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Trademark Appeal Case

「泉」の多義性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−19844(T2015−19844/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「泉」の文字を標準文字で表してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,麦芽及び麦を使用しないビール風味のアルコール飲料,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成26年10月31日に登録出願されたものである。

そして、その指定商品については、当審における同28年3月10日付け手続補正書により、第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん.洋酒,果実酒,酎ハイ,麦芽及び麦を使用しないビール風味のアルコール飲料,中国酒,薬味酒」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『泉』の文字を標準文字を用いて表してなるものであるが、これは我が国においてありふれた氏の一つと認められる。そうすると、本願商標は、単にありふれた氏を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審において通知した拒絶の理由

審判長は、請求人に対し、平成28年2月10日付け拒絶理由通知書で、要旨次のとおりの拒絶の理由を通知した。

指定商品は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、本願の指定商品中「日本酒」の表示については、これまで商標法施行規則別表の第33類に例示し、「泡盛,焼酎,清酒」などを含む日本固有の酒を表す商品表示として採択してきたが、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和28年法律第7号)に基づく「酒類の地理的表示に関する表示基準」(平成27年国税庁告示第19号)により、国税庁長官が「日本酒」を酒類の地理的表示として指定した(平成27年12月25日)結果、地理的表示としての「日本酒」は、国内産米を原料とし、国内で製造された清酒のみに使用できる名称であり、本願の指定商品中「日本酒」の範囲とは異なることから、本願の指定商品中「日本酒」の表示は、現在においては、その内容及び範囲が明確でない表示であるといわざるを得ないものである。

したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。

4 当審の判断

(1)商標法第6条第1項について

本願は、その指定商品について、上記1のとおり補正された結果、商品の内容及び範囲が明確なものになった。

その結果、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備するものとなった。

(2)商標法第3条第1項第4号について

本願商標は、上記1のとおり、「泉」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、姓氏の一つであるとしても、「地中から湧き出る水または湯。また、その場所。」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の意味を有する語として、一般に親しまれているものである。

また、当審において職権をもって調査したところ、北海道芦別市泉、宮城県仙台市泉区、千葉県柏市泉、神奈川県横浜市泉区、静岡県熱海市泉、富山県氷見市泉、岡山県総社市泉、福岡県春日市泉等、全国各地に「泉」という地名が多数あることが認められる。

そうすると、本願商標は、姓氏の一つである「泉」のみを想起させるものとはいえず、上記した複数の意味合いを想起させるものであるから、単にありふれた氏を普通に用いられる方法で表したものと認識させるものとはいえない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願が商標法第6条第1項の要件を具備しないとして当審において通知した拒絶の理由は解消し、かつ、本願商標は、同法第3条第1項第4号に該当するものではないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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