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Trademark Appeal Case

だしの力の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−7470(T2015−7470/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、「だしの力」及び「だしのチカラ」の文字を二段に横書きしてなり、第29類及び第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成26年6月27日に登録出願され、指定商品については、当審における平成27年12月7日付け手続補正書により、第29類「かつお節,削り節」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、「本願商標は、その構成中の『だし』の文字が『出し汁』の略を意味し、その指定商品との関係においては、商品の品質を表し、また、『力』の文字が、『効能』等を意味する語として親しまれていることから、商標全体からは『だしの効能を有する商品』程の意味合いを理解させるものである。そして、『だしの力』及び『だしのチカラ』の文字は、味を高める効果があることを表すものとして普通に使用されていることから、本願商標をその指定商品に使用しても、本願商標に接する取引者・需用者は、上記意味合いを認識するにとどまり、商品の効能、品質を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権による証拠調べをした結果、別掲2((2)イ(エ)を除く。)に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成27年10月27日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨

請求人は、前記3の証拠調べ通知に対し、平成27年12月7日付けで手続補正書及び意見書を提出し、指定商品を、前記1のとおり、「かつお節,削り節」に補正し、要旨以下のように主張した。

証拠調べ通知書で挙げられた各事実からは、いずれも、「出し汁」と「出し汁を使った調味料や料理」に関する証拠であり、「出し汁」を作る原料としても使用される「かつお節,削り節」についてのものではないから、指定商品「かつお節,削り節」について、「だしの力」が「かつお節や削り節」の効能を表す言葉として普通に用いられている証拠はなく、「かつお節や削り節から旨味成分が抽出された出汁がかつお節や削り節の旨味を有する商品」であるとしても、「かつお節や削り節が出汁の旨味を有する商品」であることは原理上ありえないから、本願商標をその指定商品である「かつお節,削り節」に使用したとしても、需要者、取引者が「かつお節,削り節」を「出汁の効能を有する商品」と認識することはありえないことは明らかである。したがって、本願商標は、その指定商品の効能、品質を直接的かつ具体的に表すとはいえないものであり、これらのみでは、商標法第3条第1項第3号の根拠とはならない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について

本願商標は、別掲1のとおり、「だしの力」及び「だしのチカラ」の文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中、「だし」の文字は、本願指定商品との関係において、「鰹節・昆布・椎茸しいたけなどを煮出した汁」(広辞苑第六版)を意味する「出し汁」の略語を直観し、また、「力」及び「チカラ」の文字は、「効能」の意味を有する語として親しまれていることから、商標全体として、「だしの効能」ほどの意味合いを容易に理解するものである。

そして、「だし」は、別掲2(1)に記載のとおり、その中に旨み成分を有し、それによって料理の素材のおいしさを際立たせる効能又は料理全体をおいしくする効能を有するものとして一般に知られ、料理に活用されており、また、その旨み成分を煮出すための原材料の一つとして、本願指定商品が使用されることが一般に知られているところ、「だしパック」等の旨み成分を煮出して「だし」をとるための商品及び本願指定商品を取り扱う分野において、「だしの力」又は「だしのチカラ」の文字が、「料理の素材のおいしさを際立たせる効能」又は「料理をおいしくする効能」という意味合いで使用されていることが、例えば、別掲2(2)で示したインターネット上のウェブサイト及び新聞記事の情報によって認めることができる。

そうすると、「だしの力」及び「だしのチカラ」の文字からなる本願商標は、その指定商品「かつお節,削り節」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「料理の素材のおいしさを際立たせる効能又は料理をおいしくする効能がある」商品であることを理解、認識するにすぎず、単に商品の効能、品質を普通に用いられる方法で表示するものというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、食品や飲料等を扱う業界においては、「原料等の普通名称」と「の力」との語を組み合わせてなる商標は、直ちに特定の商品の品質等を直接的かつ具体的に表示したものであるとはいえず、同様の構成の商標が多数登録されていることからも、本願商標も商標登録を受けることができるものであり、また、証拠調べ通知に示された用例は、「出し汁」と「出し汁を使った調味料や料理」に関するものであるから、本願商標が商品の品質を直接的に示した根拠とはならない旨主張する。

しかしながら、出願商標が自他商品の識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、請求人の挙げる登録例等の存在により、本願商標についての上記判断が左右されるものではない。

また、「だしの力」及び「だしのチカラ」の文字は、「出し汁」と「出し汁を使った調味料や料理」に関する分野のみならず、本願指定商品を取り扱う分野においても、「料理の素材のおいしさを際立たせる効能」又は「料理をおいしくする効能」の意味合いで使用されていることは、上記(1)で述べたとおりであるから、本願商標は、その指定商品の効能、品質を表したものと認識されるというべきである。

したがって、請求人の上記主張は採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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