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Trademark Appeal Case

複合商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−10960(T2015−10960/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「やさしいお惣菜」の文字を標準文字で表してなり、第29類及び第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成26年7月2日に登録出願されたものであり、指定商品については、原審における同年12月10日付けの手続補正書により、第29類「肉又は肉製品を主材とする惣菜,魚介又は加工水産物を主材とする惣菜,野菜又は野菜の加工品を主材とする惣菜,玉子又は加工卵を主材とする惣菜,油揚げ・凍り豆腐・こんにゃく・豆乳・豆腐又は納豆を主材とする惣菜」及び第30類「パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,穀物又は穀物の加工品を主材とする惣菜」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5446848号商標(以下「引用商標」という。)は、「キューピー」の文字と「やさしいお惣菜」の文字を上下二段に書してなり、平成23年3月8日に登録出願、第29類「食肉を主材とする惣菜,食用魚介類を主材とする惣菜,野菜を主材とする惣菜」を指定商品として、同年10月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審における手続の経緯

(1)当審において、平成27年9月15日付け審尋により、本願の指定商品については、「パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」以外の指定商品が、引用商標の指定商品と未だ抵触しているとして、請求人に対し、意見を求めた。

(2)上記(1)の審尋に対し、請求人は何ら意見を述べていない。

4 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、上記1のとおり、「やさしいお惣菜」の文字を標準文字で表してなるところ、外観上まとまりよく一体的に表されており、これから生じる「ヤサシイオソウザイ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。また、その構成中、「お惣菜」の文字は、本願の指定商品の品質表示であると理解、認識させることがあるとしても、「やさしい」の文字は「周囲や相手に気をつかって控え目である。悪い影響を及ぼさない。簡単である。」等様々な意味を有する語(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)であるから、全体としては直ちに特定の意味合いを生じるとはいえないものである。

そうすると、本願商標は、その構成文字全体から「ヤサシイオソウザイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標は、上記2のとおり、「キューピー」の文字と「やさしいお惣菜」の文字を上下二段に書してなるところ、その構成中、「やさしいお惣菜」の文字部分は、「キューピー」の文字部分とは、視覚上分離して把握され、意味上においても何らつながりがないものであるから、「やさしいお惣菜」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし、該文字部分をもって取引に資されることも少なくないと判断するのが相当である。

そうすると、引用商標は、その構成文字全体から「キューピーヤサシイオソウザイ」の称呼を生じるほか、「やさしいお惣菜」の文字部分から、上記(1)と同様に、「ヤサシイオソウザイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものというべきである。

(3)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本願商標と引用商標について比較すると、外観においては、両商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであるから、その全体の外観は相違するものの、上記(2)のとおり、引用商標の構成中の「やさしいお惣菜」の文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものであるから、両商標は、「やさしいお惣菜」の文字部分を共通にし、外観において類似するものである。

そして、称呼においては、両商標は共に「ヤサシイオソウザイ」の称呼を共通にするものである。

また、観念においては、両商標は、共に特定の観念を生じないものであるから、観念を比較することができないものである。

そうすると、本願商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、「やさしいお惣菜」の文字部分において外観が類似し、称呼を共通にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、互いに紛らわしい類似の商標というのが相当である。

イ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品について比較すると、本願商標の指定商品中「肉又は肉製品を主材とする惣菜,魚介又は加工水産物を主材とする惣菜,野菜又は野菜の加工品を主材とする惣菜,玉子又は加工卵を主材とする惣菜,油揚げ・凍り豆腐・こんにゃく・豆乳・豆腐又は納豆を主材とする惣菜,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,穀物又は穀物の加工品を主材とする惣菜」と引用商標の指定商品「食肉を主材とする惣菜,食用魚介類を主材とする惣菜,野菜を主材とする惣菜」は、生産部門、販売部門、需要者の範囲等を共通にする類似の商品というのが相当である。

ウ したがって、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用標の指定商品が同一又は類似のものといえるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4)請求人の主張について

請求人は、引用商標について、その構成中、「やさしいお惣菜」の文字部分は「体や財布、環境にやさしい惣菜」の観念を生じ、商品の品質を暗示するものであり、商品の取引者、需要者に対し、識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるということはできないこと、「キューピー」の文字部分は引用商標の商標権者の商号の略称にして、その業務に係る食品の商標として周知・著名性を有すること、また、「やさしいお惣菜」の文字部分だけが独立して見る者の注意をひくように構成されているということはできないことを理由として、本願商標と引用商標との類否を判断するに当たっては、その構成文字全体及びその構成中の周知・著名性を有する「キューピー」の文字部分を対比するのが相当であり、引用商標からは「キューピーヤサシイオソウザイ」又は「キューピー」の称呼のみが生じるから、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨を主張している。

しかしながら、引用商標については、その構成中、「やさしいお惣菜」の文字部分は、上記(2)のとおり、特定の意味合いを生じるとはいえないものであるから、商品の品質を暗示するものとはいうことができず、また、引用商標の指定商品の一般の取引者、需要者が「キューピー」の文字部分の周知・著名性や引用商標の構成によって、「やさしいお惣菜」の文字部分を捨象して認識するというような取引の実情を把握することもできないから、請求人の主張は、その前提を欠くものである。

また、請求人は、審査・審判例を挙げているが、それらは、いずれも商標の具体的構成及び指定商品において、本願とは異なるものであり、また、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであるから、その存在をもって本願における類否判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の主張は、いずれも採用することはできない。

(5)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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