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Trademark Appeal Case

称呼の類似性:語尾「ス」

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2014−890030(T2014−890030/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5593278号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5593278号商標(以下「本件商標」という。)は、「AQUACOCO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成25年2月25日に登録出願、第32類「ココナッツ入り清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、同年5月30日に登録査定、同年6月21日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。

(1)引用商標

請求人が本件商標の登録を無効とすべき理由(商標法第4条第1項第11号該当)において引用する登録第5580552号商標(以下「引用商標」という。)は、明朝体で表された「アクア・ココス」の文字を横書きしてなり、平成24年11月16日に登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」を指定商品として、同25年5月10日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標と引用商標との類否

本件商標は、前記1のとおり、「AQUACOCO」の欧文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して、「アクアココ」の称呼を生じるものであるのに対し、引用商標は、上記(1)のとおり、「アクア・ココス」の文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「アクアココス」の称呼を生じるものである。

そこで、本件商標から生じる「アクアココ」の称呼と引用商標から生じる「アクアココス」の称呼とを比較すると、両称呼は、語尾の「ス」の音の有無という差異があるにすぎず、しかも、該差異音は、無声摩擦音の弱音であって、かつ、聴取され難い語尾に位置することから、この音の差異が称呼全体に及ぼす影響は極めて小さいものである。

そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼上、相紛らわしい類似の商標である。

また、本件商標と引用商標とは、いずれも造語からなるものであるから、特定の観念を生じるものではない。

したがって、本件商標と引用商標とは、観念において比較できず、外観において相違するとしても、称呼において相紛らわしい類似の商標である。

なお、過去の審決例においても、5音以上の音構成となっている場合、語尾の「ス」の音の有無の差は、類似と判断されるのが基本となっており(甲第3号証ないし甲第7号証)、本件の類否判断において十分に参酌されるべき事案である。

イ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否

本件商標の指定商品は、前記1のとおりであり、また、引用商標の指定商品は、上記(1)のとおりであるから、両指定商品は、同一又は類似の商品である。

ウ 小括

本件商標と引用商標とは、上記ア及びイのとおり、類似の商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とされるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁していない。

4 当審の判断

(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標

本件商標は、前記1のとおり、「AQUACOCO」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該欧文字は、同じ書体及び大きさをもって等間隔に表されており、視覚上、まとまりある一体のものとして看取され得るものである。

また、上記欧文字は、辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させるものとして、一般に慣れ親しまれているものとも認められない。

さらに、本件商標から生じると認められる「アクアココ」の称呼は、よどみなく一連に称呼し得るものである。

してみれば、本件商標は、その構成全体をもって、一種の造語として認識されるものであり、その構成文字に相応する「アクアココ」の称呼を生じるものであって、特定の観念を生じることのないものである。

イ 引用商標

引用商標は、前記2(1)のとおり、明朝体で表された「アクア・ココス」の片仮名を横書きしてなるところ、該片仮名は、中黒「・」を挟んで、「アクア」の片仮名と「ココス」の片仮名とを左右にバランス良く配してなるものであり、視覚上、相当程度に一体的なものとして看取されるとみるのが相当である。

また、引用商標の構成中、「アクア」の片仮名は、「水。水の。」を意味する外来語として、一般に慣れ親しまれているものである一方、「ココス」の片仮名は、辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させるものとして、一般に慣れ親しまれているものとも認められない。

さらに、引用商標から生じると認められる「アクアココス」の称呼は、よどみなく一連に称呼し得るものである。

してみれば、引用商標は、その構成全体をもって、一種の造語として認識されるものであり、その構成文字に相応する「アクアココス」の称呼を生じるものであって、特定の観念を生じることのないものである。

ウ 本件商標と引用商標との類否

本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記アのとおり、欧文字を標準文字で表してなるものであり、引用商標は、上記イのとおり、片仮名を明朝体で表してなるものであって、両商標は、文字の種類においては相違するものの、いずれも視覚的に特徴あるものとして看取されるとはいい難い一般的な書体により表されているものであるから、外観上、看者に強い印象を与えるものではないとみるのが相当である。

また、本件商標から生じる「アクアココ」の称呼と引用商標から生じる「アクアココス」の称呼とを比較すると、両称呼は、「アクアココ」の音をすべて共通にするものであって、わずかに末尾における「ス」の音の有無という差異が存するにすぎず、しかも、該差異音「ス」が、比較的響きの弱い無声の摩擦音である上、その位置するところが比較的響きの強い無声の破裂音「コ」の音に続く末尾であるため、明瞭に聴取されるとはいい難いものとなることからすれば、該差異音が称呼全体に及ぼす影響は大きくなく、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語感、語調が近似し、互いに聴き誤るおそれがあるというべきである。

さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じることのないものであるから、観念上、両商標を比較することはできない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することはできないものの、称呼において相紛れるおそれがあるものであり、外観における印象も強いものではないことから、これらを総合勘案すれば、両商標をそれぞれ同一又は類似する商品に使用するときは、その商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれがある商標というべきである。

エ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否

本件商標の指定商品は、前記1のとおり、第32類「ココナッツ入り清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」であるのに対し、引用商標の指定商品は、前記2(1)のとおり、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似する商品というべきである。

オ 小括

上記ウ及びエによれば、本件商標と引用商標とは、類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似する商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効にすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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