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Trademark Appeal Case

著名図形商標の類否と出所混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成5年審判第10211号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙(1)のとおりの構成よりなり、第18類「はき物、かさ、つえ、および本類に属する商品」を指定商品として、平成1年11月20日に商標登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定において、登録異議申立がなされた結果、「本願商標は、その構成上分離して看取される図形部分が、米国のファッションデザイナー『ラルフローレン』がファッション製品について使用して著名な『スティックを持った人物が馬に乗りポロ競技をしている様をモチーフとした図形』との関係で、例えば、著名なキャラクター(ミッキーマウス)について様々なポーズがあるのと同様に該図形のバリエーションの1つとして看取されることも決して少なくないとみるのが相当である。しかして、靴やかさも含んでトータルファションとして位置づけられている取引の実状よりすれば、かかる本願商標をその指定商品に使用した場合、恰も前記『ラルフローレン』又はその関係者の業務に係る商品であるかの如く、出所の混同を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)(株)講談社昭和53年発行7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。

そして、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Po1o」、「ポロ(アメリカ)」、 「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。

他に、これを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Po1o」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として遅くとも昭和55年頃までには既我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標の構成は、別紙のとおりであるところ、構成中の疾走する馬に騎乗し、「マレット」とおぼしき棒状の道具を手にしている図形は、まさに「ポロ競技」を表すものであり、本願商標に接する取引者、需要者は、これより、「競技中のポロプレーヤーの図形」と認識し、取引に当たるものとみるのが相当である。

ところで、拒絶理由に開示の、米国のファッションデザイナー「ラルフローレン」がファッション製品について使用して著名な「スティックを持った人物が馬に乗りポロ競技をしている様をモチーフとした図形」及び前記認定の引用商標は、別紙(2)ないし(4)に表示したとおりの構成よりなるものであって、該標章は、ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド(アメリカ合衆国ニューヨーク所在)が1970年代より商品「被服、装身具、香水、眼鏡」等に長年使用し、「競技中のポロプレーヤーの図形」よりなる商標として、取引者、需要者間に広く知られているものである。

してみると、本願商標の図形と引用各標章の図形とは、ポーズに多少の差違を有するとしても、「競技中のポロプレーヤーの図形」と観念されるものであり、かかる商標をその指定商品に使用した場合、恰も、前記申立人に係る商品又は同人と何等かの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について誤認、混同を生じさせるおそれがあるものとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり決定する。

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