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Trademark Appeal Case

デザインと使用による識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−11317(T2015−11317/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,平成25年12月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は,「本願商標は,ありふれた氏の一つと認められる『青山』に通じる『AOYAMA』の文字を書してなるものであるから,ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。なお,本願商標の構成中『A』の文字が多少デザイン化されているが,この程度のレタリングは今日通常行われているものであり,これにより一般需要者が格別の強い印象を受けることはないとみるのが相当であるから,本願商標は,『AOYAMA』の文字を,普通に用いられる域を脱しない方法で表したものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第4号に該当する。」及び「本願商標は,『東京都港区西部から渋谷区東部にかけての地区名』を意味する『青山』に通ずる『AOYAMA』の文字よりなるものと認められ,また,本願指定役務との関係においては,『青山』は小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)における取扱商品の産地・販売地として一般に認識されうる土地であると認められるから,本願商標は,単に小売等役務における取扱商品の産地・販売地を普通に用いられる方法で表示するにすぎないもの,すなわち,需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができない商標と認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨,認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は,別掲のとおり,特定の青色の単色で着色した「AOYAMA」の欧文字6文字を横書きした構成からなるところ,この6文字のうち3文字を占める「A」の欧文字は,「Benguiat Gotic(ITC Benguiat Gotic)」と呼ばれる書体(2009年2月5日発行のワークスコーポレーション別冊・書籍編集部編「Font Style Book 2009」)と似ており,「A」の中央部の横線を右下方向に湾曲させて,右斜め線部の下端部分に接続させるという,特徴的な書体からなるものであって,本願商標の構成文字の半分を占めることから,とりわけ看者の目をひき,構成全体にも独特な印象を与える部分であるといえる。

以上のことからすれば,本願商標は,その色彩ともあいまって,全体としての特徴を看者に強く印象付けるデザインからなる商標というべきであって,もはや普通に用いられる方法で表示される域を脱しているものといえる。

加えて,請求人は,紳士服を中心とする小売店舗「洋服の青山」を全国的に展開する企業であり,その店舗数は平成26年9月末現在で777店舗に及び,さらにその紳士服の売上げは平成26年第2四半期だけでも約700億円にも達する(第5号証)ところ,本願商標は,請求人に係る店舗の看板や商品のチラシ・カタログ及びウェブサイト等において既に使用されていることが認められるから(第6号証及び第7号証,第9号証ないし第24号証),本願商標に係る商品の取引者,需要者にも相当程度知られているものと推認することができる。

そうすると,たとえ,「AOYAMA」の欧文字が,「東京都港区西部から渋谷区東部にかけての地区名。」ないし「姓氏の一つ。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味する「青山」の欧文字表記であることを想起させる場合があるとしても,本願商標は,上記のとおり,全体としての特徴を看者に強く印象付けるデザインからなる商標というべきであって,普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということはできず,その構成全体をもって印象付けられる商標として,需要者に認識されるものというべきである。

してみれば,本願商標は,これをその指定役務に使用しても,自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであるというのが相当である。

したがって,本願商標が商標法第3条第1項第4号及び同項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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