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結論

勝訴(請求認容)

商標「SUMCO」の称呼類似と業界周知(第4条第1項第11号|審判不服2015−12833(T2015−12833/J1))

審判番号
不服2015−12833(T2015−12833/J1)
審判種別
不服

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「SUMCO」
争点(論点)
称呼類似と業界周知
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2015−12833(T2015−12833/J1)・不服)は、本件商標「SUMCO」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼類似と業界周知」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第37類「半導体製造装置の修理又は保守,医療用滅菌装置の修理又は保守」を指定役務として、平成26年9月4日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第4955782号商標は、「SUMCO」の文字を標準文字で表してなり、平成17年7月29日に登録出願、「医療用機械器具の修理又は保守,集積回路製造装置の修理又は保守,半導体製造装置の修理又は保守」を含む第37類、第35類、第36類、第38類、第39類、第40類、第41類、第42類、第45類に属する願書に記載した役務を指定役務として、同18年5月26日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、別掲のとおり、青色の角丸四角形内に、ややデザイン化した白抜きの「samco」の文字及びその右側に白色の角丸四角形を配し、該白色の四角形内に、青色の「U」、「P」の文字と黒色の「C」の文字とを組み合わせたとおぼしきモノグラム図形を表した構成からなるものである。

そして、該「samco」の文字は、辞書等に載録されている既成の語ではなく、特定の観念を生じないものであり、また、右側に表されたモノグラム図形からも、特定の観念を生じないものである。

そうすると、本願商標中の「samco」の文字部分とモノグラム図形部分とは、両部分が合わさって特定の意味合いを表すなど、これらが常に一体のものとして把握、認識しなければならない特段の事情を見出し得ず、本願商標に接する取引者、需要者が「samco」の文字部分、又は、モノグラムの図形部分に着目し、取引に資する場合も少なくないというべきである。

してみれば、本願商標は、その構成中の「samco」の文字部分に相応して、「サムコ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

引用商標は、「SUMCO」の文字からなるところ、該文字は、辞書等に載録されている既成の語ではなく、特定の観念を生じないものである。

してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して「スムコ」又は「サムコ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標との類否

本願商標と引用商標とを比較すると、外観においては、本願商標の「samco」の文字部分において、2文字目の「a」の文字と引用商標の2文字目の「U」の文字とに差異を有するものの、その他の綴りを同じくするものであるから、両文字部分においては、外観上、類似するといえなくはないが、両者の全体の外観は、大きく異なるものである。次に、称呼においては、本願商標から「サムコ」の称呼を生じ、引用商標から「スムコ」又は「サムコ」の称呼を生ずるものであって、両者は「サムコ」の称呼を共通にするものであるから、称呼において類似する場合がある。さらに、観念においては、両者はともに特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。

そして、請求人が提出した資料によれば、次の事実が認められるものである。(ア)請求人は2006年5月に、引用商標の権利者であるSUMCO株式会社による引用商標の使用に関して損害賠償等を求めて提訴し、その訴訟の和解時には、訴訟までの経緯や和解内容が、経済誌や業界紙のみならず、全国紙においても報道されたこと。(イ)上記の和解により、「SUMCO」について、「サムコ」や「さむこ」の表記を使わないとされたこと。(ウ)和解から4年間にわたり、経済誌の「週刊東洋経済」に、SUMCO株式会社が、同社と請求人の「サムコ株式会社」とは、資本関係、提携関係など、いかなる関係もない別の会社である旨の広告を掲出し続けたこと。(エ)上記和解後の措置により、両商標の出所主体が異なることについて半導体に関連する業界内で広く知られるようになったこと。

以上の事実を踏まえると、引用商標の「SUMCO」の文字からは、「サムコ」の称呼は生じず、「スムコ」の称呼のみ生ずるといえるものというのが相当であり、また、半導体に関連する業界においては、本願商標中の「samco」の文字と引用商標の「SUMCO」の文字とは、請求人とSUMCO株式会社のそれぞれの商標であることが知られているものといえる。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において、両者は、大きく異なるものであって、観念において、両者は、ともに特定の観念を生じず、また、称呼においては、両者が「サムコ」の称呼を共通にする場合があるとしても、両商標の出所主体が別個のものであることについて、取引者、需要者に知られている状況にあるといえるから、これらを総合してみれば、両商標を同一又は類似の役務に使用したとしても、本願商標と引用商標とは、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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