sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「称呼・観念の共通性」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2015−17036(T2015−17036/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2015−17036(T2015−17036/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「食品加工用機械器具の保守・点検,動力機械器具の保守・点検,電子計算機の保守・点…」
争点(論点)
称呼・観念の共通性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2015−17036(T2015−17036/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「食品加工用機械器具の保守・点検,動力機械器具の保守・点検,電子計算機の保守・点…」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼・観念の共通性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第37類「建設工事,電気工事,電気通信工事,配電線工事,建築工事に関する助言,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守」を指定役務として、平成27年3月3日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第3327659号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成4年9月28日に登録出願、第37類「食品加工用機械器具の保守・点検,動力機械器具の保守・点検,電子計算機の保守・点検,電気通信機械器具の保守・点検,機械器具設置工事,建築工事,鋼構築物工事,建築物の工事監理」を指定役務として、同9年7月4日に設定登録されたものであり、その後、同19年7月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(2)登録第4963645号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成17年10月31日に登録出願、「配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守」を含む第37類に属する別掲4のとおりの役務を指定役務として、同18年6月23日に設定登録されたものである。

なお、これらをまとめて、以下「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、青線で描かれた楕円形の中に、さらに、もう一つ、上端と下端にいくにしたがって細くなる左が青色で右が緑色の左右対称の三日月に囲まれた楕円図形が描かれているところ、その図形中の白抜きの部分は、上中下に三等分するように、上方は青色の線を、下方は緑色の線を配してなり、その中央には、赤色の「テクノ」の片仮名を書してなるものである。

そして、図形中にあって、赤い文字で書された「テクノ」の文字は、これが、「科学技術に関する意を表す。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味を有する語であるとしても、本願の指定役務との関係では、役務の質を表すものとして、普通に使用されているものではないことから、識別力のある文字として理解されるものであり、図形の中央にあって、看者に強い印象を与える文字部分として看取されるものである。

そうすると、本願商標は、該「テクノ」の文字に相応して、「テクノ」の称呼が生じ、「科学技術」程の観念が生じるものである。

イ 引用商標について

引用商標1は、別掲2のとおり、赤色の「M」の欧文字を図案化した図形の下に、該「M」の文字と同じ幅で、「TECHNO」の欧文字を同色で書してなるところ、上段の図形部分と、下段の文字部分とを常に一体にみるべき事情もないから、その構成上、下段の文字部分のみで取引に資されることも少なくないものである。

そうすると、引用商標1からは、下段の「TECHNO」の文字に相応して、「テクノ」の称呼を生じ、「科学技術」程の観念を生じるものである。

引用商標2は、別掲3のとおり、「TECHNO」の欧文字を書してなり、その下に、「TRY」または「TPY」の欧文字を組み合わせたモノグラムのような図形を配してなるところ、上段の文字部分と、下段の図形部分とを常に一体にみるべき事情もないから、その構成上、上段の文字部分のみで取引に資されることも少なくないものである。

そうすると、引用商標2からは、上段の「TECHNO」の文字に相応して「テクノ」の称呼が生じ、「科学技術」程の観念を生じるものである。

ウ 本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、本願商標と引用商標の構成は、前記ア及びイのとおりであるから、外観上、明らかに相違するものである。

そして、称呼においては、本願商標から生じる「テクノ」の称呼と、引用商標から生じる、「テクノ」の称呼は、同一のものであり、両者は、その称呼を共通にするものである。

また、観念においては、本願商標から、「科学技術」の観念を生じ、引用商標からも、「科学技術」の観念が生じるから、その観念は同一のものであり、両者は、観念を共通にするものである。

そうすれば、本願商標と引用商標とは、外観において、相違するとしても、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は、類似の商標とみるのが相当である。

エ 本願の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について

本願の指定役務「建設工事,電気工事,電気通信工事,配電線工事,建築工事に関する助言,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守」と、引用商標1の指定役務中「機械器具設置工事,建築工事,鋼構築物工事,建築物の工事監理」及び引用商標2の指定役務中「配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守」とは、同一または類似するものと認められる。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、本願商標と同じ構成の商標が、既に登録されていることから、本願商標だけが拒絶されることは、行政処分の原則である「公平さ」に欠けた判断である。したがって、「テクノ」と称呼される商標が数多く登録されており、所謂,特別顕著性のない「テクノ」の文字に、顕著性のある図形、色彩と結合して構成要素とした本願商標は、当然、登録されるべきである旨、主張する。

しかしながら、請求人の挙げた登録例は、いずれも、「テクノ」及び「TECHNO」の文字以外の文字を含むものであり、その構成を異にするものである。

また、本願の指定役務を取り扱う業界において、「テクノ」及び「TECHNO」の文字が、役務の質等を表すものとして、普通に使用されている証拠の提出もなく、さらに、職権において調査するも、そのように使用されている事実を発見することはできなかった。

そうすれば、本願商標の「テクノ」の文字部分が、本願商標の要部として、認識されることは、前記(1)アのとおりである。

なお、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、また、指定商品及び指定役務を考慮しつつ、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた登録商標の例があるからといって、「公平さ」に欠けた判断であるということにはならない。

してみれば、本願商標が、本願の指定役務との関係においては、その構成中の「テクノ」の文字部分をもって他人の登録商標と対比することが許されるというべきであり、そのような対比をした場合、本願商標と引用商標とが、「テクノ」と「TECHNO」の文字部分において類似する商標であることは、前記(1)ウにおいて認定、判断したとおりである。

よって、請求人の主張は採用することはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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