Trademark Appeal Case
称呼の類否と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2015−900262(T2015−900262/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5763366号商標(以下「本件商標」という。)は,「Mass++」の文字を標準文字で表してなり,平成26年12月18日に登録出願,第9類「理化学機械器具,測定機械器具,電子応用機械器具及びその部品,質量分析装置,ダウンロード可能な質量分析データ解析用ソフトウエア」を指定商品として,同27年4月6日に登録査定,同年5月15日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由として引用する登録第5222428号商標(以下「引用商標」という。)は,「MASS」の文字を標準文字で表してなり,平成20年1月15日に登録出願,第9類「三次元座標測定機」を指定商品として,同21年4月10日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標はその指定商品中,「測定機械器具,質量分析装置」について,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標との類似
本件商標は,欧文字4文字「Mass」と,その右隣へプラス記号を2つ「++」配してなり,文字と記号との異なる2つの要素により構成されたものであり,「Mass」と「++」とは,それぞれが意味上の繋がりや結び付きを一切もたないものであり,また文字部分「Mass」と「++」とは,視覚的に分離したものと認識できる。
また,「++」は単なる記号として認識され,自他商品の識別標識としての機能を発揮し得ないものである。
よって,本件商標の要部は「Mass」であり,「Mass」の文字部分から「マス」の称呼を生じ,「かたまり。密集体。多数。一般大衆。」や「カトリック教会のミサ。」の観念を生じる。
他方,引用商標は,「MASS」の文字からなり,「マス」の称呼及び「かたまり。密集体。多数。一般大衆。」や「カトリック教会のミサ。」の観念を生じる。
したがって,本件商標と引用商標とは,称呼及び観念において同一の商標である。
(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類似
本件商標の指定商品は,第9類「理化学機械器具,測定機械器具,電子応用機械器具及びその部品,質量分析装置,ダウンロード可能な質量分析データ解析用ソフトウエア」である。
一方,引用商標の指定商品は,第9類「三次元座標測定機」である。
したがって,本件商標の指定商品中,第9類「測定機械器具,質量分析装置」は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品中,第9類「測定機械器具,質量分析装置」について,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから,取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は,前記1のとおり,標準文字で「Mass++」と表してなるものであるところ,当該構成は,同じ大きさで等間隔をもって表されており,まとまりよく一体的な構成からなるものとの印象を強く与えるものであるばかりでなく,該文字より生じると認められる「マスプラスプラス」の称呼も無理なく称呼し得るものである。そして,その構成中の「Mass」の文字が,「 (一定の形のない)大きなかたまり」(株式会社研究社発行「新英和中辞典」)の意味を有する英単語であるところ,上記の構成からなる本件商標において「++」の記号部分を捨象して「Mass」の文字部分をもって取引に資されるような事情は見いだせない。
してみると,本件商標は,その構成全体をもって,把握,認識されるとみるのが相当である。
したがって,本件商標は,その構成全体の文字及び記号に相応して,「マスプラスプラス」の称呼のみを生ずるものであって,特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は,前記2のとおり,標準文字で「MASS」と表してなるものであるところ,その構成文字に相応して「マス」の称呼を生じ「 (一定の形のない)大きなかたまり」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは,それぞれの構成に照らし,外観上,判然と区別し得るものといえる。
また,本件商標から生ずる「マスプラスプラス」の称呼と引用商標から生ずる「マス」の称呼とは,構成音数を異にするばかりでなく,「プラスプラス」との音の明確な差異により,それぞれを一連に称呼するときは全体の音感,音調が明らかに異なり,明瞭に聴別することができるものである。
さらに,本件商標は,特定の観念を生じないものであり,「(一定の形のない)大きなかたまり」の観念を生じる引用商標とは,観念上,紛れるおそれはないものである。
以上によれば,本件商標と引用商標は,外観,称呼及び観念のいずれの点についても,互いに紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。
その他,本件商標が実際の取引の実情において,引用商標との間に誤認混同を生ずるような特段の事情は見いだせない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,登録異議の申立てに係る指定商品について,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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