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Trademark Appeal Case

「Polo」の周知性と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成6年審判第4495号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理 由

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」を指定商品とし、平成3年9年3日に商標登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、アメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識として本願出願時には既に著名に至っている「Polo」の文字を含んでなるものであるから、このような商標をその指定商品に使用するときは、該商品があたかも上記他人と何らかの関係がある商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

(1) 本願商標は、外観上全体として一つの統一された結合状態をなしているから、取引者需要者は、文字部分を一緒にして看取把握し、一連に称呼するのを自然とする。

(2) 「Polo」の語は、本願指定商品中に含まれる「ポロシャツ」を連想想起させる普通名称に通じるものであり、これ自体に商標としての識別力はなく、本願においては「Point」と一体になり、初めて所用の商品識別力を具有する。

(3) 「Polo」(ポロ)の語がいわゆるポロ競技を指称し、あるいは「ポロシャツ」を連想想起させる普通名称であって、格別商品識別力を具備する創造語でない以上、ラルフ・ローレンと何らかの関係があるかのごとく商品の出所について混同を生じさせるとは到底認められない。

したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない。

4 当審の判断

(1)「POLO」の周知性について検討する。

(株)講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」 、サンケイマーケティング 昭和58年9月28日発行 「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファツションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフオードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。

そして、(株)洋品界 昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社 1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社 昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー 昭和54年9月発行 別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の表題(商標)の下に紹介されていることが認められる。

他にこれを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需用者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標の出所の混同について

本願商標は、別紙に表示したとおり図形と文字よりなるところ、文字部分は、よく知られた既成の二語よりなることは明らかであって、指定商品との関連においては「Point」の文字は、「視線を引きつけるようにデザイン上強調する部分や焦点のことをポイントという。アクセントと同じような意味で、アクセントのなかでも最も着目すべき部分をいい、そこを強調する場合に使われる。」(昭和63年9月5日、文化出版局発行「服飾事典」)という意味内容を看取させるものである。そして、本願商標の図形部分は、ラルフ・ローレンの使用に係る図形商標と同様、マレットを振り上げたポロ競技者を斜め前方から描写したものであって、「ポロ」の観念を生ずるものというのが相当であるから、当該図形部分と「Polo」の文字部分とは観念を共通にするものである。

そうすると、本願商標は、出所表示機能の強い図形部分と相俟って「Polo」の文字部分も強く印象に残るものといえる。

請求人の主張のように、本願商標を全体としてみても「ポロ(マーク)をポイントとする(強調する)もの」のような「ポロ」を中心とした意味合いの印象に止まるものであって、全体の中に図形や「Polo」の文字が埋没するような関係にはなく、まして「Polo」の文字が普通名称を印象づけるものともならない。

そうすると、本願商標をその指定商品である「被服」等に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その構成中の図形部分及び「Polo」の文字に注目し、前記周知になっているラルフ・ローレンの「Polo」標章を想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

(3)以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

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