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Trademark Appeal Case

ハイブリッド羽毛の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−7668(T2015−7668/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「HYBRID UMOU」の欧文字と「ハイブリッドウモウ」の片仮名を上下二段に普通に用いられる方法で横書きしてなり,第24類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし,平成26年8月28日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同27年1月20日付けの手続補正書をもって「羽毛布団,羽毛布団用布団カバー,羽毛布団用の布団側,羽毛まくら用カバー,羽毛を用いた毛布」と補正されたものである。

2 当審における拒絶理由

当審において,請求人に対し,平成27年10月23日付けで,本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして,要旨以下のとおりの拒絶の理由を通知し,期間を指定して,これに対する意見を求めた。

本願商標は,上記1のとおりの構成文字及び指定商品よりなるところ,その構成中の「HYBRID」及び「ハイブリッド」の文字は,「異種のものを組みあわせたもの」を意味するものとして親しまれた語であって,「UMOU」及び「ウモウ」の文字は,本願商標の指定商品の関係から「羽毛」を認識させるものであるから,本願商標は,全体として「羽毛と異種のものを組みあわせたもの」程度の意味合いを容易に想起させるものである。

そして,別掲に示す当審における職権調査によれば,本願指定商品を取り扱う業界において「ハイブリッド羽毛」の文字は,布団の詰め物として羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせて構成した商品を示すものとして認識・使用されていることが認められる。

これより,本願商標を,その指定商品に使用しても,これに接する取引者・需要者は,本願商標を,「ハイブリッド羽毛」の欧文字及び片仮名表記であると想起し,商品の品質を表示するものとして認識するにすぎず,自他役務の識別標識とは認識されないもといわざるを得ないから,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審における拒絶の理由に対する請求人の意見

請求人は,上記2の「拒絶理由」に対して,平成26年7月11日付け意見書を提出し,要旨以下の主張をしている。

本願商標は「HYBRID UMOU」の欧文字と「ハイブリッドウモウ」の片仮名を上下2段に表示してなるところ,各構成文字が同書,同大,同間隔をもって書されていて,外観上まとまりよく一体的に表現されており,また,これより生ずる「ハイブリッドウモウ」の称呼も,よどみなく一連に称呼し得るものである。

かかる構成態様からすれば,本願商標は構成文字全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。

そうだとすれば,その構成文字の「HYBRID」及び「ハイブリッド」若しくは「UMOU」及び「ウモウ」の文字が,それぞれ,上記説示の意味合いで理解され,使用されている場合があるとしても,これらを組み合わせた本願商標の構成文字全体から具体的な商品の品質等を認識させるものとはいい得ないものである。

次に,合議体は,職権調査の結果に基づいて,「ハイブリッド羽毛」は「『布団の詰め物として羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせて構成した商品』を示すものとして認識・使用されていることが認められる」としている。

しかしながら,職権調査によって明らかになった事実は,「ハイブリッド羽毛布団」,「ハイブリッド羽毛ふとん」,「羽毛&羊毛ハイブリッド掛け布団」,「ハイブリッド羽毛肌掛フトン」及び「ハイブリッド羽毛側」が,本願指定商品を取り扱う業界において,商品の品質を表示するものとして,取引上使用されている場合があることを示すものであり,「ハイブリッド羽毛」そのものではない。

さらに,職権調査によって明らかになった事実は,「ハイブリッド羽毛布団」等の使用事実を示すものに過ぎず,「HYBRID UMOU」の欧文字又は「ハイブリッドウモウ」の片仮名が本願指定商品を取り扱う業界において,取引上,一般に使用されているという事実ではない。

したがって,本拒絶の理由は,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当すると判断した論理の過程を的確に示したものということはできず,本願商標を拒絶する理由とはなり得ないものである。

4 当審の判断

(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標中の「HYBRID」及び「ハイブリッド」の文字は,「異種のものを組みあわせたもの」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味するものとして親しまれた語であって,また,「UMOU」及び「ウモウ」の文字は,本願商標の指定商品の関係から「羽毛」を認識させるものであるから,これらの文字を結合し「HYBRID UMOU」及び「ハイブリッドウモウ」と書した本願商標は,全体として「羽毛と異種のものを組みあわせたもの」程度の意味合いを容易に想起させるものである。

そして,別掲に示す事実に照らせば,本願商標の指定商品である「羽毛布団」等を取り扱う業界においては,布団の中綿として,中央部分に羽毛,両端にはマイクロファイバー綿を使用している商品「布団」について「ハイブリッド羽毛布団」の表示が使用されていること(別掲の1),さらに,詰め物として中央部分に羽毛及び側部分にポリエステルを用いた商品「布団」(別掲の2,3及び5ないし10),並びに,上層部分に羽毛及び下層部分にウールを用いた商品「布団」(別掲の4)について「ハイブリッド羽毛ふとん」等の表示が使用されていることが認められる。

これより,本願指定商品を取り扱う業界においては,布団の詰め物として羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせて構成した商品「布団」について,「ハイブリッド羽毛布団」又は「ハイブリッド羽毛ふとん」の表示を使用している実情が認められることから,当該表示中の「ハイブリッド羽毛」の部分が,「羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせたもの」程の意味合いにおいて,商品「布団」についての品質を表示するものといえる。

そして,「ハイブリッド羽毛」より生ずる意味合いは,これとその称呼を同じくする本願商標より想起させる「羽毛と異種のものを組みあわせたもの」の意味合いにも相応するものである。

そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者(一般の需要者を含む。)は,本願商標を,「ハイブリッド羽毛」の欧文字及び片仮名表記であると想起し,「ハイブリッド羽毛」と同様にその商品について「羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせて構成した商品」又は「羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせて構成した商品用のもの」程度の意味合いを極めて容易に認識するというべきである。

このように,本願商標は,商品の品質を表示するものとして認識される蓋然性が高く,また,本願商標の態様上顕著な特徴は認められない。そうすると,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって,自他商品の識別標識としての機能を有しないものといわざるを得ない。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は,本願商標の指定商品に係る取引者・需要者の間では,「HYBRID UMOU」の欧文字又は「ハイブリッドウモウ」の片仮名が本願商標の指定商品を取り扱う業界において,取引上,一般に使用されているという事実は見受けられない一方,職権調査によって明らかになった事実は,「ハイブリッド羽毛布団」等の使用事実を示すものに過ぎず,「HYBRID UMOU」の欧文字又は「ハイブリッドウモウ」の片仮名が本願商標の指定商品を取り扱う業界において,取引上,一般に使用されているという事実ではない旨主張する。

しかしながら,商標法第3条第1項第3号は,取引者,需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,該表示態様が,商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか,現実に使用されている等の事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年9月4日東京高裁平成12年(行ケ)第76号)から,たとえ,「HYBRID UMOU」の欧文字又は「ハイブリッドウモウ」の片仮名が,その指定商品を取り扱う業界において,商品の品質等を表示するものとして,実際に使用されている事実が存在していないとしても,取引者,需要者によって,当該商品の品質等を一般に認識するものといえるならば,本願商標が商品の品質等を表示するものであると認定,判断することの妨げにはならない。そして,本願商標が,その指定商品について商品の品質等を表示するものであると認識されることは,上記(1)のとおりである。

イ 請求人は,「HYBRID」又は「ハイブリッド」の語と普通名称や原材料表示からなる他の登録商標の実例を挙げて,本願商標と同様の結合商標が多数登録されている旨主張するが,登録出願に係る商標が登録され得るか否かの判断は,指定商品・役務等の取引の実情を考慮し,当該商標の全体の構成に基づいて,個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるから,請求人主張に係る登録商標の実例は,上記判断を左右するものではない。

ウ したがって,上記の請求人の主張はいずれも採用できない。

(3)まとめ

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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