Trademark Appeal Case
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本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−13749(T2015−13749/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「space travel」の欧文字を標準文字で表してなり、第39類「宇宙旅行・その他の個人又は団体旅行の企画・運営又は手配,宇宙旅行・その他の個人又は団体旅行の企画・運営又は手配に関する情報の提供,宇宙旅行・その他の企画旅行の実施,宇宙旅行・その他の企画旅行の実施に関する情報の提供,宇宙旅行・その他の旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,宇宙旅行・その他の旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎに関する情報の提供,旅行者の案内」を指定役務として、平成26年7月7日に登録出願された商願2014−056549に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年11月13日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「space travel」の文字からなるところ、該文字は、「宇宙旅行」(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典 第2版)の意味を有する語であるから、本願商標をその指定役務のうち「宇宙旅行に関する企画・運営・契約の代理・これらに関する情報の提供」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その役務が「宇宙旅行に関する役務」であることを表すものと認識させるにすぎず、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「space travel」の文字からなるところ、以下(1)のとおり、該文字は、「宇宙旅行」の意味を有する語である。そして、「space travel」の文字及び該文字の読みを片仮名で表記した「スペーストラベル」の文字は、以下(2)のとおり、「宇宙旅行」の意味合いを認識させるものとして使用されている実情がある。
また、「宇宙旅行」については、以下(3)のとおり、旅行業界において、旅行の種類の一として取り扱う旅行会社が存在する実情がある。
(1)「space travel」及び「スペーストラベル」の文字の意味について
ア ベーシックジーニアス英和辞典(1347頁:株式会社大修館書店)に「space travel 宇宙旅行」の記載がある。
イ コンサイスカタカナ語辞典第4版(555頁:株式会社三省堂)に「スペーストラベル[space travel] 宇宙旅行.宇宙飛行」の記載がある。
ウ コンサイス外来語辞典第3版(362頁:株式会社三省堂)に「スペーストラベル[space travel] 宇宙旅行」の記載がある。
エ imidas 現代人のカタカナ語欧文略語辞典(279頁:株式会社集英社)に「スペーストラベル[space travel] 宇宙旅行」の記載がある。
オ 世界大百科事典(285頁:大口製本印刷株式会社)に、「うちゅうひこう 宇宙飛行 space flight」の見出しのもと、「宇宙空間、すなわち大気圏外を飛行すること。・・・言い換えれば宇宙旅行space travelとしてとらえられることが多い。」の記載がある。
(2)「space travel」及び「スペーストラベル」の文字の使用について
<新聞記事及びインターネット情報>
ア 2008年1月22日付け保険毎日新聞に、「損保協会、『Space of Space Travel』展を開催 【2008年1月15日】」の見出しのもと、「損保協会は1月15日から、損保会館(千代田区神田淡路町)1階の『そんぽ情報スクエア』で、ジェイアイ傷害の出展協力による『Space of Space Travel』展を開催した。同社による日本初の宇宙旅行保険の商品認可許可を受け、宇宙や宇宙旅行に関するビデオ放映、パネルによる紹介、スペーストレーニングスーツ、宇宙食などの展示によって、宇宙と宇宙旅行に関するさまざまな情報を提供する。」の記載がある。
イ 「NewsACT」のウェブサイトにおいて、「【無料イベント】3Dスペーストラベル体験!『親子で楽しむ高田馬場☆春の宇宙教室』開催!」の見出しのもと、「【第一部】飛び出す宇宙!大迫力3Dスペース・トラベル〜高田馬場の星空から太陽系へ〜」の記載及び「高田馬場の星空から地球を旅立ち、太陽系の惑星をめぐるスペース・トラベル。国立天文台で開発された4次元可視化実験システム「Mitaka」を使って、宇宙旅行を3D(スリーディー)で疑似体験します。」の記載がある。
(http://news-act.com/archives/37932934.html)
ウ 「浜松科学館」のウェブサイトにおいて、「常設展示紹介」の見出しのもと、「宇宙にふれる 50インチタッチモニタを利用して、宇宙科学学習やゲームなど4種類のコンテンツが体験できます。国立天文台の4次元デジタル宇宙ビューワーMitakaを利用した『スペーストラベルQ』では、クイズに答えて宇宙の果てまで探索できます。」の記載がある。
(http://www.hamamatsu-kagakukan.jp/tenji/uchuu.html)
エ 「ミカエル・ザヤット アルケミストオイル」のウェブサイトにおいて、「Space Travel−宇宙旅行−」の見出しのもと、「Space Travel−宇宙旅行−販売価格: 2840円〜6851円(税別)」の記載及び「近未来のスタートラベルや新しい可能性に興味のある方々のためのものです。物理的あるいは仮想空間トラベルに適しています。」の記載がある。
(http://www.mikaelzayatoil.com/product/268)
(3)旅行会社による「宇宙旅行」の取り扱いについて
ア 「株式会社クラブツーリズム・スペースツアーズ」のウェブサイトにおいて、「宇宙旅行のご案内」の見出しのもと、「6名乗りに大型化された宇宙船『スペースシップ2』による宇宙旅行の実現がいよいよ近づく中、2014年1月、宇宙旅行を専門に取り扱う旅行会社、株式会社クラブツーリズム・スペースツアーズが誕生しました。」の記載がある。
(http://www.club-t.com/space/)
イ 「JTB」のウェブサイトにおいて、「JTB宇宙旅行」の見出しのもと、「地球の大気圏を離れ、宇宙空間を体験する旅です。みなさまを乗せた宇宙船は音速の3倍以上のスピ−ドで高度100kmへと急上昇。」の記載及び「現在、この宇宙体験旅行に向けて世界で宇宙船開発競争が進行中です。出発前には約3日間の集中訓練があり、フライトシミュレーションのほか、セーフティシステムや通信システム、天文学について学びます。」の記載がある。
(http://www.jtb.co.jp/space/suborbital.asp)
ウ 「株式会社クレセント」のウェブサイトにおいて、「Orbital Space Flight 宇宙旅行〜ISS宇宙ステーション滞在〜」の見出しのもと、「宇宙旅行・概要」として、「出発から地球帰還まで8〜9日間程度の予定ですが、無重力など宇宙特有の状態やロケットや宇宙の基本的な知識を理解したり、シュミレーターを使った訓練を受けていただきます。(ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターを中心に、通算6〜8ヶ月間の訓練、健康診断を行います。)」の記載がある。
(http://www.ctn-japan.com/tracon/space/orbital.html)
以上のことからすると、「space travel」及び「スペーストラベル」の文字は、「宇宙旅行」の意味を有し、該意味合いを表す語として一般に知られており、かつ、普通に使用されているものというのが相当である。
そして、わが国の旅行業界において、国内旅行、海外旅行のような旅行の種類の一として、宇宙旅行を取り扱う旅行会社が存在する事実も認められる。
そうすると、本願商標をその指定役務中の「宇宙旅行の企画・運営又は手配,宇宙旅行の企画・運営又は手配に関する情報の提供,宇宙旅行の実施,宇宙旅行の実施に関する情報の提供,宇宙旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,宇宙旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎに関する情報の提供,宇宙旅行者の案内」に使用しても、本願商標は、旅行の種類の一を意味するものであるから、これに接する取引者、需要者は、「宇宙旅行に関する役務」程の意味合いを表示したものとして理解するにすぎないものというべきである。
してみれば、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、上記以外の指定役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものである。
2 商標法第3条第2項の該当性について
請求人は、甲第1号証ないし甲第26号証を提出し、本願商標は、請求人により使用された結果、請求人が取り扱う役務を表示する商標として、需要者の間で広く知られているものであるから、自他役務の識別力を有するものである旨主張しているので、本願商標が商標法第3条第2項に該当するに至ったものであるかについて以下、判断する。
商標法第3条第2項は、商標法第3条第1項第3号等に対する例外として、「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」は商標登録を受けることができる旨を規定している。その趣旨は、特定人が当該商標をその業務に係る商品の自他識別標識として長期間継続的かつ独占的に使用し、宣伝もしてきたような場合には、当該商標は例外的に自他商品識別力を獲得したものということができる上に、他の事業者に対してその使用の機会を開放しておかなければならない公益上の要請は乏しいということができるから、当該商標の登録を認めるというものであると解される(知的財産高等裁判所平成18年(行ケ)第10441号判決 判決日 平成19年3月29日参照)。
そこで、上記の観点を踏まえて、本願商標が商標法第3条第2項に該当するか否かについて検討する。
請求人は、本願商標「space travel」及び「スペーストラベル」をキーワードとして入力すると、検索結果において上位3位において請求人の事業に係るウェブサイトが表示されること(甲1)、本願商標の使用証拠として、請求人の事業に係るツアープランが紹介されているウェブサイト情報や請求人の事業に係る宇宙旅行代理店が紹介されている雑誌記事、新聞記事等をあげ(甲2ないし甲12、甲20ないし甲26)、それらの情報・記事の中に「SPACE TRAVEL」の文字又はその読みである「スペーストラベル」の文字が使用されているから、本願商標が付された役務は、請求人の業務に係る役務であることが知られている旨主張する。
しかしながら、請求人が提出した上記証拠は、甲第2号証及び甲第4号証以外は、「SPACE TAVEL」又は「スペーストラベル」の文字が、請求人の会社名や宇宙旅行代理店名として文章中等に記載されているものであり、商標としての自他役務の識別標識として機能する態様で、使用されていないものである。
また、甲第2号証及び甲第4号証には、「SPACE TRAVEL」の文字が記載されているものの、これらの使用例にしても、「宇宙旅行」という旅行の一種を表示したものと理解される部分もあり、この二つの使用例をもって、本願商標「space travel」の文字が、請求人の業務に係る役務であることを需要者が広く認識するに至っていると認めることはできない。
そうすると、請求人が提出した証拠によっては、本願商標が長期間にわたって、全国的に、継続的に使用されていることを確認することができず、また、これらの証拠のほかに、本願商標の使用開始時期、使用期間、使用地域、営業の規模、売上高並びに広告宣伝の方法及び回数等を確認することができる証拠の提出はない。
してみれば、本願商標が需要者の間に広く知られているということはできないというのが相当であり、本願商標は、使用された結果、需要者が出願人の業務に係る役務であることを認識するに至っているということができない。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、本願の指定役務の需要者について、「本来想定すべき商標の看者を指定役務の『需要者・取引者』ではなく、あたかも『単なる一般公衆』であるかのように想定した認定には過誤があり、また、インターネット検索結果を軽視したものである。」旨主張している。
しかしながら、審査においては、指定役務の取引者、需要者を「単なる一般公衆」を想定して認定したものではない。そして、本願の指定役務には「個人又は団体旅行の企画・運営又は手配」等の役務も含まれているところ、一般に、旅行を予約してツアー等へ参加するためには、インターネットによる予約や手配も含まれるものの、電話によるものや旅行代理店に赴いて予約や手配を行う者も相当の数にのぼるものと考えられるところであり、そのような場合も一般的な旅行手続の方法である。
そうすると、需要者、取引者の全てがインターネットを利用する者であるということにはならないから、単にインターネットにおける検索結果が上位であるということのみをもって、本願商標が取引者、需要者の間に出所識別標識として広く認識されているということはできない。
(2)請求人は、甲第13号証ないし甲第19号証を提出し、「space travel」の語に「宇宙旅行」の意味合いがあるとしても、事業において扱われる「宇宙旅行」については「space tourism」の語が用いられ、「space travel」の語は用いられず、事業においては実際に「space tourism」の語が使用されている旨主張する。
しかしながら、前記「第3 1(1)」に記載したとおり、一般的な辞書類には、「space travel」及び「スペーストラベル」の文字は「宇宙旅行」を意味するものであると記載されていること、また、本願商標の構成中の「space」の文字は「宇宙」等の意味を、「travel」の文字は「旅行」等の意味をそれぞれ有する平易な英語であることからすれば、本願の指定役務において扱われる「宇宙旅行」について、たとえ、「space tourism」の語が用いられている場合があったとしても、本願商標に接する需要者、取引者は、「宇宙旅行に関する役務」の意味合いを表示したものとして理解するにすぎないものである。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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