Trademark Appeal Case
結合商標の要部と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−20265(T2015−20265/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第43類「カフェにおける飲食物の提供,その他の飲食物の提供」を指定役務として、平成27年1月22日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3184290号商標(以下「引用商標1」という。)は、「EDELWEISS」の欧文字と、「SCHWEIZ−KONDITOREI」の欧文字とを上下2段に書してなり、平成4年9月24日に登録出願、第42類「茶・コ―ヒ―・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同8年8月30日に設定登録され、その後、同18年8月4日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第3184291号商標(以下「引用商標2」という。)は、中央に植物の図を配した盾状の図形を配し、該盾図形の外側を沿うように「EDELWESS」、「SCHWEIZ」及び「KONDITOREI」の文字と星図形を配した構成からなり、平成4年9月24日に登録出願、第42類「茶・コ―ヒ―・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成8年8月30日に設定登録され、その後、同18年8月4日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第3202915号商標(以下「引用商標3」という。)は、「Edelweiss」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第42類「西洋料理・茶・コ―ヒ―・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成8年9月30日に設定登録され、その後、平成19年6月1日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
なお、引用商標1と引用商標3をまとめて、以下「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、盾状の図形内に、2種類の植物を配してなる図形部分と、その下方に、「EDELWEISS」の欧文字と、「OKINAWA」の欧文字を上下2段に書してなるものである。
そして、上段の図形部分と、下段の文字部分とは、上下に離れて構成されており、視覚上、常に一体不可分のものとして、把握、看取しなければならないとする理由及び事情はないものであるから、図形部分と文字部分は、それぞれ独立して自他役務の識別標識として機能し得るものである。
そして、その文字部分の上段の「EDELWEISS」の欧文字は、「キク科の多年草の植物名」の意味を有する語であり、また、その下段の「OKINAWA」の欧文字は「沖縄」の文字の、欧文字表記と容易に看取できるものであって、本願の指定役務との関係においては、役務の提供場所等を表したものと認識されるにすぎず、自他役務の識別標識として機能しないものである。
そうすると、本願商標の構成においては、自他役務の識別標識として、「EDELWEISS」の文字が、取引上の称呼を特定する上で、看者の注意をひく要部となるものであるから、該文字部分をもって、取引に資されるというべきである。
してみれば、本願商標からは、該「EDELWEISS」の文字に相応して「エーデルワイス」の称呼が生じるものであり、また、該文字は、植物の名称の英語又はドイツ語であるから、「(植物の)エーデルワイス」の観念が生じるものというのが相当である。
イ 引用商標(引用商標1及び3)について
引用商標1は、上段に「EDELWEISS」の欧文字を書してなり、その下段に「SCHWEIZ−KONDITOREI」の欧文字を、上段の文字に比べ、小さく書してなるものものである。
そして、下段の文字は、小さい文字で書されているうえ、ドイツ語ではあるものの、「スイスのケーキ屋」程の意味合いを有する品質表示といえるものであって、その指定役務との関係においては、自他役務の識別力を有しているとはいえないことから、引用商標1は、上段の「EDELWEISS」の文字が自他役務の識別標識としての要部と認められるものであり、該文字によって取引に資されるものというべきである。
そうすると、引用商標1は、該「EDELWEISS」の文字に相応して、「エーデルワイス」の称呼を生じ、「(植物の)エーデルワイス」の観念を生じるものである。
引用商標3は、「Edelweiss」の欧文字からなるところ、該文字に相応して、「エーデルワイス」の称呼を生じ、「(植物の)エーデルワイス」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、本願商標と引用商標は、その構成全体を比較すれば、構成を異にするものであるから、外観において相違するものの、本願商標と引用商標の要部である文字部分においては、欧文字の綴りを共通にするものであるから、外観において、近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、本願商標と引用商標からは、共に「エーデルワイス」の称呼を生じるものであり、両者は、その称呼を同一にするものである。
また、観念においては、本願商標と引用商標からは、共に「(植物の)エーデルワイス」の観念を生じるものであり、その観念を同一にするものである。
そうすれば、本願商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を同一にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は、類似の商標というべきである。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願の指定役務、第43類「カフェにおける飲食物の提供,その他の飲食物の提供」と、引用商標1の指定役務、第42類「茶・コ―ヒ―・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」及び引用商標3の指定役務、第42類「西洋料理・茶・コ―ヒ―・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」とは、同一又は類似するものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標は、引用商標にない態様で、しかもOKINAWAとデイゴの花を入れたことでエーデルワイスにOKINAWAという季節感,地理感をもたらしているから、特別顕著性を有している。」旨を主張している。
しかしながら、本願商標の構成は、上記(1)アのとおりであって、図形部分と文字部分が常に一体不可分のものとして看取されるとはいえず、また、「OKINAWA」の文字は、指定役務との関係では、その役務の提供場所等を表示するにすぎないものであるから、「デイゴ」の花を入れた図形部分や「OKINAWA」の文字部分があるとしても、これらによって、本願商標と引用商標が非類似となるものではない。
そして、本願商標は、それぞれの構成部分からみて、「EDELWEISS」の文字部分のみを抽出し、他人の引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、許されるというべきであって、上記(1)ウのとおり、本願商標と引用商標は類似するものである。
イ 請求人は、「本願商標の出願と同日に出願した商願2015−004767が、第43類『カフェにおける飲食物の提供』を指定役務として、平成27年5月18日に登録査定を受けて登録第5768943号にて登録されている。」旨を主張している。
しかしながら、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであって、他の事例等の判断に拘束されることなく検討されるものであるばかりでなく、当該登録例は、商号を表示したものとして捉えられるから、本願商標とその構成態様が相違するものであり、本件とは事案を異にするものである。
よって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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