sokuhyo

Trademark Appeal Case

指定役務の区分と使用実績

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成8年審判第18130号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「やまと」の文字を横書きしてなり、第37類「洗張り・シミ抜き・紋洗いその他の洗濯,直し・色ハケその他の被服の修理」を指定役務とし、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張して平成4年9月28日に登録出願され、その後、指定役務については同6年6月20日付及び同7年10月13日付の手続補正書により「洗張り,シミ抜き,被服の修理」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「(1)本願は、政令で定める商品及び役務の区分第37類に属さない役務を包含しているものである。『洗張り・シミ抜き』は第40類に属するものである。したがって、本願は商標法第6条第1項の要件を具備しない。(2)出願人提出の『商標の使用説明書』からは、出願人が本願指定役務中『洗濯,被服の修理』について本願商標をその指定役務に使用していることを示す資料を発見することができないから、前記役務について本願商標を使用しているものとは認められない。したがって、本願は、商標法の一部を改正する法律附則第6条第1項の規定により提出された書類によっては、同項各号に該当するものとは認められない。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1) 先ず、本願の指定役務である「洗張り,シミ抜き」が政令で定める商品及び役務の区分第37類に属する役務であるかどうかについて検討する。

「洗張り」とは、出願人の提出に係る文化出版局発行「服飾辞典」の「あらいはり【洗い張り】」の項によれば、「和服洗濯の一種で丸洗いでなく、解いて洗う方法。和服は直線裁ちであるため、解いて裁ち目を縫うと元の1反の布になる。これを板の上でブラシ洗いするが、職業的には、ささら(竹製の用具)でたたき洗いを行う。」とされており、平凡社発行「世界大百科事典」第1巻531頁の「あらいはり 洗張り」の項にも、「古くからの和服専門の洗濯方法。」と記述されている。

また、「シミ抜き」とは、前出の「服飾辞典」の「しみぬき【汚点抜き】」の項によれば、「しみを丸洗いせずに、部分的に除去すること。」とされ、同じく「世界大百科事典」第12巻570頁の「しみぬき 染み抜き」の項には「衣服などの繊維製品、住宅の壁、天井、畳、床材などに生じた汚点、付着した異物を除去する家政学的技術をいう。」と記述されている。

そして、「洗濯」は、「衣類などの汚れを洗ってきれいにすること。洗いすすぎ。」を意味し(岩波書店発行「広辞苑」第5版)、洗濯を業とする、いわゆる一般のクリーニング店、洗濯店において、洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類等の洗濯のみならず、和服の洗い張り、しみ抜きを取り扱っている事実がある。

以上を総合すると、「洗張り」は我が国古来の和服の汚れを洗ってきれいにする方法であり、通常いうところの「洗濯」の概念に含まれるというべきである。また、「シミ抜き」は、上記「洗張り」や丸洗いに適さない和服などの部分的な汚れである「しみ」を部分的に除去するための部分洗いというべきであるから、上記「洗張り」と同様に「洗濯」の概念に含まれるというのが相当である。

しかして、「洗張り」及び「シミ抜き」は、商標法施行規則別表によれば、政令で定める商品及び役務の区分37類に属する役務として例示されていないが、「洗濯」が例示されていることは明らかであり、上記のとおり、「洗張り」及び「シミ抜き」が「洗濯」の概念に含まれる以上、これらは上記区分第37類に属する役務というべきである。

他方、「洗張り」及び「シミ抜き」が上記区分第40類に属する役務であるとする明確な根拠はない。

(2) 次に、出願人(請求人)が本願の指定役務について本願商標を使用しているかどうかについて検討する。

原審において出願人が提出した「商標の使用説明書」には、商標の使用の事実を示す書類として、本願の出願前に発行された「加工伝票」が添付されており、その加工伝票には本願商標と社会通念上同一といい得る「やまと」の商標が刷り込まれ、また、該伝票の最下部には「株式会社やまと」の表示も見られるのに加え、加工内容の欄には「シミ抜き」、「洗張り」及び「その他加工代(修理)」が記載されていることが認められる。そして、同じく出願人提出に係る「営業証明書」によれば、出願人は洗張り、洗濯、衣服修理を業としていることが認められる。

以上を総合すれば、出願人は本願商標をその登録出願前から自己の業務に係る役務について使用していたものというべきである。

(3)まとめ

以上のとおり、本願は政令で定める商品及び役務の区分第37類に属さない役務を含んでいるというべきではないし、出願人が本願の指定役務について本願商標を使用していなかったともいえないから、本願が商標法第6条第1項の要件を具備せず、また、商標法の一部を改正する法律附則第6条各号に該当するものとは認められないとして本願を拒絶した原査定は、取り消しを免れない。

その他、本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。