結論テキスト
審判費用は,請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2013−301106(T2013−301106/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5015979号商標(以下「本件商標」という。)は,「魔法瓶」の文字,「魔法ビン」の文字及び「魔法びん」の文字を三段に横書きしてなり,平成18年7月25日に登録出願,第25類「被服,履物」及び第27類「敷物」を指定商品として,平成19年1月5日に設定登録されたものである。
なお,本件審判の請求の登録は,平成26年1月17日にされている。
請求人は,本件商標の指定商品中,第25類「エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」について,その登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
本件商標は,その指定商品中,上記商品について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから,その登録は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(1)被請求人は,本件請求に係る指定商品中「靴下」(以下「使用商品」ということがある。)について本件商標が使用されたとして,乙第1号証(審決注:乙第1号証には,複数の物件が含まれていることから,以下,乙第1号証の4葉目ないし8葉目にある「商品の写真」を「物件1」と,9葉目にある「魔法ビン保温ソックスの販売用チラシ」を「物件2」と,10葉目にある「2013年4月5日付け請求書及び納品書」を「物件3」と,11葉目にある「2013年8月28日付け請求書及び納品書」を「物件4」と,12葉目にある「2013年9月9日付け請求書及び納品書」を「物件5」と,13葉目及び14葉目にある「株式会社ハロッズ(以下「ハロッズ社」という。)のホームページの写し」を「物件6」と,12葉目にある「ハロッズ社の現在事項証明書」を「物件7」という。)を提出している。
乙第1号証の物件1の商品の写真に写っている使用商品の口紙には商品コードの記載がないことから,使用商品と乙第1号証の物件3ないし物件5の請求書及び納品書に「HRD1000−0000」と記載された商品との関連が明らかでない。すなわち,乙第1号証の物件3ないし物件5に示す取引の対象物が使用商品であったかどうか不明である。
(2)乙第1号証の物件3ないし物件5の請求書及び納品書は,いずれも「売上日」として「2013年4月5日」等の記載があるが,いつ作成された文書なのか明らかでないし,必要に応じて随時作成することの可能なものであって,何ら客観的な証明力がないものである。
(3)また,登録商標の使用説明書(乙1)には,「4.商標の使用時期」の欄に「現在も使用中」と記載されているが,2013年9月9日よりも後の使用に係る取引書類は何ら提出されていない。
以上からすれば,平成25年5月31日の送金(乙2)についても,使用商品(乙1の物件1)の購入代金の支払いを含むものであったかどうか,明らかでないといわざるを得ない。
(4)乙第1号証の物件2には,「販売用チラシ」と記載された付箋が貼り付けられているが,末尾に「CONFIDENTIAL 社外秘 ※本書は社内研修用資料です。無断転用を禁じます。」等の記載があり,さらに社内研修会の実施日とみられる「2013年4月12日」の日付が記載されているところに徴すれば,一般取引に用いられる文書といえるものではない。
(1)請求人会社の社員が,本件請求に先立つ平成25年11月28日午後3時頃,本件商標について被請求人会社の社員井上某氏と電話で協議した際,同人は「(被請求人会社は)現在は,靴下に(本件商標を)使用していないが,ウェアなどに使用している。」と述べていた(カッコ内は請求人において追加)。
(2)被請求人提出に係る請求書等(乙1の物件3ないし物件5)はそれぞれ2013年4月5日,同年8月28日,同年9月9日の日付が記入されている会計ソフト「弥生」用の用紙で,その右余白は白無地であるところ,同時期である同年4月23日付の「請求書等」(乙3)の余白には,「332001 納品書 弥生株式会社 不許複製」の文字が印刷されているという齟齬がある。
したがって,これらが,同一メーカーの商品であって,同一時期に作成されたものとはにわかに信じ難い。
(3)乙第3号証の請求書等については,請求の対象が「その他商品検品代金」と記載されているが,このような「商品コード,商品名」に係る項目が取引文書に記載される理由は理解し難く,単に,預金通帳(乙2)との帳尻を合わせるために作成されたものと推測するほかない。
(4)乙第1号証の物件3ないし物件5の請求書等のそれぞれ第1行目「金額」欄の値(乙1の物件3においては「60,160」)は,数量に単価を乗じて算出される税抜きの金額であり,末尾の「摘要」欄に別途税額(同「3,008」)が記載されている。
一方,乙第3号証の請求書等においては,「金額」欄に「530,732」と印字されているが,これは「総額」欄の金額「530,732」と同じ,すなわち税額欄に記載された金額「25,272」を含む税込みの金額である。
また,乙第3号証において,単価505,460円に対する消費税額は25,273円であるから,「25,272」との記載は誤っている。
このような齟齬がみられる以上,格別の説明なしに,同一会計ソフトを用いて同時期に作成された文書であると信ずることは困難である。
(5)乙第1号証の物件3について請求書と納品書とでは印刷位置がずれている。「弥生」製品である請求書・納品書はA4サイズ1枚のものであり,一方のみがずれることはないはずである。
(1)甲第6号証 井手氏作成の証明書(平成26年9月29日付け手続補正書として提出)
請求人会社社員,井手氏が,平成25年11月28日に,被請求会社の社員と電話で協議した際,同人が本件登録商標の使用状況について「現在は,靴下に本件商標を使用していない。」と述べていたことを明らかにする。
(2)証人 井手氏
尋問事項
ア 職業について
イ 平成25年11月28日の電話会談の内容について
ウ その他関連事項について
被請求人が提出した平成26年9月18日付け上申書に対する意見
(1)被請求人が上申書において言及されている電話は平成25年11月25日になされたものであって,同年11月28日の電話ではない。平成25年11月28日の電話の内容は,甲第6号証のとおりである。
(2)請求書,納品書は納品先が受領し保管しているべきものであり,提出された証拠を被請求人が保管していたものの写し等であるとすると,「控え」の記載もなく,保管用の書類に社角印がなされているのは,商取引慣行からみれば違和感がある。また,これらを納品先が受領し保管していたものであるとすると,受領印,サイン,メモがなされるのが通常であるところ,そのような形跡もない。
(3)乙第1号証の物件3は「請求書・納品書No.00163033」である。会計ソフト「弥生」の請求書と納品書は1枚のもので一体として印刷されるにもかかわらず,請求書と納品書の印刷位置が横方向に大きくずれることは不自然である。
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由及び上申の内容を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第12号証を提出した。
(1)本件商標は,請求に係る指定商品中の使用商品について使用されている(乙1の物件1)。本件商標の商標権者(以下「商標権者」という。)が販売する使用商品の口紙及び販売用チラシ(乙1の物件2)には本件商標と同一の商標である「魔法ビン」が付されていることから,使用商品について本件商標を使用していることは明らか。
(2)商品の販売の事実
本件商標を使用した使用商品は,2013年4月5日付け請求書等(乙1の物件3),2013年8月28日付け請求書等(乙1の物件4),2013年9月9日付け請求書等(乙1の物件5)により,ハロッズ社に対し,それぞれ80足,300足,100足販売されたことがわかる。
なお,上記請求書の代金は,請求書の摘要欄に記載されたとおり,商標権者に対するハロッズ社の債権額と相殺して支払われた。例えば,2013年5月31日に,商標権者が29,701,839円をハロッズ社に振込んだが(乙2),これは商標権者がハロッズ社に対し有する同月の他の債権530,732円(伝票No.00163659:乙3)と使用商品についての前記代金63,168円(伝票No.00163033:乙1の物件3)との合算額593,900円と,ハロッズ社が商標権者に対し有する同月の債権30,296,474円(乙4)との間で相殺がなされた結果である。なお,差額の735円は,銀行の振込手数料420円と商標権者の社内で定める振込手数料300円+消費税15円とからなる金額である。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者により,本件請求に係る指定商品中の「靴下」について使用されているものであるから,本件商標の登録は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきではない。
(1)平成25年11月28日の電話は,被請求人会社副社長の井上氏から請求人会社にされたものであり,本件商標を被請求人会社が保有しているにもかかわらず,請求人会社が靴下などに使用していたため(乙5),その事実に対する見解を問い合わせたものである(請求人会社の電話対応者であるタカギ某氏は本件について親会社と検討すると返答した)。
その際,被請求人は,「この時期(平成25年11月末頃)は靴下への使用の量は少ないが,ウェアには沢山使用している。」とは述べたかもしれないが,当該電話の趣旨に照らしても,「使用していない」や「使用を中止した」などと述べたことは無く,述べるはずもない。
いずれにしても,当該電話の内容は,本件答弁書の使用証拠とは直接関連しないものであるが,事実を明確にするためにあえて上記の通り説明する。
(2)請求書等の文字の齟齬
これは当該請求書等をコピーする際に,右端の文字がコピー機の複写範囲に掛かって消えたものであり,一枚一枚を中央に置いて再度コピーしたものを乙第6号証ないし乙第11号証として提出する。また,これら請求書等の原本は現在,代理人が保管しているのでその全景写真を乙第12号証として提出する。
(3)「その他商品検品代金」の記載
乙第3号証の請求金額は,その記載どおり「検品代金」であって,ハロッズ社の検品業務を代行することもある被請求人が,その役務の代金を請求したものである。したがって,代行役務である「検品代金」は記載しても検品対象商品を一々記載せず「その他商品」と記載しても何の不思議もない。
(4)消費税額の記載
請求人は乙第1号証の物件3ないし物件5の請求書では税抜の金額の横に税額が記載され,同様に乙第3号証の請求書にも単価505,460円の横に税額25,272円かあるが,当時の消費税額5%を単価に乗じた金額は25,273円であり,齟齬があると主張するが,本件代金は上記の通り,検品代金であり,被請求人が更に検品業務を外注している先からの請求額が,消費税を含んだ530,732円であったため,これを割り返して単価と税額を算出したものである。この際,単価は505,459.0476190476円と端数が生ずるため切り上げて505,460円とし残りの25,272円を消費税分としたものであってなんら齟齬は無い。
(5)印刷位置のずれ
乙第1号証の物件3の請求書と納品書とで印刷位置がずれているとの主張は,伝票No.00173018を指しているのであれば,そのずれ量は1ミリ程度であって,プリンターの印字誤差範囲である。
証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実を認めることができる。
(1)乙第1号証の物件1の商品の写真には「靴下」が掲載され,当該「靴下」に付された口紙(以下「商品の口紙」という。)には,その表面の上段より,「魔法ビン(右下に,登録商標であることを示すものと認められる円の中に『R』の文字が付されている。以下,この文字を『(丸「R」)』という。)/保温/ソックス」,「魔法ビン(丸「R」)/効果」,「遠赤外線/効果」,「抗菌/防臭」などの文字が表示され,同裏面には「品質」として材質やサイズ等の表示のほか,「発売元/Goodsman 株式会社グッズマン」などの文字が表示されている。
(2)納品書及び請求書
ア 乙第1号証の物件3,乙第6号証及び乙第7号証は,売上日を2013年4月5日とする商標権者からハロッズ社に宛てた納品書及び請求書であるが,当該納品書及び請求書には,「商品コード/商品名」,「数量 単位」,「単価」,「金額」,「摘要」,「合計」及び「税額」の欄に,それぞれ「HRD1000−0000 魔法瓶保温ソックス」,「80足」,「752」,「60,160」,「次回お支払いより相殺致します」,「60,160」,「3,008」及び「63,168」の記載がある。
イ 乙第3号証は売上日を2013年4月23日とする商標権者からハロッズ社に宛てた納品書及び請求書であるが,当該納品書及び請求書には,「商品コード/商品名」及び「金額」の欄に,それぞれ「その他の商品検品代金」及び「530,732」の記載が,同じく「摘要」,「合計」,「税額」及び「総額」の欄に,それぞれ「次回お支払いより相殺致します」,「505,460」,「25,272」及び「530,732」の記載がある。
ウ 乙第4号証は「2013年4月30日 締切分」と記載されたハロッズ社から商標権者に宛てた請求明細書であるが,当該請求明細書には「今回請求額」の欄に「30,296,474」の記載がある。
(3)被請求人とハロッズ社との間の代金支払いについて
乙第2号証は,商標権者の普通預金通帳の写しであるが,当該預金通帳の写しの7行目には,それぞれ,「25−5−31」,「振込」,「29,701,839」,「W21 カ)ハロツズ」と記載されているところ,当該振込額は,ハロッズ社から商標権者に宛てた2013年4月取引分である上記(2)ウの請求明細書(乙4)における「今回御請求額」欄の「30,296,474」円と,商標権者からハロッズ社に宛てた2013年4月取引分である上記(2)ア及びイの請求書におけるそれぞれの「総額」欄の「63,168」円及び「530,732」円に,被請求人の主張する銀行の振込手数料(420円)と商標権者の社内規定の振込手数料(300円+消費税15円)を合計した金額とで相殺した額と一致するものである。
(1)上記1(1)により,商標権者は,本件請求の取消しに係る指定商品中,「靴下」について,「魔法ビン」の文字よりなる商標(以下「使用商標」という。)を付していたと認められる。
そして,本件商標は,「魔法瓶」,「魔法ビン」及び「魔法びん」の文字を三段に横書きしてなるところ,使用商標は,本件商標の二段目と構成文字を同じくし,一段目及び三段目とは「マホウビン」の称呼及び「魔法瓶」の観念を同じくするものであるから,本件商標と使用商標とは,社会通念上同一の商標と認められる。
(2)上記1(2)アの納品書及び請求書に記載された商品名「魔法瓶保温ソックス」は,上記(1)の商品の口紙に表示された「魔法ビン(丸「R」)/保温/ソックス」と,「瓶」と「ビン」の文字の違いはあるものの実質的に同一といえることから,当該納品書及び請求書は,上記(1)の写真に掲載された商品「靴下」の取引書類と推認して差し支えない。
(3)上記1(3)の商標権者の普通預金通帳の写しの7行目の記載には,「25−5−31」,「振込」,「29,701,839」及び「W21 カ)ハロツズ」記載されているところ,上記1(2)ア及びイの商標権者からハロッズ社に宛てた請求書の売上日が共に2013年(平成25年)4月であること及び「摘要」欄の「次回お支払いより相殺致します」の記載があること,また,上記1(2)ウのハロッズ社から商標権者に宛てた請求明細書が「2013年4月30日 締切分」であること,社内規定の振込手数料ついて,これが不自然といえる金額ではないこと,金額に齟齬がないことから,被請求人の主張について不自然な点はなく,これより,商標権者とハロッズ社との間の上記1(2)アの納品書及び請求書に係る商取引が平成25年4月に実際に行われ,その代金の精算が平成25年5月31日に行われたと推認できる。
(4)小活
以上によれば,本件請求の登録の前3年以内である2013(平成25年)年4月に,商標権者である被請求人が,本件請求の取消しに係る指定商品中「靴下」について,本件商標と社会通念上同一と認められる「魔法ビン」の文字よりなる商標を付し,大阪狭山市に所在のハロッズ社に譲渡したものと推認することができる。
(1)請求人は,商品の口紙には商品コードの記載がなく,「HRD1000−0000」と記載された請求書等(乙1の物件3ないし物件5)に記載の商品との関連が明らかでないことから,当該請求書等に示す取引の対象物が使用商品(乙1の物件1)であったかどうか不明である旨主張する。
しかしながら,請求書等(乙1の物件3ないし物件5)に記載された商品コード「HRD1000−0000」は,一般的に業者間の取引において,取引書類上に記載される場合があったとしても,商品の口紙に必ずしも表示しなければならないものではないから,本件において,商品の口紙(乙1の物件1)に商品コード「HRD1000−0000」の記載がないとしても,上記2(2)のとおり,乙第1号証の物件3の納品書及び請求書により取引された商品は,乙第1号証の物件1の商品の写真に掲載された使用商品であるとの推認を妨げるものではないというべきである。
したがって,請求人の上記主張は理由がない。
(2)請求人は,請求書等(乙1の物件3ないし物件5,乙3)は,いずれもいつ作成された文書なのか明らかでないし,必要に応じて随時作成することの可能なものであって,何ら客観的な証明力がない旨主張する。さらに,乙第1号証の物件3ないし物件5と乙第3号証とでは,請求書等の余白の「332001 納品書 弥生株式会社 不許複製」の文字の有無,「金額」欄に記載の額が税抜きの金額と税込み金額の差異,乙第3号証の「商品コード,商品名」欄の「その他商品検品代金」の記載が理解し難いこと及び「合計」欄の金額に対応する消費税額が1円誤っている等の齟齬により,格別の説明なしに,これらが,同一会計ソフトを用いて同時期に作成された文書であると信ずることは困難であり,乙第2号証の預金通帳との帳尻を合わせるために作成されたものと推測するほかない旨主張する。
しかしながら,乙第1号証の物件3ないし物件5と乙第3号証との齟齬については,請求書等の余白の「332001 納品書 弥生株式会社 不許複製」の文字の有無は複写する際のコピー機の複写範囲に起因するものとして,乙第1号証の物件3ないし物件5の請求書に対応した乙第6号証ないし乙第11号証が提出された。また,乙第3号証の「商品コード,商品名」欄の「その他商品検品代金」の記載は,被請求人がハロッズ社の検品業務を代行した際の役務の記載であること,消費税額の1円の誤差は,当該検品業務をさらに外注している先からの請求額が,消費税を含んだ額であったため,これを割り返して単価と税額を算出した際の端数を調整したものであることから何ら齟齬がない旨の被請求人の主張に不自然な点は見当たらない。
したがって,請求人の上記主張は理由がない。
(3)請求人は,乙第1号証の物件3について,請求書と納品書とでは印刷位置がずれていることから,当該請求書と納品書は1枚のもので一体として印刷される仕様の会計ソフトにより作成されたものであるにもかかわらず,請求書と納品書の印刷位置が横方向に大きくずれることは不自然である旨主張する。
しかしながら,事前に罫線等のフォーマットが印刷された用紙に,プリンターで印刷する場合,使用したプリンターの用紙送り機能,給紙時の用紙の位置や角度等によって,多少の印字誤差は生じ得るものであって,乙第1号証の物件3についても横方向のずれは僅か1ミリ程度のものであるから,プリンターの印字誤差の範囲内のものといえる。
そして,他に商標権者とハロッズ社との間の取引において作成された取引書類が一般の商取引における取引書類とは異なるものとすべき事情は見当たらず,これを覆すに足りる証拠の提出もない。
(4)平成26年9月12日付け証拠提出書について
平成26年9月12日付け証拠提出書において,請求人は,請求人会社社員が,平成25年11月28日に,被請求人会社の社員(副社長)と電話で協議した際,同副社長が本件商標の使用状況について「現在は,靴下に本件商標を使用していない。」と述べていたことを明らかにするとして,甲第6号証及び尋問事項を提出していることから,請求人は証人尋問を希望していると善解することができる。
しかしながら,請求人が証人尋問において証明しようとする電話での応対は,上記第2の4のとおり,被請求人提出の書証により,商標権者が本件商標を付した使用商品が販売されたことを証明した,平成25年4月よりも後の平成25年11月頃のことであり,仮に電話の内容が証明された場合であっても,この被請求人提出の書証の認定に影響を及ぼすものではないから,当合議体は,証人尋問は要しないと判断した。
そして,当該商標権者の行為は,「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し,・・・する行為」(商標法第2条第3項第2号)に該当するものと認めることができる。
以上のとおりであるから,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者が本件請求の取消しに係る指定商品中の「靴下」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。
したがって,本件商標の登録は,その指定商品中の「第25類 エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」について,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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