Trademark Appeal Case
結合商標の識別力と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−8624(T2015−8624/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類及び第42類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、2014年5月22日に大韓民国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成26年8月12日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同年12月15日付け手続補正書により、第42類に属する役務を削除する旨の補正がされ、第9類に属する別掲2のとおりの商品とされたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第5502591号商標(以下「引用商標1」という。)は、「TOSS子ども検定」の文字を標準文字で表してなるものであり、また、同じく登録第5502592号商標(以下「引用商標2」といい、引用商標1と併せていうときは「引用商標」という。)は、「TOSSジュニア検定」の文字を標準文字で表してなるものであり、共に、平成24年2月9日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,電子出版物」を指定商品として、同年6月22日に設定登録されたものであって、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「TOSS」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、「軽く投げる」という意味を有する一般に親しまれた英語であることから、本願商標は、該文字に相応して、「トス」の称呼及び「軽く投げる」という観念を生ずるものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は、「TOSS子ども検定」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成からは、「TOSS」の欧文字と「子ども検定」の漢字及び平仮名からなるものと容易に看取されるものである。
そして、引用商標1の構成中の「TOSS」の欧文字は、上記(1)と同様に、「軽く投げる」という意味を有する英語として一般に広く親しまれた語であり、また、構成中の「子ども検定」の文字は、「子どもに係る検定」ほどの意味合いを認識する語であるところ、これらの語を組み合わせた引用商標1は、商標全体として、特定の意味合いを生ずるものではないことから、「TOSS」と「子ども検定」の文字を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないものである。
さらに、引用商標1の構成中の「子ども検定」の文字について、その構成中の「検定」の文字が「一定の基準に照らして検査し、合格・不合格・価値・資格などを決定すること。検定試験の略。」の意味を有する語であるところ、別掲3のとおり、子どもを対象とした検定試験が、受検会場を設けて行う大規模なものからインターネット上で行われる簡単な形式のものを含め、「○○検定」と称して広く一般に実施されている事実がある。そして、各検定試験の対策のため、学習事項を内容とする教材が販売されており、その形式は、テキスト(書籍)のみならず、DVD、コンピューター・スマートフォン・携帯用液晶画面ゲーム機用ソフトウェア又はアプリケーションソフトウェア等にも及ぶことが、例えば、別掲4に挙げたインターネット情報からも裏付けられることからすれば、「子ども検定」の文字は、指定商品の内容を表したものと理解され、自他商品識別標識としての機能が弱いといえるものである。
加えて、引用商標1の構成中の「TOSS」の文字は、引用商標1の指定商品との関係において、商品の品質等を表すものとみるべき特段の事情を見いだせないものである。
そうすると、引用商標1は、その構成中の「TOSS」の欧文字が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、該文字部分をもって取引に資されるということができるから、引用商標1から「TOSS」の文字部分を抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。
したがって、引用商標1は、「TOSS」の文字部分に相応して「トス」の称呼及び「軽く投げる」という観念を生ずるものである。
イ 引用商標2
引用商標2は、「TOSSジュニア検定」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成からは、「TOSS」の欧文字と「ジュニア検定」の片仮名及び漢字からなるものと容易に看取されるものである。
そして、引用商標2の構成中の「TOSS」の欧文字は、上記アの引用商標1の認定と同様に、「軽く投げる」という意味を有する英語として一般に広く親しまれた語であり、また、構成中の「ジュニア検定」の文字は、「ジュニア」の文字が「年少者。初級の。」の意味を有する語であることから、「年少者に係る又は初級の検定」ほどの意味合いを認識する語であるところ、これらの語を組み合わせた引用商標2は、商標全体として、特定の意味合いを生ずるものではないことから、「TOSS」と「ジュニア検定」の文字を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないものである。
さらに、引用商標2の構成中の「ジュニア検定」の文字について、別掲5のとおり、年少者を対象とした検定試験を「ジュニア(○○)検定」と称している事実がある。そして、上記アで述べたとおり、各検定試験の対策用に学習事項を内容とする教材が、テキスト(書籍)のみならず、DVD、コンピューター・スマートフォン・携帯用液晶画面ゲーム機用ソフトウェア又はアプリケーションソフトウェア等で販売されている事実が見受けられることからすれば、「ジュニア検定」の文字は、指定商品の内容を表したものと理解され、自他商品識別標識としての機能が弱いといえるものである。
加えて、「TOSS」の文字は、引用商標2の指定商品との関係において、商品の品質等を表すものとみるべき特段の事情を見いだせないものである。
そうすると、引用商標2は、その構成中の「TOSS」の欧文字が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、該文字部分をもって取引に資されるということができるから、引用商標2から「TOSS」の文字部分を抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。
したがって、引用商標2は、「TOSS」の文字部分に相応して「トス」の称呼及び「軽く投げる」という観念を生ずるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲1のとおり、「TOSS」の欧文字からなるものであり、引用商標は、「TOSS子ども検定」又は「TOSSジュニア検定」の文字からなるものであるところ、両商標は、「TOSS」の欧文字部分を共通にするものであるから、外観において近似した印象を与えるものである。
次に、本願商標及び引用商標は、上記(1)及び(2)のとおり、「トス」の称呼及び「軽く投げる」という観念を生ずるものであるから、両商標は「トス」の称呼及び「軽く投げる」という観念を同一にするものである。
そうしてみると、本願商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与えるものであり、かつ、称呼及び観念において同一のものであるから、両商標は相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
以上からすれば、本願商標は、引用商標に類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(4)請求人の主張について
請求人は、引用商標は、その外観及び称呼からみて、一体不可分の商標として認識される旨主張する。
しかしながら、引用商標中の「TOSS」の欧文字と「子ども検定」又は「ジュニア検定」の文字とは、上記(2)ア及びイのとおり、異なる文字の種類で表されているものであり、商標全体として特定の意味合いを生ずるものではないことに加えて、「子ども検定」及び「ジュニア検定」の文字は、自他商品識別標識としての機能が弱いといえるものであるから、外観上及び観念上、構成全体を一体のものとしてみることができないものであり、「TOSS」の欧文字と「子ども検定」又は「ジュニア検定」の文字とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない。そして、以上の判断を左右する特段の事情は見いだせない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
さらに、請求人は、登録例を挙げて、本願商標もこれと同様に登録されるべきである旨主張しているが、本願商標と登録例は商標の構成等において相違し事案を異にするものであるから、同一に論ずることは適切ではなく、また、そもそも商標の類否判断は、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品の取引の実情等を考慮し、本件の事案に即して本願商標と引用商標とを対比することにより、個別具体的に判断されるべきものであって、過去の登録例等の判断に拘束されるものではないから、この点についての請求人の主張も採用できない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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