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Trademark Appeal Case

KIZARAとZARAの称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900175(T2015−900175/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5745026号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5745026号商標(以下「本件商標」という。)は、「KIZARA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成26年3月20日に登録出願、第16類「紙製包装容器,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」を指定商品として、同27年1月21日に登録査定、同年2月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第2467891号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:「ザラ」と「ZARA」の文字を上下二段に書してなる商標

登録出願日:平成2年6月1日

設定登録日:平成4年10月30日

書換登録日:平成16年9月22日

指定商品 :第25類「被服」ほか、第16類、第20類、第21類、22類及び第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

2 国際登録第973064号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:「ZARA」

国際商標登録出願(事後指定)日:2010年(平成22年)7月20日

設定登録日:2012年(平成24年)3月16日

指定商品 :第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品

3 国際登録第706028号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:「ZARA」

国際商標登録出願(事後指定)日:2000年(平成12年)4月26日

設定登録日:2001年(平成13年)9月28日

指定商品及び指定役務:第20類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務

4 国際登録第834842号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の構成:「ZARA HOME」

国際商標登録出願日:2003年(平成15年)9月17日

優先権主張:スペイン 2003年(平成15年)年3月17日

設定登録日:2007年(平成19年)7月6日

指定商品及び指定役務:第3類、第4類、第5類、第6類、第8類、第9類、第11類、第12類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、22類、第24類、第25類、第26類、第27類、第28類、第34類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務

なお、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という場合がある。

第3 登録異議の申立ての理由(要旨)

申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。

<申立ての理由>

本件商標は、「KIZARA」の英文字からなるものであるのに対し、引用商標1は、「ZARA」の英文字及びその振り仮名と認められる「ザラ」の片仮名文字を二段書きにしてなるものであり、引用商標2及び3は、「ZARA」の英文字からなるものであり、引用商標4は、「ZARA HOME」の英文字からなるものである。

申立人は、世界最大の売上を誇るスペインのアパレルメーカーであり、引用商標1ないし3の「ZARA」はその基幹ブランドである。1975年から、「ZARA」を立ち上げ、スペインに1号店をオープンしたのを始めとして、ヨーロッパ、アメリカ、アジアと世界中に進出し、世界85か国に約1800店舗を展開している。

申立人のグループ全体の売上高は約1兆4000億円(2012年時点)であるが、その3分の2を「ZARA」が占めている(甲11、甲12)。

申立人は、アパレル分野にとどまらず、インテリア用品、バス用品、キッチン用品、各種雑貨用品等について、2003年から、引用商標4の「ZARA HOME」を立ち上げ、世界60カ国で440を超える店舗を展開している(甲11、甲14〜甲16)。

我が国においては、1997年に日本法人である株式会社ザラ・ジャパンを設立し、1998年に「ZARA 渋谷店」を第1号店舗としてオープンしたのを始めとして、80店舗以上の出店をしている(甲11、甲12)。また、2013年4月には、ホームインテリア専門店として、「ZARA HOME」についても出店を開始し、全国に展開している(甲15)とともに、2015年5月にはオンラインショップも開始している(甲16)。

そうすると、引用商標1ないし4は申立人の業務に係る商品について世界的に使用されてきたものであって、本件商標が出願された2014年3月20日の時点には、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、また、その商品の分野も超えて、我が国を含む世界各国の需要者の間で広く認識されていた著名商標というべきものである。

そして、本件商標は、著名な引用商標1ないし4における「ZARA」の部分をその構成中に含んでおり、また、本件商標に係る指定商品は、引用商標1ないし4に係る指定商品と類似のもの又は同じ区分に属するものを有し、特に、引用商標4に係るインテリア用品、各種雑貨用品等の商品分野は、本件商標に係る第16類の指定商品と分野が共通しているものであるから、本件商標は、引用商標1ないし4と出所について混同を生ずるおそれがあるものである。

以上のことから、著名である引用商標1ないし4における「ZARA」の英文字をその構成中に含む本件商標が、本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)引用商標の周知性について

申立人の主張及びその提出した証拠(甲11〜甲13、甲15、甲16等)によれば、以下の事実が認められる。

申立人は、スペインのアパレルメーカーであり、「ZARA」は、申立人が展開するファッションブランドである。申立人は、1975年に「ZARA」を立ち上げ、スペインに1号店をオープンし、その後、ヨーロッパ、アメリカ、アジアと世界中に進出し、世界85か国に約1800店舗を展開しており、1997年には、日本法人である株式会社ザラ・ジャパンを設立し、1998年に「ZARA 渋谷店」を第1号店舗としてオープンした。

2013年3月時点において、日本における「ZARA」の直営店は、各地に80店舗以上あり、「被服」を販売するこれらの店舗には、「ZARA」の文字が表示されている。

そして、2012年の申立人のグループ全体の売上高である約1兆4000億円のうちの、3分の2を「ZARA」ブランドが占めていること等からすれば、引用商標1に含まれ、又は引用商標2及び引用商標3を構成する「ZARA」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国においても申立人の業務に係る商品「被服」を表すものとして相当程度知られていたことが推認されるものである。

また、提出された証拠においては、引用商標4の「ZARA HOME」については、甲第11号証、甲第14号証ないし甲第16号証が提出されているものの、これらによっては「ZARA HOME」が周知であるとはいえないものであるから、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国において申立人の業務に係る商品を表すものとして相当程度知られていたものとは認められないものである。

(2)本件商標と引用商標の類否について

ア 本件商標

本件商標は、上記1のとおり「KIZARA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、同書、同大で一語として表されているものの、辞書等に記載がないことから、一種の造語として理解されるものである。

そうすると、本件商標は、ことさらに、その構成中の「ZARA」の文字のみに着目し取引に資されることはなく、その構成全体をもって出所を表示する標章として認識されるものとみるのが相当である。

してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「キザラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものというべきである。

イ 引用商標

引用商標1は、「ザラ」と「ZARA」の文字とを上下二段に書してなるものであり、引用商標2及び引用商標3は、「ZARA」の欧文字からなるものであり、引用商標4は、「ZARA HOME」の欧文字からなるものである。

そして、引用商標1に含まれ、又は引用商標2及び引用商標3を構成する「ZARA」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国において申立人の業務に係る商品「被服」を表すものとして相当程度知られているものと認められるから、両文字からは、申立人の使用するブランドとしての「ZARA」の観念が生じるものというのが相当である。

そうすると、引用商標1ないし引用商標3については、その構成文字に相応して「ザラ」の称呼を生じ、申立人の使用するブランドとしての「ZARA」の観念が生じるというべきである。

また、引用商標4は、その構成中の「ZARA」の文字が、申立人の使用するブランドとして理解され、また、「HOME」の文字が「家庭、自宅」等を意味する語であるとしても、その構成全体として特定の意味合いを理解させるものではないから、一種の造語として理解されるものであって、その構成文字に相応して「ザラホーム」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものというべきである。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

(ア)本件商標と引用商標1ないし引用商標3について

本件商標と引用商標1ないし引用商標3は、外観においては、本件商標が「KIZARA」の文字からなるのに対し、これらの引用商標は、「ザラ」又は「ZARA」の文字からなり、「ZARA」の文字が一部共通であるとしても、その構成文字及びその文字数において明らかな差異を有し、その印象が異なることから、外観上、明らかに区別できるものである。

次に、称呼においては、本件商標から生じる「キザラ」の称呼とこれら引用商標から生じる「ザラ」の称呼とは、両者は、3音と2音の短い称呼において、語頭の「キ」の音の有無において明らかな差異を有するものであるから、称呼上、明確に聴別できるものである。

そして、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないのに対し、これらの引用商標は、申立人の使用するブランドとしての「ZARA」の観念を生じるものであるから、観念上、相紛れるおそれのないものである。

したがって、本件商標と引用商標1ないし引用商標3とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似しない非類似の商標というのが相当である。

(イ)本件商標と引用商標4について

本件商標と引用商標4は、外観においては、本件商標が「KIZARA」の文字からなるのに対し、引用商標4は「ZARA HOME」の文字からなるものであって、両者は、語頭の「KI」の2字及び「HOME」の文字の有無の差異を有するものであって、外観上、明らかに区別できるものである。

次に、称呼においては、本件商標から生じる「キザラ」の称呼と引用商標4から生じる「ザラホーム」の称呼とは、両者は、語頭の「キ」の音及び語尾の「ホーム」の音の有無において明らかな差異を有するものであるから、称呼上、明確に聴別できるものである。

そして、観念においては、本件商標と引用商標4は、ともに特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することができない。

したがって、本件商標と引用商標4とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において明らかに区別し得るものであるから、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(3)出所の混同について

引用商標1ないし引用商標3は、前記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国において申立人の業務に係る商品「被服」を表すものとして相当程度知られているものと認められるものである。

しかしながら、本件商標と引用商標1ないし引用商標3とは、前記(2)のとおり、非類似の商標であり、明らかに相紛れるおそれのない別異の商標というべきであって、かつ、引用商標1ないし引用商標3の周知性を考慮したとしても、商標権者が本件商標をその指定商品「紙製包装容器,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」について使用した場合、申立人の業務に係る商品「被服」とは、商品分野が相当に相違しており、本件商標の指定商品とは、その用途、需要者及び業種等において関連性が強いとはいえないものであるから、これに接する取引者、需要者に引用商標1ないし引用商標3の「ZARA(ザラ)」を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれはないものである。

また、引用商標4は、その著名性は認められず、かつ、本件商標とは非類似の商標であるから、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標4を連想又は想起して、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じるおそれのある商標ということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

2 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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