Trademark Appeal Case
記述的結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−10830(T2015−10830/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標について
本願商標は、「皿そばやの出石そば」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成26年7月29日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同年12月19日付け手続補正書により、第30類「兵庫県豊岡市出石町産のそばめん」と補正されたものである。
2 当審において通知した拒絶の理由
審判長は、請求人に対し、平成27年10月27日付け拒絶理由通知書で、要旨次のとおりの拒絶の理由を通知した。
本願商標は、「皿そばやの出石そば」の文字を書してなるところ、その構成は「皿そばや」と「出石そば」の文字とを格助詞「の」を介して一連に表してなるものである。
そして、その構成中の「皿そばや」の文字は、別掲1に示すとおり、「皿そば」の語が「皿に盛って提供されるそば」を指称するものであり、また、別掲2に示すとおり、「皿そば」を提供する店舗を「皿そば屋」と称している事実が見受けられる。
さらに、本願商標は、「皿そば屋」の「屋」の文字が平仮名で表記されているところ、別掲3に示すとおり、そば店を表示するものとして、「そば屋」のみならず「そばや」と「屋」の文字部分が平仮名を用いて表示される場合があると認められることから、本願商標の構成中の「皿そばや」の文字部分は、「皿そばを提供するそば屋」であることを容易に認識し得るものといえるものである。
他方、「出石そば」の文字は、その指定商品である「兵庫県豊岡市出石町産のそば」であることを認識させるものであり、出石町においては、皿そばを提供するそば店が多数存在しており、当該そば店においては、「皿そば」の提供のみならず、「そばめん」を販売する店舗も存在しており、それらの中には、別掲4に示すとおり、「出石そば」として販売している実情がある。
してみると、本願商標は、全体として「皿そばを提供するそば屋の兵庫県出石町産のそば」ほどの意味合いを認識させるにすぎないものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、その指定商品に使用しても、需要者が上記意味合いのそばであることを理解するにとどまるものといえるから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 当審における拒絶の理由に対する請求人の意見
請求人は、前記2の拒絶の理由に対し、平成27年12月4日付け意見書において、要旨以下のとおりの意見を述べた。
本願商標は、「出石そば」を限定する「皿そばやの」という語頭部の表現に格助詞「の」を加えたことにより商標としては奇抜で、産地、品質等からなる一般的な記述商標とは異なるもので、「皿そば」と「そば」を組み合わせて一連に表した形態で「そば」を指定商品として巧妙であり、需要者の興味を喚起するものである。その結果、これまでの商標にはない異質の商標として請求人(出願人)の業務に係る商品として需要者に認識及び記憶されるものである。さらに、本願商標が他に使用されている事実がないことから、本願商標を使用した商品は、請求人(出願人)の業務に係る商品であると十分認識されるものであり、本願商標が登録されても、商品の出所について混同を生じさせるおそれもなく、第三者に不利益が及ぶ心配も考えられない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「皿そばやの出石そば」の文字を標準文字で表してなるところ、前記2の拒絶の理由のとおり、その指定商品に使用しても、その取引者、需要者には、全体として「皿そばを提供するそば屋の兵庫県出石町産のそば」ほどの意味合いを認識させるにすぎないものといえることから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであり、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、前記3のとおり、「本願商標は、これまでの商標にはない異質の商標として請求人(出願人)の業務に係る商品として需要者に認識及び記憶されるもので、さらに、本願商標が他に使用されている事実がないことから、本願商標を使用した商品は、請求人(出願人)の業務に係る商品であると十分認識されるものである。また、本願商標が登録されても、商品の出所について混同を生じさせるおそれもなく、第三者に不利益が及ぶ心配も考えられないことから、商標法第3条第1項第6号に該当しない。」旨主張する。
しかしながら、本願商標は、別掲の「皿そば」、「皿そばや」、「そばや」及び「出石そば」を巡る実情をも勘案するならば、それを構成する各文字より「皿そばを提供するそば屋の兵庫県出石町産のそば」ほどの意味合いを認識させるにすぎないことは上述のとおりであり、これまでの商標にはない異質の商標として認識されるとはいえないものであり、また、それを構成する文字の組合せがこれまでにないもので、他に使用されていないことをもって、上記意味合いを認識させるとの判断が否定されるものではない。
さらには、前記2の拒絶の理由は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるとし、商標法第3条第1項第6号に該当すると判断したものであるから、商品の出所の混同を生ずるおそれがあることを拒絶すべき理由としているものでもない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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