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Trademark Appeal Case

エコ市場の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−16636(T2014−16636/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類、第9類、第14類、第15類、第18類、第25類、第28類、第33類、第35類、第36類及び第40類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年10月8日に商標登録出願されたものである。

そして、その指定商品及び指定役務については、原審における平成26年5月13日付け及び当審における同年8月22日付けの手続補正書により、第35類及び第36類に属する別掲2のとおりの役務に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『環境に優しい商品及び役務を取り扱う(場所としての)市場(マーケット)』を表す語として認識される『エコ市場』の文字を標準文字で表してなるものであり、本願の指定商品や指定役務と関連の深い太陽光電池や半導体等の分野でも、このようなエコ市場が確立していることが認められることからすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用する場合には、これに接する取引者、需要者に、上記意味合いを有する『エコ市場』向けの商品及び役務であることを表したものと認識させるにすぎず、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有しないものというべきである。以上のとおり、本願商標は、これを本願の指定商品及び指定役務に使用する場合には、自他商品及び自他役務の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないので、『需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標』として、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ通知

当審において、本願商標がその指定役務との関係において、商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、別掲4のとおりの事実を内容とする証拠調べの結果を通知した。

4 証拠調べに対する意見の要旨

請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、以下のように述べている。

(1)証拠調べ通知中、「(1)商品(中古品・リサイクル品)の販売・小売等」(別掲4(1))で示された各ウェブサイトに関しては、中古品・リサイクル品の販売・小売等を指して「エコ市場」の語を使用しているウェブサイトが散見される一方、中古品・リサイクル品以外の商品の販売・小売等を指して、あるいは中古品・リサイクル品の販売・小売等以外のことを指して同語を使用している場合もあるし、また、家具や服等のリサイクルやリユースに関する市場全般を指しているすぎない場合もあるから、「エコ市場」の語の意味するところが未だ一義的に定まっているとはいえず、特定の意味合いを指し示すとはいえない。

(2)証拠調べ通知中、「(2)エコロジー(環境に配慮した)商品に係る市場」で示された各ウェブサイトに関しては、いずれも「エコ市場」の語が特定の商品又は役務の出所を識別するものして使用されているわけではなく、また、「環境に配慮した商品に係る市場」といっても、環境に配慮した商品が必ずしも各ウェブサイトで一致しておらず、その外縁も曖昧である。

(3)以上のように、証拠調べ通知に示された証拠によっては、未だ、本願商標に係る「エコ市場」なる語が、特定の役務の出所を識別するものとして取引者、需要者に認識されているものと認めることはできず、したがって、本願商標は、これが直ちに特定の意味合いもって親しまれ、あるいは、特定の役務の質等を具体的に表示するものとして、一般に理解されているものではないから、本願の出願人がその指定役務に使用した結果、本願商標に接する取引者、需要者をして、本願出願人の業務に係る役務であることを認識することができない商標ということはできないものである。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「エコ市場」の文字を一般的な書体で横書きしてなるところ、その構成中、「エコ」の片仮名は、「(エコロジーの略)環境に配慮すること」の意味を有し、「市場」の漢字は「狭義には、売手と買手とが特定の商品を規則的に取引する場所をいう。魚市場・青果市場・証券取引所など。いちば。具体的市場。/広義には、一定の場所・時間に関係なく相互に競合する無数の需要・供給間に存在する交換関係をいう。国内市場・国際市場など。抽象的市場。マーケット。」(広辞苑第六版)の意味を有する既成の語として、それぞれ一般に親しまれているものである。

また、原審で示した事実(別掲3)及び前記3の証拠調べ通知で示した事実(別掲4)によれば、「エコ市場」の語は、「環境に配慮した商品に係る(広義の)市場」程の意味を表す語として広く使用されており(別掲3及び別掲4(2))、さらに、中古品やリサイクル品を活用することが環境に優しいことから、これら商品を含めた環境に配慮した商品の販売、小売、オークション及びそれらの情報提供等に係る役務において、「環境に配慮した商品に係る(狭義の)市場」程の意味合いを想起させるものとして、その店名、施設名、ウェブサイトの名称等にも多数使用されているものである(別掲4(1))。

そして、前記1のとおり、本願の指定役務は、中古品やリサイクル品等も含め、幅広い商品についての販売、小売り、オークション及びそれらの情報提供等に係る役務を多数指定するものである。

そうすると、上記のとおりの「エコ」と「市場」の各語の有する意味に、「エコ市場」の語の使用の実情をも踏まえれば、本願の指定役務に係る需要者は、本願商標から、「環境に配慮した商品に係る(広義又は狭義の)市場」程の意味を理解するにとどまるものであって、広義又は狭義のいずれの市場を想起したとしても、「環境に配慮した商品(の市場)に係る役務」を認識するにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を発揮するものとはいえないから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、前記4(1)のとおり、商品(中古品・リサイクル品)の販売・小売等で使用されている「エコ市場」の語について、その意味するところが未だ一義的に定まっているとはいえず、特定の意味合いを指し示すとはいえない旨主張する。

しかしながら、「エコ市場」の語は、本願の指定役務に含まれる環境に配慮した商品についての販売、小売り、オークション及びそれらの情報提供等に係る役務との関係において、その店名等に多数使用されている実情が見受けられるものであって(別掲4(1))、中古品やリサイクル品を活用することが環境に優しいことは周知の事実といえるものであることからすれば、同語は、上記役務に係る需要者に「(中古品等の)環境に配慮した商品に係る(狭義の)市場」程の意味合いを容易に認識させるものである。

イ 請求人は、前記4(2)のとおり、「エコ市場」の語が特定の役務の出所を識別するものして使用されているわけではなく、また、「環境に配慮した商品に係る市場」といっても、環境に配慮した商品が必ずしも各ウェブサイトで一致しておらず、その外縁も曖昧である旨主張する。

しかしながら、本願の指定役務は、幅広い商品分野に関する商品の販売・小売り等に係る役務を指定するものであるところ、「エコ」と「市場」の各語の有する意味からすれば、「エコ市場」の語からは、「環境に配慮した商品に係る市場」の意味合いを自然に想起するのであって、かつ、当該意味合いの範ちゅうにおいて同語が広く使用されている実情があるのであるから(別掲3及び4)、例えば、本願の指定役務中、中古品、リサイクル品の販売等に係る役務以外の役務の需要者において、「環境に配慮した商品」として、一義的に「中古品、リサイクル品等」が想起されない場合があるとしても、「リサイクル可能な素材を用いた商品」や「エネルギー効率が優れた商品」等の「環境に配慮した商品」の概念に含まれる商品を想起するにすぎないというのが相当である。

また、本願の指定役務との関係において、「エコ市場」の語が請求人の業務に係る役務を表すものとして広く認識されている実情も見いだせず、該語が自他役務の識別標識としての機能を発揮し得るといえる特段の事情はない。

ウ 上記ア及びイのとおり、本願商標を構成する「エコ市場」の文字は、その指定役務との関係において、需要者に「環境に配慮した商品に係る市場」程の意味合いを想起させるにとどまるものであり、「環境に配慮した商品(の市場)に係る役務」を認識するにすぎないものであって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。

なお、請求人は、過去の登録例(甲9(枝番を含む。))を挙げて、例えば、登録商標「セコハン市場」(甲9の6)の構成中の「セコハン」の語は、「セカンドハンド」の略語として「エコ」と同程度に認識されているなどと述べ、本願商標もこれらの登録例と同様に登録されるべきである旨主張しているが、登録出願に係る商標が自他商品又は自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、その査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例は、商標の構成文字又は指定商品若しくは指定役務において本願とは事案を異にするものであるから、本願商標についての判断が、該登録例をもって左右されるものではなく、本願の審決時における取引の実情等からすれば、本願商標は、上記のとおり判断するのが相当である。

よって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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