sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼「キセカエ」の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−17599(T2014−17599/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「KISEKAE」の欧文字を標準文字で表してなり,第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,身飾品,時計」を指定商品として,平成25年10月16日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同26年4月15日受付の手続補正書により,第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,身飾品,時計」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標「KISEKAE」は,ローマ字読みにより「キセカエ」の称呼を生じ,その称呼(表音)からは,「着せ替えること」などの意味を有する「着せ替え」以外の語を直ちに想起させるものではないところ,本願商標の指定商品中の「身飾品」を取り扱う業界においては,ピアスやネックレス等の飾りの部分を付け替えられる身飾品を,「着せ替えアクセサリー」,「着せ替えジュエリー」,「着せ替えピアス」などと称して販売している実情が認められる。

そうすると,本願商標は,これをその指定商品中の「ピアスやネックレス等の飾りの部分を着せ替えられる身飾品」について使用するときは,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり,また,前記商品以外の「身飾品」について使用するときは,その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというべきである。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審における手続の経緯

当審において,平成27年10月2日付けの審尋により,請求人に対し,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,別掲のとおり,本願商標の指定商品中,「身飾品,時計,キーホルダー」を取り扱う業界において,「KISEKAE」(小文字を含む)の文字が,「商品の一部を取り替える」程の意味合いで使用されている事実を挙げて,相当の期間を指定して意見を求めたところ,請求人からは,何らの回答もなかった。

4 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は,「KISEKAE」の欧文字を標準文字で表してなるところ,これからは,ローマ字読みにより「キセカエ」の称呼のみが生じる。そして,「キセカエ」と称呼される語として誰もが思い浮かべるのは「着せ替え」のみであるところ,その意味は,「着せ替えること。他の人や人形などが着ている衣服を他の衣服と取り替えること。」である(デジタル大辞泉)。

そして,当審において,本願商標の指定商品の取引の実情について調査したところ,別掲の1のとおり,「KISEKAE」(小文字を含む)の文字が,身飾品も含めた商品を取り扱う業界において,「商品の一部を取り替える」程の意味合いで使用されている事実を発見した。また,別掲の2及び3のとおり,本願商標の指定商品中「時計」及び「キーホルダー」について「着せ替え」の文字が,「商品の一部を取り替える」程の意味合いで使用されている事実も発見した。また,「身飾品」を取り扱う業界と「時計」及び「キーホルダー」を取り扱う業界は,いずれも商品の製造元,販売場所を共通にすることが多いことから,その取引者,需要者を共通にすることも多いといえる。

以上を踏まえると,本願商標を構成する「KISEKAE」の語は,その指定商品中の「身飾品」のみならず,「時計,キーホルダー」との関係においても,無理なく「着せ替え」の語を想起させ,その結果,「商品の一部を取り替える」程の意味合いを有する語として,当該指定商品の取引者,需要者に一般に認識されるものであるというのが相当である。

また,本願商標は,標準文字で表してなるものであり,特に看者の注意をひく特徴的な部分も認められない。

そうすると,本願商標は,その指定商品中の「身飾品,時計,キーホルダー」について使用するときは,当該商品の一部を取り替えることができる商品であることを表示する標章,すなわち,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといわざるを得ない。

したがって,本願商標は,その指定商品中の「身飾品,時計,キーホルダー」について使用するときは,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は,辞書類の定義に照らせば,「着せ替え」は本来身飾品の特定部分が付け替えられたり取り替えられたりすることを表す語ではないこと,身飾品に使用されても,本来の用法とは異なるから,ある種の比喩的ないし暗示的な使用法と見るのが自然であること,そもそも「着せ替え」と本願商標は態様が異なること,さらに,原審摘示の証拠は「KISEKAE」の使用例がない等不適切であることから,本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しない旨主張する。

しかしながら,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは,辞書上の意味にかかわらず,本願商標の指定商品の需要者が,本願商標に接してどのように認識するかが問題となるところ,「KISEKAE」(小文字を含む)の文字は,商品「身飾品,時計,キーホルダー」との関係では,「商品の一部を取り替える」程の意味合いを有する語として,当該商品の取引者,需要者に一般に認識されるものであることからすれば,本願商標は,その指定商品中の「身飾品,時計,キーホルダー」について使用するときは,当該商品の一部を取り替えることができる商品であることを表示する標章,すなわち,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといわざるを得ないのは,上記(1)のとおりである。

イ 請求人は,過去の審決例を挙げて,本件も同様に取り扱われてしかるべきである旨主張する。

しかしながら,登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは,当該商標の査定時又は審決時において,当該商標の構成態様と指定商品との関係や商品の取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ,請求人の挙げた審決例は,いずれも本願商標とは,使用する商品が異なるものであるばかりか,商標の構成態様においても異なるものであるから,事案を異にするものというべきであり,また,過去の審決例が存在することをもって,本願商標の上記判断が左右されるものではない。

ウ したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するから,登録することはできない。

よって,結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。