Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2015−900181(T2015−900181/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5746855号商標(以下「本件商標」という。)は、「ロカペット」の片仮名を上段に、「ROKAPET」の欧文字を下段に、それぞれ横書きしてなり、平成26年7月2日に登録出願され、第11類「ペット用にも使える家庭用軟水器(電気式のものを除く。),家庭用軟水装置,ペット用にも使える家庭用浄水器(電気式のものを除く。),その他の家庭用浄水器,瞬間湯沸かし器用ろ過式散水器,ガス湯沸かし器,純水製造装置,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,浄水装置,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,家庭用電熱用品類」を指定商品として、同27年3月6日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の4件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)。
1 登録第2065043号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、昭和57年3月3日に登録出願、同63年7月22日に設定登録されたものであり、その商標権は、第11類、第20類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
2 国際登録第905212号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、2006年8月2日に国際登録され、2007年(平成19年)5月4日に国際商標登録出願(事後指定)、第11類、第19類、第20類及び第21類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成24年8月10日に設定登録されたものである。
3 登録第1457962号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ロカポット」の片仮名を横書きしてなり、昭和42年11月9日に登録出願、同56年3月31日に設定登録されたものであり、その商標権は、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
4 登録第2556259号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ロカポット」の片仮名を横書きしてなり、平成3年2月20日に登録出願、同5年7月30日に設定登録されたものであり、その商標権は、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ロカペット」の片仮名文字と「ROKAPET」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、「口カペット」は「ロカ」及び「ペット」を結合してなり、「ROKAPET」は「ROKA」及び「PET」を結合してなるものと容易に把握、理解できる。
しかるに、我が国において「ペット」及び「PET」の各語は「愛玩動物」の意味を有する外来語として一般に親しまれた語であることから、本件商標中の「ペット」及び「PET」の文字部分は、「愛玩動物」の意味を表す語とみるのが自然である。
そして、本件商標は、その指定商品として「ペット用にも使える家庭用軟水器(電気式のものを除く。)」、「ペット用にも使える家庭用浄水器(電気式のものを除く。)」を含んでいることから、本件商標と指定商品との関係においては、商品の品質、用途が「愛玩動物用」のものであることを表示したものと誰もが容易に理解、認識できる。
してみれば、本件商標の構成中の「ペット」及び「PET」の文字部分は、商品の品質、用途を表示しているに過ぎず、自他商品の識別標識としての機能を有していない。このため、本件商標においては、「ロカ」及び「ROKA」の文字部分のみが、自他商品の識別標識としての機能を果たしているものと認められ、この文字部分からは「ロカ」の称呼が生ずる。
他方、引用商標1及び2は、やや図案化されているものの、いずれも「Roca」の欧文字を横書きしてなるものであるから、「ロカ」の称呼を生ずることが明らかである。
したがって、本件商標と引用商標1及び2は、ともに「ロカ」の称呼を同じくする称呼上類似の商標である。また、本件商標と引用商標1及び2の指定商品は、同一又は類似のものである。
また、本件商標の「口カペット」及び「ROKAPET」の文字部分全体から「ロカペット」の称呼が生ずるとしても、その称呼は引用商標3及び4と類似する。すなわち、引用商標3及び4は、いずれも「ロカポット」の片仮名文字を横書きしてなり、「ロカポット」の称呼を生ずる。本件商標と引用商標3及び4の称呼を比較すると、「ロカペット」と「ロカポット」は共に5音よりなり、第3音において「ぺ」と「ポ」の音の差異を有するが、「ぺ」と「ポ」の音は50音中の同行に属する近似音であり、しかも称呼の差異を聴別しにくい中間部の位置にあることを併せ考えれば、両称呼の全体をそれぞれ一連に称呼したときは聞き誤るおそれがあることから、称呼上類似の商標であると言える。また、本件商標と引用商標3及び4の指定商品は、同一又は類似のものである。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似のものであり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
第4 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は、前記したように、「ロカペット」の片仮名を上段に、「ROKAPET」の欧文字を下段に、それぞれ横書きしてなるものである。
また、本件商標の構成態様において、その構成中の「ロカ」及び「ROKA」の文字部分が強く支配的なものとして、印象、記憶されるというべき、特段の事情も認められない。
そして、本件商標を構成する上段部の「ロカペット」及び下段部の「ROKAPET」の各文字は、それぞれ、同書体、同じ大きさで等間隔をもって表されており、視覚上も一体的に把握できるものである。
してみれば、本件商標は、上段部分及び下段部分は、それぞれ一体不可分のものとして認識されるとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標が、その構成中に「ペット」及び「PET」の語を有しているとしても、この部分を愛玩動物用の商品であることを示す商品の品質、用途表示と捉え、本件商標の要部は「ロカ」及び「ROKA」であって、この部分が自他商品の識別機能を果たすとみるのは、その構成態様に照らして相当ではないというべきである。
したがって、本件商標からは、「ロカペット」の一連の称呼のみが生じるものである。
そして、本件商標を構成する上下の各語は、それぞれ辞書等への掲載がなく、また、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものでもないから、一種の造語として認識されるものであって、ここからは特定の観念は生じないものである。
なお、申立人は、我が国において「ペット」及び「PET」の各語は「愛玩動物」の意味を有する外来語として一般に親しまれた語であり、本件商標と指定商品との関係においては、商品の品質、用途が「愛玩動物用」のものであることを表示したものと誰もが容易に理解、認識でき、本件商標の構成中の「ペット」及び「PET」の文字部分は、商品の品質、用途を表示しているに過ぎず、自他商品の識別標識としての機能を有していないこと、このため、本件商標において、「ロカ」及び「ROKA」の文字部分のみが、自他商品の識別標識としての機能を果たしているものと認められ、この文字部分からは「ロカ」の称呼が生ずると主張し、甲第6号証ないし甲第9号証を提出している。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比される商標について、当該判断時の取引の実情を勘案しつつ、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本件商標の構成中、上段部分及び下段部分は、それぞれが一体不可分の造語とみるのが相当であり、本件商標がその構成中に「ペット」および「PET」の文字を有することをもって上記甲各号証の審決例を直ちに本件に適用してその類否を判断することは適切とはいえず、申立人が示す上記甲各号証の事例と本件とは事案を異にするものであり、上記の申立人の主張は採用することはできない。
2 引用商標について
(1)引用商標1について
引用商標1は、前記したように、別掲1の構成からなるものであり、その文字部分は一体的に把握され、「ロカ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標2について
引用商標2は、前記したように、別掲2の構成からなるものであり、その文字部分は一体的に把握され、「ロカ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)引用商標3及び引用商標4について
引用商標3及び引用商標4は、前記したように、それぞれ、「ロカポット」の片仮名よりなるものであり、これより、「ロカポット」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
3 本件商標と引用商標との類否について
(1)外観について
本件商標は、前記1のとおりの構成からなるものであるから、「ロカペット」及び「ROKAPET」の各文字は、それぞれ一体的に把握されるというのが相当である。
これに対して、引用商標は、それぞれ前記2のとおりの構成からなるところ、引用商標1と引用商標2は、別掲1及び2のとおり、図案化された「Roca」の文字と図形部分とからなるものであり、引用商標3及び引用商標4は、「ロカポット」の片仮名からなるものであって、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、構成文字及び図形部分の有無が相違し、本件商標と引用商標3及び引用商標4においては、片仮名部分の第3文字目において明らかに相違する「ペ」と「ポ」の文字及び「ROKAPET」の文字の有無という相違があることから、外観において十分区別し得る差異を有するものであり、本件商標は、引用各商標とは外観上類似しない。
(2)称呼について
本件商標から生じる称呼は、「ロカペット」であり、引用商標1及び引用商標2から生じる称呼は「ロカ」である。これらは、その音数、音構成を異にするものであり、互いに類似するとはいえないものである。
次に、本件商標から生じる「ロカペット」の称呼と引用商標3及び引用商標4から生じる「ロカポット」の称呼を比較するに、その相違音である「ペッ」の音と「ポッ」の音は、中間部に位置するとはいえ、それぞれ促音を伴うことにより比較的強く発音されるといえるから、両者をそれぞれ一連に称呼するときには語調、語感を異にし、互いに聞き分けることができるというのが相当であり、本件商標と引用商標3及び引用商標4とは、その称呼において類似するとはいえないものである。
(3)観念について
本件商標及び引用商標からは特定の観念が生じないから、本件商標と引用商標とは、その観念において比較することができず、類似するものとはいえない。
(4)類否判断
以上からすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(5)まとめ
以上、本件の商標登録は、商標法第4条第1項第11号に該当するとは認められないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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