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Trademark Appeal Case

地名と商品名の結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−5448(T2014−5448/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「銀座帆布」の文字を標準文字で表してなり,第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布」を指定商品とし,平成25年3月29日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は,「本願商標は,『銀座帆布』の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中『銀座』の文字は,『東京都中央区の繁華街』[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]を意味し,『帆布』の文字は,『船の帆やテントなどに用いる織物。綿糸または麻糸製。』[同参照]を意味することから,本願商標は全体として『銀座の帆布』ほどの意味合いを容易に認識させるものである,そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者・需要者は『東京都中央区銀座を産地・販売地とする帆布』であると理解するに止まり,単に商品の産地,販売地,品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は,「銀座帆布」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成文字中「銀座」の文字部分は「東京都中央区の繁華街」を意味する地名として親しまれ,様々な店舗が並ぶ地として広く知られていることから,これを商品に使用した場合には,これに接した需要者は,その商品の産地,販売地として表示するものと認識するというのが相当である。

また,本願商標構成文字中「帆布」の文字部分は「船の帆やテントなどに用いる織物。綿糸または麻糸製。カンバス。」を意味する語であって,本願の指定商品の関係からは織物の商品名の一種類を表すにすぎない。

そうすると,本願商標は,商品の産地又は販売地と認識される「銀座」の文字と商品名を表した「帆布」の文字とを結合したものと認識されることから,本願商標全体として「銀座で製造又は販売されている帆布」の意味合いを容易に認識させるにすぎない。

そして,「倉敷帆布」,「尾道帆布」,「宮島帆布」及び「藩州帆布」等(甲2)のように,特定の地域で製造又は販売されている帆布について,当該地名と商品名「帆布」を組み合わせて普通に使用されている取引の実情もうかがえる。

以上よりすれば,本願商標は,商品の産地,販売地,品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならず,上記認定以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張

請求人は,銀座において,カバン等の製品が銀座で販売されることはあるとしても,「帆布」自体が「銀座」で生産されることは,需要者,取引者にとって一般的な認識ではなく,そして,帆布は「倉敷帆布」等のように,生産地を表示することが一般的であると考えられ(甲2),流通先である販売地名を表示する商習慣が存在していることの確認はできず,さらに,「銀座帆布」の語をインターネットの検索エンジンにより検索しても「銀座帆布」の文字で記載されている記事は0件であることから(甲3),一般の需要者,取引者が「銀座帆布」の商標を視た場合「銀座を販売地とする帆布」と認識することは考えられない旨主張する。

しかしながら,商標法第3条第1項第3号にいう「商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するというためには,必ずしも当該指定商品が当該商標の表示する土地において現実に生産され又は販売されていることを要せず,需要者又は取引者によって,当該指定商品が当該商標の表示する土地において生産され又は販売されているであろうと一般に認識されることをもつて足りるというべきである(昭和60年(行ツ)第68号 昭和61年1月23日最高裁判所判決言渡)と判示されていることころ,本願商標は,前記(1)のとおり,「銀座で製造又は販売されている帆布」と理解されるものであることから,現時点において,本願指定商品を取り扱う業界において「銀座帆布」の文字が,請求人以外に使用されていないとしても,それを理由に同号の適用を免れるということにはならないというべきである。

加えて,仮に「銀座」の文字が「帆布」の生産地として認識されない場合であっても,銀座には多種多様な店舗が並ぶ地であることが広く知られていることからすれば,「帆布」を含めた本願商標の指定商品についても,その販売地を表示するものと容易に認識させるものであることから,請求人のこの主張は採用することはできない。

さらに,請求人は,既登録例をあげ本願商標が登録されるべきであると主張する。しかしながら,請求人の主張している既登録例をもって本件の判断が拘束されるものでもないから,請求人の主張はいずれも採用することはできない。

(3)結語

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し,登録することはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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