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Trademark Appeal Case

略称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900283(T2015−900283/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5769454号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5769454号商標(以下「本件商標」という。)は,「窓リフォ」の文字を標準文字で表してなり,平成27年1月29日に登録出願,第37類「建築工事,建築工事に関する助言」を指定役務として,同年5月13日に登録査定,同年6月5日に設定登録されたものである。

第2 本件登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に該当するものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし第8号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 引用商標

申立人が引用する登録第5589848号商標(以下「引用商標」という。)は,「まとりふぉ」,「マトリフォ」及び「matorifo」の文字を上下3段に書してなり,平成24年12月27日に登録出願,第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」及び第37類「建設工事,照明用器具の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,家具の修理,ガス湯沸かし器の修理又は保守,加熱器の修理又は保守,なべ類の修理又は保守,錠前の取付け又は修理,浴槽類の修理又は保守」を指定役務として,同25年6月14日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

2 商標法第3条第1項第3号について

(1)商標法3条1項3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは,このような商標は,商品(役務)の品質(質)その他の特性を表示記述する標章であって,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに,一般的に使用される標章であって,多くの場合自他商品(役務)識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないものであることによると解される(昭和53年(行ツ)第129号,昭和54年4月10日最高裁判決参照)。

この趣旨に照らせば,ある登録商標がその登録査定時において,指定役務の質(内容)等を表すものと取引者,需要者に広く認識されている場合はもとより,将来を含め,取引者,需要者にその指定役務の質(内容)等を表すものと認識される可能性があり,これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときにも,当該商標の登録は,商標法第3条第1項第3号の規定に違反してなされたものとして取り消されるべきである。

(2)本件商標は,「窓リフォ」の文字(甲1)を表してなるものであるが,その構成からみて,「窓」と「リフォ」の文字を結合したものと容易に看取し得るものである。

ところで,ある二つの語を結合した場合においては,その構成文字や称呼が冗長になること,全体として称呼すると語呂が悪くなること等の事情により,例えば,「スシロボ」(寿司ロボットの略),「創エネ」(創エネルギーの略),「エコドラ」(エコドライブの略),「タワーメンテ」(タワーメンテナンスの略),「温たま」(温泉たまごの略)のように,結合する一方の語又は両語を略し全体を簡略化して表し,それより生ずる簡潔な称呼で略称することが日常普通に行われているところである(甲3)。

そして,「リフォーム」の語は,「建物の改築・改装」の意味を有する平易な外来語(甲4)であって,建築関連の業界においては,その意味の語として普通に使用されているばかりでなく,広く一般の需要者にも親しまれ使用されていることは顕著な事実である。また,「窓リフォーム」「リフォ」の文字についてみるに,「窓リフォーム」の文字は,その文字をキーワードとしてインターネット検索(甲5の1)すると,約22万件ヒットするものであって,そのWebページ(甲5の2)で当該文字が「(建物の)窓のリフォーム工事」を意味するものとして使用されていて,「化学工業日報」「鉄鋼新聞」「日刊工業新聞」「日本建設工業新聞」等の新聞記事(G−Search)においても,前記と同一の意味で「窓リフォーム」の文字を使用している記事が多数発見される(甲6)。さらに,「リフォ」の文字についてみても,これを「リフォーム(建物の改築・改装)」の略称として使用するWebページ(甲7の1)が多数発見され,「窓リフォ」「リフォ窓」の文字の使用例(甲7の2)も散見される。

(3)そうすれば,「窓」と「リフォ」の文字を結合し,「窓リフォ」と表してなる本件商標は,遅くとも,その商標の登録出願時には,その指定役務に使用した場合,これに接する取引者・需要者をして,後半の「リフォ」の文字を「リフォーム」を略して表示したものと理解し,全体として「(建物の)窓のリフォーム工事」であることの意味を直ちに把握,認識することができたものと判断するのが相当である。

したがって,本件商標は,これをその指定役務に使用するときは,「窓のリフォーム工事又はその工事に関する助言」であること,即ち,単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものといわなければならない。

なお,仮に,本件商標を構成する「窓リフォ」の文字が「建築工事,建築工事に関する助言」の質(内容)を表示するものとして普通に使用されているものとまではいえないとしても,「窓リフォーム」の文字が「(建物の)窓のリフォーム工事」を意味し,「リフォ」の文字が「リフォーム」の略称として現に広く使用されていることは甲第5号証ないし甲第7号証に示すとおりであるから,本件商標は,その登録査定時において,近い将来,その指定役務の質(内容)を表すものとして取引者,需要者に広く認識される可能性は十分にあったということができる。

以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。

3 商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標は,前記第1及び「第2 1」の構成よりなるものであるから,それぞれの構成文字に相応して,前者は「マドリフォ」,後者は「マトリフォ」の各称呼を生ずるものであることは明らかである。

そこで,両者の称呼を比較するに,両称呼は,共に4音からなるものであって,称呼の識別上重要な要素を占める冒頭音を含む「マ」「リ」「フォ」の3音を共通にし,相違するところは,第2音目における「ド」と「ト」の音に差異を有するのみである。そして,該差異音の「ド」と「ト」は,明瞭に聴きとりにくい中間に位置するばかりでなく,その音に特にアクセントがあるものとは認められず,また,両音は,舌尖を上前歯のもとに密着して破裂させる子音(「d」又は「t」)と母音「o」を結合した音節であって,子音に有声と無声(濁音と清音)の相違があるのみの極めて近似した音といい得るものである。

そうすると,両称呼は,中間における「ド」と「ト」の音の差異が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず,これをそれぞれ一連に称呼するときは,その語調,語感が極めて近似したものとなり,彼此聴き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。

したがって,本件商標と引用商標とは,その外観において差異が認められるとしても,「マドリフォ」と「マトリフォ」の称呼において相紛らわしい類似の商標であって,かつ,本件商標の指定役務中「建築工事」は,引用商標の指定役務と同一又は類似のものであるから,結局,本件商標は,その指定役務中「建築工事」については,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 むすび

以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号該当性について

本件商標は,前記第1のとおり,「窓リフォ」の文字からなるところ,その構成中「窓」の文字は「まど,あかりとり」等の意味を有する語(株式会社岩波書店 「広辞苑第六版」)であり,「リフォ」の文字は,辞書等に掲載がなく,かつ,親しまれた意味を有するものとして一般に知られているものとも認められないから,該語よりは,特定の意味を有しない一種の造語として看取,理解されるものであるから,「窓」と「リフォ」の文字を結合した本件商標は,特定の意味合いを有しない一種の造語として理解されるものとみるのが相当である。

また,職権をもって調査するも,「窓リフォ」の文字が,本件商標の指定役務を取り扱う業界において,ごく僅かに使用されていることが伺えるものの,本件商標が役務の質を表すものとして,普通に使用されているとまではいえず,かつ,取引者,需要者が,役務の質を表すものと認識するという特別の事情も見あたらなかった。

そうすれば,本件商標は,役務の質などを表示する標章のみからなるものとはいえないものであるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。

したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,前記第1のとおり,「窓リフォ」の文字からなるところ,その構成文字に相応して「マドリフォ」の称呼を生じ,該「窓リフォ」の文字は,上記1のとおり一種の造語と認められることから,特定の観念を生じないものである。

一方,引用商標は,前記「第2 1」のとおり,「まとりふぉ」,「マトリフォ」及び「matorifo」の文字からなり,その構成文字からは「マトリフォ」の称呼を生じ,「まとりふぉ」,「マトリフォ」及び「matorifo」のそれぞれの文字は,辞書等に掲載されていない一種の造語と認められることから,特定の観念を生じないものである。

そこで,本件商標と引用商標を比較すると,外観においては,本件商標は「窓リフォ」の文字からなり,引用商標は,「まとりふぉ」,「マトリフォ」及び「matorifo」の文字を上下3段に書してなる構成態様であるから,外観上,明確に区別できるものである。

また,称呼においては,本件商標は,「マドリフォ」の称呼が生じ,引用商標は,「マトリフォ」の称呼が生じるものであるから,両称呼はともに4音よりなり,第2音において「ド」と「ト」の差異を有するものにすぎないから,それぞれ一連に称呼するときは,その称呼はやや近似するというべきである。

さらに,観念においては,両商標は,上記のとおり,それぞれ造語であるから特定の観念は生じないものであり,比較することはできないものである。

そうすると,本件商標と引用商標は,観念において比較することができないとしても,称呼においては,近似した印象を与えるものであるが,外観においては,明瞭な差異を有するものであって、両商標から受ける印象は大きく異なることから,これらを総合的に勘案すれば,本願商標及び引用商標を同一又は類似する役務について使用しても,役務の出所について誤認混同を生じるおそれはないものというのが相当である。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

3 申立人の主張について

申立人は,「仮に,本件商標を構成する『窓リフォ』の文字が『建築工事,建築工事に関する助言』の質(内容)を表示するものとして普通に使用されているものとまではいえないとしても,『窓リフォーム』の文字が『(建物の)窓のリフォーム工事』を意味し,『リフォ』の文字が『リフォーム』の略称として現に広く使用されていることは甲第5号証ないし同第7号証に示すとおりであるから,本件商標は,その登録査定時において,近い将来,その指定役務の質(内容)を表すものとして取引者,需要者に広く認識される可能性は十分にあったということができる。」旨,主張している。

しかしながら,本件商標である「窓リフォ」は上記1のとおり,造語であるから,特定の意味合いを生じるものでもなく,また,申立人が提出した甲第5号証及び甲第6号証の証拠は,「窓リフォーム」の文字の使用例であり,さらに,甲第7号証の証拠は,僅かに「窓リフォ」の使用例があるものの普通に使用されるいるとまではいえず,また,その他の使用例は,本件商標とは相違する「みえリフォ」,「リフォエコパネル」及び「リフォコム」等の使用例であるから,これらの証拠に掲載されている文字と本件商標との関連性を見いだすことはできず,これをもって,本件商標が近い将来,その指定役務の質(内容)を表すものとして取引者,需要者に広く認識される可能性が十分にあったということはできないものである。

したがって,申立人の上記主張は,採用することができない。

4 むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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