Trademark Appeal Case
弱識別力部分の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2015−900323(T2015−900323/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5779738号商標(以下「本件商標」という。)は、「シルキーファンデーション」の片仮名を標準文字で表してなり、平成26年10月10日に登録出願、第3類「ファンデーション」を指定商品として、平成27年6月25日に登録査定、同年7月17日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録第446556号商標(以下「引用商標」という。)は、「シルキー」の片仮名を縦書きしてなり、昭和28年7月23日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同29年6月21日に設定登録、平成17年9月14日には、指定商品を第3類「香料類(薫料・香精・天然じゃ香・芳香油を除く。),吸香,におい袋,香水類,フケ取り香水,香水,人造じゃ香,香油,髪膏,おしろい,化粧下」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議申立ての理由
(1)本件商標と引用商標との類否
本件商標の構成中の「ファンデーション」の文字は、その指定商品そのものの表示であり、かつ、化粧品の分野においては、化粧下の商品名として取引上普通に使用され、需要者においても容易に認識される語である。
そうすると、本件商標は、その構成中、自他商品の識別機能を有する部分は、「シルキー」の文字部分であるから、これより「シルキー」の称呼及び「絹のような、柔らかな」の観念をも生じる。
他方、引用商標は、「シルキー」の文字よりなるから、これより「シルキー」の称呼及び「絹のような、柔らかな」の観念を生じる。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にし、外観上も「シルキー」の文字を共通にするものであるから、類似の商標である。
(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、互いに類似の商品を包含するものである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「シルキーファンデーション」の片仮名を標準文字をもって同書、同大、同間隔にまとまりよく表してなるものであり、その全体より生じる「シルキーファンデーション」の称呼も一連に称呼できないほど冗長とはいえないものである。そして、その構成中の「シルキー」の文字部分は、「絹のようなさま、すべすべしたさま」の意味を、「ファンデーション」の文字部分は、「下地用の化粧品。粉おしろいを油脂に混ぜてクリーム状・液状にしたもの。体型を整えるための女性用下着。」等の意味を有する語(いずれも、大辞林第3版)として一般に親しまれているものである。
ところで、我が国の化粧品を取り扱う分野において、「シルキー」の文字は、肌などが「絹のようなさま、すべすべしたさま」であることを表すために、例えば、以下のとおり、使用される場合があることが認められ、このような取引の実情に照らせば、「シルキー」の文字は、自他商品の識別力が弱いものといえる。
(ア)「ユーグレナで肌の持つ力を甦らせるエイジングケア化粧品B.C.A.D.公式サイト」において、「B.C.A.D.シルキーエマルジョンクリーム」の商品について、「化粧水、美容液によってお肌に浸透した成分を、絹のように柔らかなヴェールでお肌にとどめる『エモリエントレイヤー処方』。」の記載がある。
(https://www.bcad.jp/bcad/products/cream.htm)
(イ)「Cosme Style」のウェブサイトにおいて、「エコルフィー 2 シルキーローション (朝用化粧水)」の商品について、「ナノレベルの有用成分がお肌の深部にまで届き、みずみずしさを与えます。絹のようななめらかなうるおいを与え、硬くなりがちなお肌を柔軟にし、乳液のなじみをよくします。」の記載がある。
(http://www.cosme-style.com/cathand/detail-426270-0.html)
してみると、本件商標に接する取引者、需要者が殊更に「シルキー」の文字部分に注目して取引に当たるとは考え難く、むしろ全体を一体不可分のものとして認識、把握して取引に当たるとみるのが自然である。
したがって、本件商標は、その構成全体をもって、特定の意味合いを有しない一体不可分の造語を表したものと認識されるとみるのが相当であり、その構成文字に相応して、「シルキーファンデーション」の一連の称呼のみを生じるものである。
イ 引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「シルキー」の片仮名を縦書きしてなるところ、これより「シルキー」の称呼を生じ、「絹のようなさま、すべすべしたさま」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標の構成は、前記1及び2のとおりであるところ、両商標の外観を対比すると、その構成文字が相違し、外観上、判然と区別することができるものである。
次に、両商標の称呼を対比すると、本件商標から生じる「シルキーファンデーション」の称呼と引用商標から生じる「シルキー」の称呼とは、後半における「ファンデーション」の音の有無という顕著な差異を有し、構成音数を異にするものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、両商標の観念を対比すると、本件商標は、特定の観念が生じないものであるのに対し、引用商標は、「絹のようなさま、すべすべしたさま」の観念が生じるものであるから、観念において、相紛れるおそれはないものといえる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれがない非類似の商標というべきものである。
(2)小括
したがって、本件商標の指定商品中の申立てに係る指定商品が、引用商標の指定商品と同一又は類似であったとしても、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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