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Trademark Appeal Case

「焼生煎餅」の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−24536(T2014−24536/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「焼生煎餅」の漢字と「やきなませんべい」の平仮名を、明朝体をもって2段に横書きしてなり、第30類「せんべい」を指定商品として平成26年3月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『焼生煎餅』と『やきなませんべい』の文字を2段に普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中『生煎餅』及び『なませんべい』の文字部分は、『水で練った米の粉を蒸し、砂糖などを加えて平らに延ばした菓子』等の意味合いを表すものである。そして、食品を取り扱う業界において、『焼○○(食品)』の文字が、『焼まんじゅう(焼いたまんじゅう)』、『焼ドーナツ(焼いたドーナツ)』のように『焼いた○○(食品)』程の意味合いを表すものとして使用されている実情がある。また、『生せんべい』は、そのまま食べることのできる菓子であるが、焼いたり、油で揚げても美味しく食べられるものがある。そうすると、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、該商品が『焼いた生せんべい』程の意味合いを認識するにとどまり、単に、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における手続の経緯

当審において、請求人に対し、平成27年9月18日付けで、別掲のとおりの証拠及び理由を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとの見解を示し、回答を求める審尋をし、期間を指定して、これに対する意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答の要点

請求人は,前記3の審尋に対して,要旨次のように意見を述べている。

(1)審尋における2.(3)及び(5)に記載の山田せんべいは、最近では「山田せんべい餅」、「山田せんべいソフトクリーム」、「山田せんべいロール」もある(甲第4号証)ということで、米以外の牛乳を原材料とする生菓子も「生せんべい」としている。

また、審尋における2.(4)及び(6)に記載の総本家田中屋の「生せんべい」は、生八ツ橋よりは硬く、ういろうよりは軟らかいだけの違いで、形も色も同じ半生菓子を「生せんべい」と称しているが、その程度の違いだけでは生八ツ橋、ういろうとの間で品質の誤認混同が生じる。

「生せんべい」は「生八ツ橋」、「ういろう」の食感に近いばかりでなく、「せんべいソフトクリーム」、「せんべいロール」もあるということで、「せんべい」から離れた甘味食品というべきものであって、せんべいの品種に含まれるものではない。

その証拠に、「煎餅」を掲載するすべての国語辞典は「煎餅布団」の記載はあるが「生せんべい」は取り上げていない。「煎」の文字は、いる、あぶり焼くという意味を持つから、「煎餅」はあぶり焼いた餅、いった餅ということで、「焼く」ということが不可欠の要件である。

「生せんべい」は焼いていないから「せんべい」ということは理論的にもできない。

(2)総本家田中屋は平成25年4月18日に「餅,和菓子,菓子」を指定商品として商標「生せんべい」を登録出願している。このことは「生せんべい」が商品でないということを本人が証明しているということにほかならない。

(3)生八ツ橋、ういろうを焼いたり油で揚げたりしたら、味、外見が変わり最早名品ではなくなり、食べられたものではない。「生せんべい」は焼いたり油で揚げたりして食べることもあるということですが、焼いたり油で揚げたりした「生せんべい」は生八ツ橋、ういろうと同様に色つやが失われ、肝腎の「生」の味もなくなる。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「焼生煎餅」の漢字と、その読み仮名である「やきなませんべい」の平仮名を、明朝体をもって2段に横書きしてなるところ、これをその指定商品に使用するときは、需要者に「焼いた生せんべい」程の意味合いを理解、認識されるといえるもの、すなわち、商品の品質を表示するにすぎないものであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした前記3の審尋で示した見解は妥当なものといえる。

(2)請求人の主張

ア 請求人は、「生せんべい」は「生八ツ橋」、「ういろう」の食感に近いばかりでなく、「せんべいソフトクリーム」、「せんべいロール」もあるということで、「せんべい」から離れた甘味食品というべきものであって、せんべいの品種に含まれるものではない。その証拠に、「煎餅」を掲載するすべての国語辞典は「煎餅布団」の記載はあるが「生せんべい」は取り上げていない。「煎」の文字は、いる、あぶり焼くという意味を持つから、「煎餅」はあぶり焼いた餅、いった餅ということで、「焼く」ということが不可欠の要件である旨主張する。

しかしながら、本願商標は、全体として「焼いた生せんべい」の意味合いを容易に認識させることは、上記(1)のとおりである。そして、商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、品質表示として使用されていなくとも、需要者が品質表示と認識すれば足りると解されており、請求人が主張するような「生せんべい」が「せんべい」の品種に含まれないことをもって、需要者が該意味合いを認識しないということもできない。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

イ 請求人は、総本家田中屋は平成25年4月18日に「餅,和菓子,菓子」を指定商品として商標「生せんべい」を登録出願している。このことは「生せんべい」が商品でないということを本人が証明しているということにほかならない旨主張する。

しかしながら、上記商標登録出願(商願2013−029029)は、平成25年11月22日に、単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、本願商標は商標法第3条第1項第3号等に該当するとして、拒絶の査定が確定している。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

ウ 請求人は、生八ツ橋、ういろうを焼いたり油で揚げたりしたら、味、外見が変わり最早名品ではなくなり、食べられたものではない。「生せんべい」は焼いたり油で揚げたりして食べることもあるということですが、焼いたり油で揚げたりした「生せんべい」は生八ツ橋、ういろうと同様に色つやが失われ、肝腎の「生」の味もなくなる旨主張する。

しかしながら、別掲の3.(2)で挙げたとおり、「生せんべい」を焼いて食べる場合もあるとの新聞記事があることを踏まえれば、「生せんべい」を焼いたり揚げたりし得ることは否定できない。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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