結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2014−300737(T2014−300737/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5255220号商標(以下「本件商標」という。)は、「American&Ficth」の文字を標準文字で表してなり、平成20年3月3日に登録出願、第9類「アメリカ製の被服,アメリカ製のガーター,アメリカ製の靴下止め,アメリカ製のズボンつり,アメリカ製のバンド,アメリカ製のベルト,アメリカ製の仮装用衣服,アメリカ製の運動用特殊衣服」を指定商品として、同21年8月7日に設定登録がされたものである。
本件審判の請求の登録は、平成26年10月7日にされている。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)取消理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである。
(2)弁駁の内容
ア 乙第1号証について
乙第1号証は、「第5255220号商標商品のカタログ」とするものであるところ、本号証は、2ページからなり、上部中央に及び下部左側に本件商標「American&Ficth」の文字が表されているものの、通常のA4サイズの印刷用紙に表のような枠を記載し、その中に被服等の写真を貼り付けたのみの形式である。「American&Ficth」の表示が何についての標章であるか、つまり、この「表」の標章であるのか、「被服の写真」の標章であるのか、「被服」の標章であるのか判別できず、本件商標の使用の事実を確認できない。1ページ目と2ページ目の枠はそれぞれ形も大きさも異なり、写真の下に数字の記載があるものとないものがあり、文字のフォントも全く揃っておらず、これは、単に被服を写した写真を枠の中に貼り付けて表題を付しただけの、コンピュータを使えば誰でも簡単に作成可能な「表」にすぎず、提供者の記載もなく、「商品カタログ」の体をなしていないものである。
また、日付の記載がないため、これが本件審判請求の登録前3年の期間に作成されたものか不明であり、商標法第50条第1項に沿って採用されるべきものであるか判断することができない。さらに、出典に関する記載もないことから、これが被請求人との関係で、その商品を表したものかが全く不明であり、使用の事実を判断することはできない。
以上のことから、乙第1号証は、被請求人による本件商標の使用を裏付ける証拠とはいえず、また、その信憑性に欠けることから、本件商標の使用証拠として採用することはできないものである。
イ 乙第2号証について
乙第2号証は、証拠方法の内容として「ヤフーオークション使用事実証明書類」と記載されているにもかかわらず、その内容が正しくないため、その意図について理解ができない。以下のとおり、全く関係のない資料が含まれるため、そもそも証拠方法として瑕疵があり、採用できるものではない。
請求人は、本件商標の登録異議申立事件(異議2009−900422)に係る平成22年2月8日付け手続補正書(甲第3号証)の内容をその写しを入手して確認した上で、以下のとおり主張する。
1ページ目は、異議2009−900422に係る平成22年2月8日付け手続補正書の副本の写しである。これは、本件審判の被請求人が作成し、提出したものではなく、異議2009−900422の異議申立人(本件審判請求人の子会社)が提出したものであるため、本件審判の被請求人の意思によって、その商標の使用を立証するものではない。また、「ヤフーオークション」とも何ら関連がなく、本件商標の使用証拠として採用できるものではない。
2ないし5ページ目は、上記異議2009−900422に係る手続補正書の証拠資料である。2ページ目は、「http://www.mogan.com.tw」に係るインターネットページの写しであり、右下に2010年2月2日の日付が表示されており、本件審判請求の登録前3年の期間内のものではない。また、当該ページは台湾に本部事務所を置く通販サイトである。仮に、台湾が発信地であるとすれば、本件商標を付した商品が日本国内で販売されていたのか不明であり、本件商標の使用証拠として採用できるものではない。3ないし5ページ目は、「http://auction.atprice.jp」に係るインターネットページであり、「オークション落札相場@price」のサイトである。これも右下に2010年2月2日の日付が表示されており、本件審判請求の登録前3年の期間内のものではなく、本件商標の使用証拠として採用できるものではない。
したがって、本号証の1ないし5ページ目は「ヤフーオークション」と何ら関連がなく、いずれも異議2009−900422の申立人が提出したものであって、本件審判の被請求人自身がその商標の使用を立証するに足る資料ではない。
6ないし7ページ目は、ヤフーオークションサイトの被請求人に係る出品企業情報のページにすぎず、これによって本件商標の指定商品のいずれかについての本件商標の使用を立証するものではない。
8ないし22ページ目は、ヤフーオークションサイトに係る出品者の評価ページである。被請求人の主張する「2013年10月15日22時22分」という日時も見受けられるが、この資料では、本件商標の表示がなく、評価されている者の表示もないため、何の取引に関する誰への評価なのかが全く不明である。また、評価された日時も判別不能である。よって、本件商標とは無関係の資料であり、その使用証拠として採用できるものではない。
なお、乙第2号証は、異議2009−900422の異議申立人が提出した証拠に加え、6ページ以降は本件審判請求の登録後に付加しているにもかかわらず、あたかも過去に存在していた証拠として提出している。また、その左上には本審判請求の登録後の日付が付されており、商標法第50条第1項の判断の対象となる証拠には該当しない。
以上のことから、乙第2号証も、被請求人による本件商標の使用を裏付ける証拠とはいえず、本件商標の使用証拠として採用することはできないものである。
ウ 指定商品について
本件商標の指定商品は、「アメリカ製の被服,アメリカ製のガーター,アメリカ製の靴下止め,アメリカ製のズボンつり,アメリカ製のバンド,アメリカ製のベルト,アメリカ製の仮装用衣服,アメリカ製の運動用特殊衣服」であり、全て「アメリカ製」に限定されている。
前述のとおり、そもそも被請求人が提出した証拠書類はいずれも真正な使用証拠として採用されるべきものではないが、万一、審理においていずれかの証拠が使用をうかがわせると判断された場合であっても、被請求人は本件商標に係る商品が「アメリカ製」であることも立証しなければならないところ、それがされていない。乙第1号証及び第2号証中には、商標が表示されているものはあっても、「アメリカ製」であること証明する事実ないし記載が全く含まれていない。
したがって、この観点からも、乙第1号証及び乙第2号証によっては本件商標のいずれの指定商品についても使用を立証できない。
このことは、取消2003−30974号審判(甲第4号証)、また、平成16年(行ケ)第555号の審決取消請求事件(取消2003−30975号審判における審決を取り消したもの)の判決(甲第5号証)においても、指定商品「被服等」が「英国製」であることが厳格に審理されており、本件審判についても同様に、被請求人に対しては、指定商品が「アメリカ製」であることの証明が厳格に要求されるべきである。
エ むすび
上記のとおり、乙第1号証及び乙第2号証のいずれも被請求人による本件商標の指定商品についての使用の事実を証明する証拠としての成立性ないし適格性を欠くものである。また、本件商標の指定商品が「アメリカ製」であることも立証されていない。
したがって、被請求人の本件商標の使用の事実を認定することができないものであり、本件商標の登録は取り消されるべきである。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
本件商標は、2013年10月15日22時22分まで使用している事実があるから、商標法第50条第1項の規定に該当しないものである。
商標法第50条第1項に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
本件審判は、本件商標の登録の取消しを請求されたものであり、これに対し、被請求人は、その指定商品に含まれる「被服」について本件商標を使用している事実があるから、本件審判の請求は成り立たない旨答弁し、乙各号証を提出している。
乙第1号証は、本件商標の商品カタログとするものであるところ、本号証は、2ページからなるものであり、1ページ目には12個の枠内にティーシャツやズボンの写真の画像が表され、2ページ目には12個の枠内にジャンパーやズボン等の写真の画像が表され、各ページの上部中央及び下部左側に「American&Ficth」の文字が表されているが、該証拠の作成者及び作成日を見いだすことはできない。
乙第2号証は、証拠方法として「ヤフーオークション使用事実証明書類」と記載されているものであるところ、その1ページ目から5ページ目は、請求人が提出の甲第3号証をも併せみれば、本件商標の登録異議申立事件(異議2009−900422)に係る申立人提出の平成22年2月8日付け手続補正書の抜粋であり、また、同じく6ページ目及び7ページ目は、ヤフーオークションサイトの被請求人に係る出品企業情報のページであり、8ページ目ないし22ページ目は、ヤフーオークションサイトに係る出品者の評価ページであることが認められ、被請求人が「本件商標は、2013年10月15日22時22分まで使用している事実がある」旨主張することに関連する「2013年10月15日22時22分」という日時の記載、及び乙第1号証1ページ目における「平成22年2月8日 異議009−900422の書類文件 同じ商品名の商品を販売しておりました」の手書きの記載も見受けられるが、該証拠の作成者及び作成日を見いだすことはできず、また、本件商標の使用に係る立証趣旨等を推し量ることもできない。
また、本件商標に係る指定商品は、「アメリカ製の被服,アメリカ製のガーター,アメリカ製の靴下止め,アメリカ製のズボンつり,アメリカ製のバンド,アメリカ製のベルト,アメリカ製の仮装用衣服,アメリカ製の運動用特殊衣服」であり、全て「アメリカ製」の商品に限定されていることから、被請求人は、「アメリカ製の被服」について本件商標を使用している事実を立証しなければならないところ、乙第1号証及び乙第2号証中には、本件商標に相当する標章が表示されているものはあっても、「アメリカ製の被服」であることを証明する事実ないし記載が全く含まれていない。
これらの点に関して、審判長は、「既に提出された証拠によっては、請求人が弁駁書により指摘するとおり、被請求人が商標法第50条第2項に規定する必要な証明をしたものと認めることができない。」旨の暫定的見解を示し、ほかの証拠方法があれば提出されたい旨の審尋を行ったところ、被請求人からは「本件について、これ以上の主張立証するつもりはなく、審理を進めてほしい。」旨の回答があった。
以上によれば、乙第1号証及び乙第2号証によっては、本件商標に係る指定商品中の「アメリカ製の被服」について、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標が使用されたということはできない。
以上のとおり、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品について使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。