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Trademark Appeal Case

不使用取消審判の使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2015−300294(T2015−300294/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2253962号商標(以下「本件商標」という。)は、「HERITAGE」の欧文字及び「ヘリテイジ」の片仮名を二段に横書きしてなり、昭和63年1月8日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録、その後、同23年8月17日に、指定商品を第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒,麦芽及び麦を使用しないビール風味のアルコール飲料」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判請求の登録は、同27年5月1日にされている。

2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標について、その指定商品中の第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒」及び第33類「洋酒,果実酒,麦芽及び麦を使用しないビール風味のアルコール飲料」については、その登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

そして、請求人の述べる請求の理由とは、「本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれの者によってもその指定商品中、第32類『ビール,ビール風味の麦芽発泡酒』及び第33類『洋酒,果実酒,麦芽及び麦を使用しないビール風味のアルコール飲料』について、使用されていないものである。」というものである。

なお、請求人は、下記3の被請求人による答弁に対しては、弁駁していない。

3 被請求人の主張

被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由について、要旨以下のとおり、述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)本件商標の使用の要点

本件商標については、通常使用権者である株式会社岩の原葡萄園が、本件審判請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に、我が国においてその請求に係る指定商品中の「ぶどう酒(ワイン)」に使用している。

(2)商標の使用者

乙第1号証の「契約書」の写しは、本件商標の使用許諾に関するもので、商標権者であるサントリーホールディングス株式会社が、株式会社岩の原葡萄園に対し、商品「ワイン」について本件商標の使用を許諾している。

なお、契約書には「本契約の有効期間は、平成21年7月1日から2年間とする。」との記載があるが、当該契約のただし書きには、「期間満了の1カ月前までに甲又は乙のいずれかより相手方に対して更新しない旨の意思表示がなされない限り、自動的に1年間同一条件にて延長されるものとし、さらに、以後も同様とする」となっており、現在に至るまで甲と乙のいずれからも更新しない旨の意思表示はされておらず、現在まで有効に継続している。

(3)使用に係る商標及び商品

乙第2号証は、本件商標を付したぶどう酒の写真であり、請求に係る指定商品「ぶどう酒」の製品名として「HERITAGE」が記載されている。

乙第3号証の1は、通常使用権者である株式会社岩の原葡萄園が平成25年(2013年)9月17日に発行した商品チラシ(「岩の原ワイン NEWS RELEASE No.2013−8」)であり、「岩の原ワイン ヘリテイジ 2011」を平成25年(2013年)9月21日より販売する旨の記載と、「HERITAGE/ヘリテイジ」とのラベルが貼付された当該ぶどう酒の写真が掲載されている。

乙第3号証の2は、通常使用権者が平成27年(2015年)4月14日に発行した商品チラシ(「【岩の原葡萄園 自園産ぶどう100%】数量限定品」)であり、「岩の原ワイン ヘリテイジ 2012」との記載と、「HERITAGE/ヘリテイジ」とのラベルが貼付された当該ぶどう酒の写真が掲載されている。

(4)使用時期

乙第4号証の1及び2は、通常使用権者が取引先に対して発行した請求書の写しである。乙第4号証の1は、新潟酒販株式会社に対する請求書(平成25年9月30日付発行)で、「ヘリテイジ(赤)720m1」96本他の販売に関するものである。乙第4号証の2は、日新酒販株式会社に対する請求書(平成26年9月30日付発行)で、こちらも「ヘリテイジ(赤)720m1」144本他の販売に関するものである。

(5)その他

通常使用権者が製造・販売するぶどう酒「HERITAGE\ヘリテイジ」は、日本ワインコンクール委員会が主催する「Japan Wine Competition(「日本ワインコンクール」(旧「国産ワインコンクール」))(乙第5号証の1)において、2003年、2007年、2009〜2013年と数度に渡り入賞しており(乙5の2)、昨年も「岩の原ワイン ヘリテイジ 2012 赤」が入賞を果たしている(乙5の3)。

当該コンクールは、応募条件に「(1)原則として市販酒であり、蔵内酒の場合は、平成27年9月末日までに市場に流通すること及び出品時に商品名が確定していること」(※平成27年の場合)との規定があり、昨年受賞した上記ワインに関しては、「Japan Wine Competition(国産ワインコンクール)2014受賞ワインリスト」(乙5の3)において「出品時実在本数:5,520本」「2014年9月発売」との記載がある。

また、一般社団法人日本ソムリエ協会が発行する機関誌「Sommelier」2015年1月刊号(No.142)において、通常使用権者が製造・販売している「岩の原ワイン ヘリテイジ2012 赤」が写真入りで紹介されている(乙5の4)。

したがって、これらの事実も、本件商標が通常使用権者によってぶどう酒に使用されていたことを裏付けるものといえる。

(6)むすび

以上のとおりであるから、本件商標は、要証期間内に日本国内において、通常使用権者である株式会社岩の原葡萄園により、本件審判請求に係る指定商品中の「ぶどう酒(ワイン)」について使用していることが明らかである。

4 当審の判断

(1)被請求人が提出した乙各号証によれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証は、サントリーホールディングス株式会社を甲、株式会社岩の原葡萄園を乙とする本件商標の使用に関する契約書の写しであるところ、その第1条には、「甲は、乙が下記商品・・・に、本件商標を使用することを許諾する。」と記載され、該「下記商品」については、「商品名」として「岩の原ワイン HERITAGE/ヘリテイジ」、「使用商品」として「ワイン」、「使用用途」として「製造、販売及び宣伝広告その他の販売促進活動」、「使用地域」として「日本全国」が記載されている。また、その第4条第1項には、「本契約の有効期間は、平成21年7月1日から2年間とする。但し、期間満了の1ヶ月前までに甲または乙のいずれかより相手方に対して更新しない旨の意思表示がなされない限り、本契約は自動的に1年間同一条件にて延長されるものとし、以後も同様とする。」と記載されている。

イ 乙第3号証の1は、「岩の原ワイン NEWS RELEASE」と題した商品チラシの写しであるところ、「2013.9.17リリース」の日付け、「『プレミアムワイン3種類 新ビンテージ』発売」として「(株)岩の原葡萄園では、自家葡萄園産ぶどうから造ったワイン3種類の新ビンテージ、『岩の原ワイン ヘリテイジ 2011』(赤)、『同 ブラック・クイーン 2011』(赤)、『同 レッド・ミルレンニューム 2012』(白)、を発売いたします。」と、「商品名およびタイプ」として「1(審決注:「1」は丸数字の「1」である。)『岩の原ワイン ヘリテイジ 2011』 赤ワイン フルボディ アルコール分12%」と、「発売日」として「2013年9月21日(土)」と、「お問い合わせ」として「(株)岩の原葡萄園(新潟県上越市北方×××)」と記載されているほか、3本の瓶詰めのワインの写真が掲載されており、そのうちの左側の瓶には、「HERITAGE」の欧文字及び「ヘリテイジ」の片仮名からなる商標(以下「使用商標」という。)、「2011」の数字、「岩の原ワイン」の文字が記載されたラベルが貼付されている。

ウ 乙第4号証の1は、株式会社岩の原葡萄園(新潟県上越市北方×××)から新潟酒販(株)本社経理に宛てた平成25年9月30日発行の請求書の写しであるところ、平成25年9月30日締切分として、「年月日」を平成25年9月17日とする「ヘイテイジ(赤)720ml 96本」の記載がある。

(2)上記(1)により認定した事実によれば、以下のことが認められる。

ア 上記(1)アによれば、商標権者であるサントリーホールディングス株式会社は、平成21年7月1日から、株式会社岩の原葡萄園に対し、本件商標の「ワイン」についての使用を許諾する契約を締結しているところ、その契約の当事者双方から更新しない旨の意思表示がされていないとの被請求人の主張に争いはないから、その契約の有効期間は、同契約の第4条第1項により、上記(1)イ及びウにある平成25年9月17日を含め、現在まで延長されているものと推認される。

そうすると、株式会社岩の原葡萄園は、本件商標の通常使用権者と認められる。

イ 上記(1)イによれば、株式会社岩の原葡萄園は、平成25年(2013年)9月17日に、使用商標を表示したラベルが貼付された瓶詰めワインの写真を掲載した商品に関する広告を頒布又は展示したものと推認される。

ウ 上記(1)ウによれば、株式会社岩の原葡萄園は、平成25年(2013年)9月17日に、使用商標を表示したラベルが貼付された上記イの瓶詰めワインを新潟酒販(株)本社に譲渡又は引渡しを行ったものと推認される。

(3)判断

ア 本件商標は、上記1のとおり、「HERITAGE」の欧文字及び「ヘリテイジ」の片仮名を二段に横書きしてなるものであり、他方、使用商標も、上記(1)イのとおり、「HERITAGE」の欧文字及び「ヘリテイジ」の片仮名からなるものであるところ、両商標は、欧文字と片仮名の綴りがいずれも共通し、「ヘリテイジ」の称呼及び「伝承,伝統」の観念も共通するものであるから、社会通念上同一の商標といえる。

イ 使用商標が使用された「ワイン」は、本件審判請求に係る指定商品中の第33類「果実酒」の範ちゅうに含まれる商品である。

ウ 上記(2)イのとおり商品に関する広告を頒布又は提示し、しかも、上記(2)ウのとおり商品の譲渡又は引渡しを行った平成25年(2013年)9月17日は、要証期間内に当たるものである。

エ そうすると、本件商標の通常使用権者は、要証期間内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中の第33類「果実酒」の範ちゅうに含まれる「ワイン」について、本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていたということができる。

(4)むすび

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品中の第33類「果実酒」の範ちゅうに含まれる「ワイン」について、本件商標(本件商標と社会通念上同一の商標を含む。)の使用をしていたことを証明したと認め得る。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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