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Trademark Appeal Case

結合商標の要部と称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900168(T2015−900168/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5744180号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5744180号商標(以下「本件商標」という。)は、「Smart B−Trainer」の欧文字(「Smart」の文字と「B−Trainer」の文字の間には1文字分の空白(スペース)がある。)を標準文字により表してなり、平成26年10月17日に登録出願され、第9類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同27年1月28日に登録査定、同年2月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の3件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)。

1 登録第5671553号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成25年12月27日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成26年5月23日に設定登録されたものである。

2 登録第1823829号商標(以下「引用商標2」という。)は、「トレーナー」の片仮名を上段に、「TRAINER」の欧文字を下段に、それぞれ横書きしてなり、昭和56年9月30日に登録出願、昭和60年11月29日に設定登録され、その商標権は、「家庭用テレビゲームおもちゃ」を含む第9類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とするものである。

3 登録第4400478号商標(以下「引用商標3」という。)は、「トレーナー」の片仮名を標準文字により表してなり、平成11年3月27日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年7月14日に設定登録され、その後、商標権一部取消し審判により、指定商品中、第9類「電気通信機械器具」について、取り消すべき旨の審決がされ、その審判の確定登録が平成26年9月19日になされたものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。

1 商標の類似性

(1)本件商標の要部

「Smart」は「洗練された」等の商品の性能・品質を示す語であるので識別力がなく、欧文字一字の「B」は品番・型番を認識させるものである。そして、「Trainer」という語が「訓練する人」等の意味を有する英語として知られていることからすれば、「Trainer」の部分が需要者の注意を強く引き、それ自体が独立して自他商品の識別標識としての機能を有しているといえる。とりわけ、本件商標は全体が「スマートビートレーナー」と11音で構成されている称呼及び外観において冗長な商標であるため、途中での分断が生じる場合も少なくない。そして、「Smart B」と「Trainer」がハイフンで結合されており、「Smart B」と「Trainer」が7文字分の同じ長さでハイフンを挟んで左右対称とバランスよくなっている外観上の特徴に鑑みると、「Smart B」と「Trainer」が分断されて、「Trainer」部分より「トレーナー」の称呼が生じる。

さらに、「Smart」及び「B」は識別力のない言葉であることは前記のとおりであるので本件商標全体から「洗練されたBタイプのトレーナー」の如き観念が生じるほか、「Trainer」部分より「訓練する人」の観念が生じる。

(2)本件商標と引用商標との対比

引用商標1は、先頭の欧文字「T」を図案化した「TRAINER」の語から構成され、「トレーナー」の称呼が生じ、本件商標におけるものと同様、「訓練する人」等の観念が生じる。そして、引用商標2には欧文字の上部に片仮名でルビが振られており、引用商標3は片仮名で表されているので、これら商標からは「トレーナー」の称呼が生じ、また、上記の同様の観念が生じる。そうすると、引用各商標は「トレーナー」の称呼が生じ、「訓練する人」等の観念が生じるものである。

これに対し、本件商標の要部は、上記のとおり、「Trainer」の部分にあるから、当該文字部分からは「トレーナー」の称呼が生じる。

したがって、本件商標と引用商標とは、同一の称呼・観念を生じる類似の商標である。

2 指定商品の類似性並びに出願日及び登録日

本件商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と類似するものであることは、各商品の類似群を見ても明らかである。

また、本件商標は、引用各商標の出願日及び登録日のいずれにも後れて出願・登録されたものである。

第4 当審の判断

1 本件商標

本件商標は、上記第1のとおり「Smart B−Trainer」の欧文字(「Smart」の文字と「B−Trainer」の文字の間には1文字分の空白(スペース)がある。)を標準文字で表してなるところ、これは、特定の意味合いを有しない造語と認められ、その構成文字全体に相応して「スマートビートレーナー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

そして、本件商標全体から生じる「スマートビートレーナー」の称呼はやや冗長であり、構成中の「Smart」の文字部分が、本願の指定商品を取り扱う業界においては「〈機械などが〉スマートな:コンピュータ制御により状況に応じた対応をする」(株式会社小学館 プログレッシブ英和中辞典(第4版))、または、「電子機器が組み込まれた。ハイテクであるさま。『―フォン』『―グリッド』」(株式会社小学館 デジタル大辞泉)といった意味を有する語として広く一般に使用されているものであるから、該文字部分は自他商品の識別力が無いか、若しくは、極めて弱いものといえる。

次に「B−Trainer」の文字部分については、「B」と「Trainer」の欧文字を「−」(ハイフン)を介して結合してなるところ、その構成文字は、同書同大に外観上まとまりよく一体的に表されており、その構成文字より生じる「ビートレーナー」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであり、殊更に「Trainer」の文字部分のみが独立して認識されると見るべき特段の事情は見いだせない。

そうとすると、本件商標は、全体から生じる「スマートビートレーナー」の称呼のほか「B−Trainer」の文字に相応して「ビートレーナー」の称呼をも生じるといわなければならない。

したがって、本件商標からは、「ビートレーナー」の称呼をも生じることがあるといえるものの、一体的に表された「B−Trainer」の文字部分から、さらに「Trainer」の文字を分離観察して「トレーナー」の称呼が生じるということはできない。

そして、「B−Traner」の文字部分からは特定の観念を生じないものである。

2 引用商標

引用商標1は、別掲のとおり、長さの異なる横長略矩形を上下平行に配し、上部横長略矩形の左側約3分の1程度の位置から下部横長略矩形の左端に向かって、両者をなめらかな太線で結んだ図形とその図形の右側中央のスペース部分に「RAINER」の文字をやや右に傾けた太字で書した構成からなるものであるところ、申立人は、当該図形部分について、「T」の文字を図案化したものであるから、引用商標1は、「トレーナー」の称呼及び「指導者」の観念を生じる旨主張しているが、仮に、図形部分が「T」の欧文字を図案化したものであるとしても、相当程度図案化がなされているものであり、引用商標1の図形部分は、直ちに特定の文字を表したものとして看取し難いものであるから、上記、申立人の主張は採用することはできない。

また、引用商標1の構成中の「RAINER」の文字は、特定の意味を有する成語であるとはいえないものであり、引用商標1は、その図形部分と文字部分とが常に一体のものとして把握しなければならないとすべき特段の事情は認められないものであるから、構成中の「RAINER」の文字部分が、独立して、商品の出所識別標識としての機能を果たし得るといえる。

そうすると、引用商標1は、その構成中の「RAINER」の文字部分から、「レイナー」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じないとみるのが相当である。

また、引用商標2は、「トレーナー」の片仮名と「TRAINER」の欧文字を二段に書してなり、引用商標3は、「トレーナー」の片仮名を標準文字で表してなるところ、それぞれの構成文字に相応し、いずれも「トレーナー」の称呼及び「訓練する人」の観念が生じるものである。

3 本件商標と引用商標との類否

本件商標と引用商標とは、上記1及び2のとおり、その構成態様が明らかに異なるものであるから、外観において相違し、また、本件商標から生じる「スマートビートレーナー」ないし「ビートレーナー」の称呼と、引用商標1から生じる「レイナー」の称呼と引用商標2及び3から生じる「トレーナー」の称呼とは、その構成音数において明らかな差異を有するものであるから、互いに類似するとはいえず、さらに、本件商標と引用商標とは、観念において、比較できないものであるから、互いに紛れるおそれはない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

4 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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