は、前記構成からなるものであるところ、「The」、「Polo」、「Cup」、「Challenge」がそれぞれ既成の意味を有する語であるから、これら4つの語を結合してなるものであることは明らかであって、「Polo」の文字部分が1つの語に吸収されて埋没しているものではなく、かつ、全体として不可分一体の既成の観念を示すものとして一般に広く認識されているものともいい難いものである。

この点について、請求人は、本願商標は「Polo」の文字が全体の構成に融合し全体として「ポロ競技の優勝杯に挑戦する」の意味合いを想起させるものである旨主張しているが、本願商標がかかる意味合いを有するものとして一般に知られているものとは認められないし、請求人も何らその証左を示すところがないから、請求人のこの主張は採用することができない。

そうすると、本件商標をその指定商品である「被服等」に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「Polo」の文字に注目し、前記周知になっているラルフ・ローレンに係る「Polo」標章を想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

なお、請求人は当庁における審査例を挙げて種々主張するところがあるも、それらは指定商品が異なり事案を異にするものであるから、請求人の主張は採用することができない。

(3)以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。