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Trademark Appeal Case

「プロ」の品質表示性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−6978(T2015−6978/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「プロ」の片仮名を標準文字で表してなり,第21類及び第24類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成26年6月13日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同年10月22日受付の手続補正書により,第21類「家庭用清掃用具,家庭用の清掃用スポンジ,家庭用雑巾,家庭用台所用清掃用具,家庭用トイレブラシ」及び第24類「布巾」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標は,「プロフェッショナル(専門家)」の略として広く用いられる「プロ」の文字を標準文字で表してなるところ,プロ向け又はプロが愛用するような優秀な商品である旨を表示して商品の宣伝広告をすることが少なくないことは,顕著な事実であり,補正後の本願商標の指定商品を取り扱う分野においても,購買の条件として,プロの使用に耐えられるレベルの品質を要求する場合があることは,一般に知られている。そうすると,「プロ」の文字を普通に用いられる方法で表示した本願商標を,補正後の指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者は,当該商品が,プロの使用に耐え得るほどに優秀な商品であるかのごとく,商品の品質を表示したものと理解するにとどまり,自他商品識別の標識としては認識し得ないものといわざるを得ない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審における審尋

当審において,平成28年1月18日付けの審尋により,別掲に記載の事実を示して,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨通知し,それに対する意見(回答)を求めたところ,請求人は,同年2月19日に意見書を提出した。

4 審尋に対する意見

(1)請求人は,「プロ並みの(掃除)効果を発揮し,本願の使用者はプロ並みの腕と称賛される」程の意味合いを込めて出願したものであり,本願商標をその補正後の指定商品である家庭用の商品に使用すると,当然かかる意味合いが生じるとするのが相当である。

(2)審尋に記載の事実(1)ないし(13)は,本願商標の補正後の指定商品の品質・内容を具体的に表示したものではなく,宣伝広告的なキャッチフレーズとして使用されているものと考えられ,「プロ」単独の語の記載も示唆もなく,「プロ」単独の語の具体的意味合いの記載もない。

(3)したがって,「プロ」の語が,全体として審判官説示の意味合いを暗示させる場合があるとしても,本願商標の補正後の指定商品との関係において,特定の商品の品質・内容等を直接的,かつ,具体的に表示したものとはいえないというのが相当である。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は,上記1のとおり,「プロ」の文字を標準文字で表してなり,その補正後の指定商品を第21類「家庭用清掃用具,家庭用の清掃用スポンジ,家庭用雑巾,家庭用台所用清掃用具,家庭用トイレブラシ」及び第24類「布巾」とするものである。

そして,「プロ」の文字は,「プロフェッショナルの略」であって,「専門家。職業としてそれを行う人。プロ。」等(広辞苑第6版)を意味する極めて平易な言葉である。

また,当審が職権で調査したところ,「プロ」(その英語表記「PRO」を含む。)の文字は,本願商標の補正後の指定商品について,別掲(1)ないし(13)の例に示すとおり,商品を説明等するに際し,例えば,「吸水性に優れ,乾きが速い」,「優れた機能性」,「上質」,「高品質」,「超強力」,「高耐久」などといった,商品の性能や仕上げ等,品質が高いことを強調するため,「プロ」,「プロが選ぶ」,「プロのお墨付き」,「プロが使う」,「プロ仕様」,「プロ用」及び「プロも多用」のように使用されている事実が認められる。

そうすると,本願商標をその補正後の指定商品に使用した場合には,これに接する取引者,需要者は,その商品が「プロの使用にも耐え得るほどに優秀な(性能・品質が高い)商品」であるという,商品の品質を表示したものと認識するというのが相当であり,本願商標は,かかる意味合いを表す語として,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに,一般的に使用される標章であって,商品の出所識別標識としての機能を欠くものであるといわざるを得ない。また,本願商標は標準文字で表されたものであるから,態様上顕著な特徴は認められない。

以上から,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといわざるを得ない。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は,「プロ並みの(掃除)効果を発揮し,本願の使用者はプロ並みの腕と称賛される」程の意味合いを込めて出願したものであり,本願商標をその補正後の指定商品に使用すると,当然かかる意味合いが生じ,また,審尋が提示した情報は,宣伝広告的なキャッチフレーズとして使用されているものと考えられ,「プロ」単独の語の記載及び具体的意味合いの記載もないから,「プロ」の語が審判官説示の意味合いを暗示させる場合があるとしても,本願商標の補正後の指定商品との関係において,特定の商品の品質・内容等を直接的,かつ,具体的に表示したものとはいえない旨主張する。

しかしながら,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは,これに接する取引者,需要者の認識を基準として判断されるべきであり,出願人の商標採択の意図によって左右されるべきものでないことは,事柄の性質上明らかである。本件審決時において,本願商標をその補正後の指定商品に使用した場合には,これに接する取引者,需要者は,その商品が「プロの使用にも耐え得るほどに優秀な(性能・品質が高い)商品」であるという,商品の品質を表示したものと認識するというのが相当であることは,上記(1)のとおりであるから,請求人の主張は採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するから,これを登録することはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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