Trademark Appeal Case
Poloの著名性と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成5年審判第6166号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Cork Polo Club」の文字よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品とし、平成3年6年14日に商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、アメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識として本願出願時には既に著名に至っている「Polo」の文字を含んでなるものであるから、このような商標をその指定商品に使用するときは、該商品があたかも上記他人と何らかの関係がある商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
(1) 本願商標は、同書、同大かつ一連に横書きしてなるものであり、外観上まとまりよく一体的に表現されていて、しかも全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼しうることあきらかである。
そして全体としてポロ競技のためのプレーヤーの集まりを指称するものである。
(2)旧第17類における「POLO」の文字よりなる商標はアメリカのデザイナー、ラルフ・ローレンの所有に係るものではなく、また、同人の商標は「ポロ」又は「POLO」の文字のみでは使用されていない。
「POLO」の文字はそれのみではラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示するものとして著名になっているとは言い難く、むしろ、一般には世界的競技の一般名称として理解されるに止まっている。
(3)ラルフ・ローレンは、必ず「POLO BY RALPHLAUREN」と表示して使用しており、「POLO」の文字は一般にはポロ競技の「POLO」と認識されるから、ラルフ・ローレンの「POLO」としては周知ではない。
また、「POLO」は創造標章でも、ハウスマークでもなく、ラルフ・ローレンが一般より以上に多角経営の可能性が強いとはいえない。
したがって、本願商標が「POLO」の文字を含むとしても、ラルフ・ローレンとの関係で商品の出所の混同を生じないから、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとした査定理由は相当でなく、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)「POLO」の周知性について検討する。
(株)講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング 昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。
ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファツションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフオードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。
我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Poo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。
そして、(株)洋品界 昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」 「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー 昭和54年9月発行 別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社 昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の表題(商標)の下に紹介されていることが認められる。
他にこれを覆すに足りる証拠はない。
なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需用者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
(2)本願商標は、前記したとおりであって、「コルク」の意味を表す「Cork」、ポロ(競技)の意味を表す「Polo」及び「共通の趣味、職業などをもつ人々の社交、親睦団体」の意味の他「ゴルフ、ホッケー、ポロなどの球を打つ棒」(甲第14号証)等の意味を表す「Club」の各既成語よりなることは明らかではあるが、これらの語を組み合わせた構成全体としては特定の意味合いを看取させるものとはいえず、せいぜいポロ(競技)に関連した何かの事柄を表したものとして認識、理解させるに止まるというのが相当である。そして、本願商標は、「Polo」を含むものとして印象に残るものである。
そうすると、本願商標をその指定商品である「被服」等に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その構成文字中の「Polo」に注目し、前記周知になっているラルフ・ローレンの「Polo」標章を想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
(3)以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
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