Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−13330(T2015−13330/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第5類、第29類及び第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成26年9月18日に登録出願されたものである。そして、本願商標の指定商品については、原審における同27年2月16日付け及び当審における同年7月13日付けの手続補正書により、第32類「ケールを主原料に用いた清涼飲料,飲料用ケールジュース,水に溶かして飲むケール粉末」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2691890号商標(以下「引用商標」という。)は、「FUJI」の欧文字を横書きしてなり、昭和55年5月22日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年8月31日に設定登録され、その後、同17年4月13日に指定商品を第30類「氷」、第32類「清涼飲料(ただしコーヒーシロップを除く。),果実飲料」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲のとおり、黒塗りの円形内に、一回り小さな円周及び「fuji」の欧文字を白抜きしてなる図形と、その図形の右側に「Kale」の欧文字を書してなるところ、その構成にあっては、「fuji」の文字を含む図形部分と、「Kale」の文字部分とは、視覚上分離して観察されるものである。
そして、構成中の「Kale」の文字は、以下によれば、青汁などの飲料の原材料ともなる、野菜の「ケール」を意味する語として使用されている実情がうかがえる。
ア 「旬の食材百科」のウェブサイトにおいて、「ケール/Kale:栄養価と効用」の見出しの下、「ケールは非常に栄養価が高く、ビタミン類やミネラルなどをバランスよく、しかも野菜の中ではどれも上位に入る量を含んでいることから、青汁の原料に適した野菜としても知られています。」の記載がある。
(http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/Kale3.htm)
イ 「株式会社わかさ生活」のウェブサイトにおいて、「成分名 ケール kale」の見出しの下、「日本では一般的に青汁などに使用されている、栄養価が高い野菜です。」の記載がある。
(http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/kale/)
ウ 「マミーサプリ」のウェブサイトにおいて、「緑黄色野菜の王様 国産ケール粉末 Kale」の見出しの下、「日本ではその栄養価の高さから主に青汁に利用されています。」の記載がある。
(http://www.saputaku.com/complex/kale.html)
エ 「日本粉末薬品株式会社」のウェブサイトにおいて、「キャベツの原種で青汁などで利用されます。」の説明とともに、「ケール(日本産)/Kale」の記載がある。
(http://www.nfy.co.jp/foods/detail/kale.php)
そうすると、本願商標の構成中「Kale」の文字部分は、その指定商品との関係において、商品の原材料である「ケール」を欧文字で表示したものと理解されるものといえるから、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないか、極めて弱いものというのが相当である。
また、本願商標の構成中、「fuji」の文字を含む図形部分については、「fuji」の文字以外の部分は、単に装飾的なものとして看取されるにすぎないものである。
してみると、本願商標の構成中、独立して自他商品の識別標識としての機能するのは、「fuji」の文字部分というのが相当であり、該文字は、「富士」や「藤」の語を連想、想起させる場合があるものの、特定の観念を生じるものとまではいえないものである。
したがって、本願商標は、その構成全体から生じる「フジケール」の称呼のほかに、「fuji」の文字部分に相応して、「フジ」の称呼をも生じ、特定の観念を生じないものといえる。
(2)引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「FUJI」の文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「フジ」の称呼を生じ、該文字は上記(1)の「fuji」の文字と同様に、「富士」等の語を連想、想起させる場合があるものの、特定の観念を生じるものとまではいえないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とは、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであって、「Kale」の文字の有無等により全体の外観は相違するものの、本願商標の構成中、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「fuji」の文字部分と引用商標とは、そのつづりを同一にするものであるから、本願商標は、「fuji」の文字部分において、引用商標と、外観上、近似した印象を与えるものである。
また、本願商標と引用商標は、いずれも「フジ」の同一の称呼を生じるものである。
さらに、本願商標の構成中の「fuji」の文字部分と、引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものの、同一のつづりからなるものであるから、観念の相違はないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観上、近似した印象を与えるものであって、称呼上、「フジ」の称呼を同一にするものであり、観念上、相違がないものであるから、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
(4)請求人の主張について
請求人は、本願商標の構成文字である「fuji」の文字が、山の名称や、地名や、人の名字であるばかりでなく、英語で言うなら「BEST」、「PREMIUM」などと同様に商品の品質の表示、あるいは他の語の修飾語のような機能を有するものであり、「Kale」の文字は、我が国の英語の習熟度を考慮しても、英語の綴りから、その特定の称呼を、一般公衆が称呼し、日本語の何を表すのかを想起できるとは、到底考えられず、「kale」が、アブラナ科の野菜であるケールであると需要者が直ちに認識し得ない以上、「fuji」と同程度の識別力を有するものと認識すると考えられるから、いずれも自他商品の識別力が強い語ではないと述べ、このような識別力が強くない語を結合した商標は、一連に称呼されるのが経験則であるとして、本願商標は、「fuji Kale」の文字に相応して、「フジケール」の称呼を生じ、「フジ」の称呼は生じない旨主張する。
しかしながら、「fuji」の文字については、請求人の主張を立証する証拠の提出がなく、また、当審において職権で調査するも、「fuji」の文字が商品の品質を表示したり、他の語の修飾語のような機能を有すると認められるような事情は発見できなかった。また、「Kale」の文字は、上記(1)のとおり、本願商標の指定商品との関係において、商品の原材料である「ケール」を欧文字で表示したものというのが相当である。
したがって、請求人の主張を採用することはできない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり、審決する。
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