Trademark Appeal Case
商標の要部抽出と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2015−900216(T2015−900216/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5760244号商標(以下、「本件商標」という。)は、「黄金ほうじ」の文字を標準文字で表してなり、平成27年1月30日に登録出願、第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,コーヒー豆,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」を指定商品として、同年4月6日に登録査定、同月24日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第3278933号商標(以下「引用商標」という。)は、上段に大きく「黄金」の漢字、下段に小さく「こがね」の平仮名を二段に横書きしてなり、第30類「茶,コーヒー及びココア」を指定商品として、平成6年2月23日に登録出願、同9年4月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その指定商品中、第30類「緑茶」についての登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、「黄金ほうじ」の漢字仮名混じり文字を書してなるものであるから、これより「こがね」の称呼を生ずることは明らかである。
他方、引用商標は、「黄金」と「こがね」を二段に横書きしてなるものであるから、「こがね」の称呼を生ずる。
また、本件商標は、漢字表記の「黄金」と平仮名表記の「ほうじ」とからなるものであり、両者は隙間なく配列されているため一連を成すようにも見えるが、その指定商品に「茶」を含むものであり、例えば「ほうじ茶」が普通名称として極めて広く用いられている事実を鑑みると、本件商標の要部は、「黄金ほうじ」全体ではなく「黄金」であると認められる。
そして、引用商標は、「黄金」の漢字表記を含むものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、ともに「黄金」の称呼、外観を生ずることが明らかであるから、その称呼、外観において類似の商標である。
しかも、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、引用商標と類似するものであり、また、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「黄金ほうじ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、同じ書体及び大きさで、等間隔にまとまりよく表されたものであり、その構成文字に相応して生ずる「コガネホウジ」及び「オウゴンホウジ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、「きん、こがねいろ」等の意味を有する「黄金」の漢字と「法会。法要。」等の意味をする「法事」(ともに「広辞苑第六版」岩波書店発行)等の漢字の読みである「ほうじ」の平仮名とを結合して表した本件商標は、特定の意味合いを有するとはいえないものであり、一種の造語を表したものとみるのが自然であるから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、上段に大きく「黄金」の漢字と下段に小さく「こがね」の平仮名とを上下二段に横書きしてなるところ、「こがね」の平仮名は漢字の読みを表したものと直ちに認識させるといえることから、「コガネ」の称呼のみを生じ、「黄金」の語が「きん、こがねいろ」等の意味を有するものであるから、「きん、こがねいろ」等の観念を生ずるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標とは、外観においては、「黄金」の漢字を共通にするものの、「ほうじ」及び「こがね」の平仮名の有無という差異を有することから、十分に区別し得るものであり、外観上、相紛れるおそれのないものである。
そして、称呼においては、本件商標から生じる「コガネホウジ」の称呼と引用商標から生じる「コガネ」の称呼とは、後半における「ホウジ」の音の有無という差異を有することから、十分に聴別し得るものであり、また、本件商標から生じる「オウゴンホウジ」の称呼と引用商標から生じる「コガネ」の称呼とは、その構成音及び構成音数に明らかな差異を有するものであるから、判然と聴別できるものであり、称呼上、相紛れるおそれのないものである。
さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないものであるから、観念上、相紛れるおそれはないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)申立人の主張
申立人は、本件商標は、その指定商品に「茶」を含むものであり、「ほうじ茶」の文字が茶の普通名称として極めて広く用いられている事実を鑑みると、本件商標の要部は、「黄金」である旨主張するが、申立人は、この主張を明らかにするための具体的な証拠の提出をしておらず、また、当審において職権をもって調査するも、「ほうじ茶」を表すものとして「ほうじ」の文字が使用されている事実を見いだすこともできない。
してみると、本件商標は、上記(1)のとおり、その構成全体をもって把握、理解されるものというのが相当であるから、申立てに係る指定商品「緑茶」との関係において、その構成中の「ほうじ」の文字部分が称呼、観念を生じない部分であり、「黄金」の文字部分が独立して商品の出所識別標識としての機能を有するとはいえないものである。
したがって、申立人の主張は、採用することができない。
(5)まとめ
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、申立てに係る指定商品である第30類「緑茶」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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