Trademark Appeal Case
成分名と一般名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−14746(T2015−14746/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ポリリンホワイトニング」の片仮名を横書きしてなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として平成26年10月9日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同27年8月6日受付けの手続補正書により、第3類「歯のホワイトニング用練り歯磨き,歯磨き」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ポリリンホワイトニング』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、その構成中の『ホワイトニング』の文字は、『白くすること。歯を白くすること。』等の意味を有する語であり、『ポリリン』の文字は、『リン酸塩の鎖状の重合体』の意味を有する『ポリリン酸』の『ポリリン』に相応するものであり、指定商品を取り扱う業界において、ポリリン酸を配合した歯磨きが製造、販売され、かつ、『ポリリン』の文字がこれら商品の商標に普通に採択・使用されている(例えば、『薬用 ポリリンホワイト EX 歯磨きジェル』『ポリリンホワイトニングジェル』『薬用ポリリンLE』)実情が認められることから、本願商標をその指定商品中、ポリリン酸を配合した商品に使用するときは、『ポリリン酸を配合した(歯を)白くするための商品』等の意味合いを理解させるにとどまり、単に商品の品質を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における手続の経緯
当審において、請求人に対し、平成28年1月6日付けで、別掲1ないし別掲3の事実を示した上で、要旨以下のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである旨の審尋をし、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
本願商標は、「ポリリンホワイトニング」の片仮名を普通の書体で横書きしてなるところ、その構成文字は、同じ書体及び大きさで等間隔にまとまりよく表されているものの、本願の指定商品との関係では、「ホワイトニング」の文字部分は、「歯を白くすること」(「現代用語の基礎知識2014」株式会社自由国民社)等を意味するものであることから、「ポリリン」の片仮名と「ホワイトニング」の片仮名が結合した商標であると直ちに理解し得るものといえるものである。
そして、「ポリリン」の文字部分は、辞書等に載録されている成語ではないものの、別掲1に示すとおり、該文字に「酸」の漢字を付けた「ポリリン酸」の語が「歯のホワイトニング」の施術に使用される物質の名称であり、さらに、別掲2に示すとおり、「ポリリン酸」(「ポリリン酸の一種である「ポリリン酸ナトリウム」を含む。)を使用した「ホワイトニング用の歯磨き」が取引されている実情がある
さらに、別掲3に示すとおり、「ポリリンホワイトニング」の語が「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング」の施術を表すものとして使用されている実情もある。
してみると、本願商標は、全体として「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング」ほどの意味を認識させるにすぎないものといえるものである。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中の「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング用の商品」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング用の商品」であることを把握、理解されるにとどまるもの、すなわち、商品の品質を表示するにすぎないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標は、その指定商品中の「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング用の商品」以外の商品に使用するときは、これがあたかも「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング用の商品」であるかのごとく、商品の品質の誤認を生ずるといえるものであるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 審尋に対する請求人の回答の要点
請求人は、前記3の審尋に対し、「『ポリリンホワイトニング』の表示は、『ポリリンホワイトニングとは、ポリリン酸という成分を使ったホワイトニングの施術方法です。』や『ポリリンホワイトニングのポリリンはポリリン酸のことです。』等の説明書きと受け取ることができる記載が併記されており、一般的な需要者は、この説明書きを読んで、『ポリリンホワイトニング』の『ポリリン』とは『ポリリン酸』という物質名由来であることを認識できるものであるから、『ポリリンホワイトニング』の語のみに接した需要者が、『ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング』のような意味合いを正しく具体的に認識できるものではない。また、本願商標「ポリリンホワイトニング」の語は、指定商品である第3類「歯のホワイトニング用の歯磨き,歯磨き」の分野において、品質等表示として普通に使用されているものではない。」旨の意見を述べている。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「ポリリンホワイトニング」の片仮名を横書きしてなるところ、その構成文字は書体に特徴があるものではなく、普通に用いられる方法で表示するものであると認められる。
そして、本願商標は、前記3のとおり、全体として「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング」ほどの意味を認識させるにすぎないものといえるものであるから、これをその指定商品中の「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング用の商品」に使用するときは、その商品の品質を表示するにすぎないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標は、その指定商品中の「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング用の商品」以外の商品に使用するときは、これがあたかも「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング用の商品」であるかのごとく、商品の品質の誤認を生ずるといえるものであるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、審尋において示された事実は、本願商標の構成中の「ポリリン」について、「ポリリン酸」であることの説明書きが記載されおり、一般的な需要者は、この説明書きを読んで物質名由来であることを認識できるものであるから、「ポリリンホワイトニング」の語のみに接した需要者が、「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング」のような意味合いを正しく具体的に認識できるものではないし、「ポリリンホワイトニング」の語が本願の指定商品の分野で商品の品質等を表示するものとして、普通に使用されているものではない旨主張する。
しかしながら、別掲1ないし別掲3においては、「ポリリン酸」が「ホワイトニング」の施術を行う物質として一般に使用されており、そして、「ポリリン酸」を原材料に使用した「歯磨き」が取引されており、さらには、歯科医院等において、「ポリリン酸」を使用した「ホワイトニング」の施術を「ポリリンホワイトニング」と称している事実を明らかにしているのであって、これらの事実を踏まえれば、「ポリリンホワイトニング」の語が商品「歯磨き」に使用された場合に、これに接する取引者、需要者は、「ポリリン酸を使用した歯のホワイトニング用の商品」であることを容易に認識するというのが相当である。また、これらの事実の中に、「ポリリン酸」及び「ポリリンホワイトニング」の説明書きがあるからといって、各医院が自らの施術の内容を説明することや商品に含まれる成分が商品の紹介で説明されていることは、取引上普通に行われるものであるから、それをもって品質等を表示するものとして普通に使用されるものとはいえない理由はない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。