Trademark Appeal Case
「ふきとりケア」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−9631(T2015−9631/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ふきとりケア」の文字を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」及び第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,尿吸収用パッド,おりものシート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,おむつ,おむつカバー,失禁用パンツ,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、平成26年3月18日に商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『布・紙などで拭いてよごれをとり去ること』を意味する『ふきとり』の文字と、『世話、手入れ』を意味する『ケア』の文字とを、一連に『ふきとりケア』と書してなるものであり、その結び付きからは『拭きとって(肌を)ケアする』ほどの意味合いを容易に想起させ、その指定商品との関係では『ふきとりタイプのケア用品』を直観させるものであるから、これをその指定商品中、上記に照応する商品(例えば『ふきとり用化粧水,ふきとりタイプの洗浄剤』(第3類)『ふきとり用ガーゼ,ふきとり用脱脂綿』(第5類)等)に使用しても、その商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ふきとりケア」の文字を標準文字で表してなるものである。
ところで、「ふきとり(拭き取り)」及び「ケア」の語は、本願の指定商品に係る化粧品との関係において、例えば、「ふきとり化粧水」、「ふきとりクレンジング」及び「ふきとりシート」並びに「スキンケア」及び「エイジングケア」のように、それぞれが「ふきとること」及び「手入れ」程の意味合いで一般的に使用されている語であって、その取引者、需要者に、商品の品質を表したものとして認識されるものといえる。
そして、両語を組み合わせてなる「ふきとり(拭き取り)ケア」の文字は、別掲に記載のとおり、化粧水や洗顔料をシートに染み込ませて肌の手入れをするふきとりタイプの化粧品や、ふきとることにより余分な角質除去などのスキンケア効果を有する化粧品が各種販売されている実情のもとに、その商品の広告又は説明において、「汚れをふきとることにより、肌をケアすること」を表すものとして、広く使用されていることが認められるものである。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中の「化粧品」に使用しても、その商品が「ふきとって肌をケアする」ためのものであることを表示したものとして理解されるにとどまるものであるから、単に商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標であるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「ふきとりケア」の語は、「ふきとり」という日本語表現の名詞と「ケア」という英単語由来の名詞を間に助詞等を挟むことなく一体に結合して、造語化した商標であること、同語は、辞書にも一切掲載されていないから、一般的な表現でないことは明らかなこと、動作を示す「ふきとり」の語と「ケア」の語を結合することは一般的ではなく、かかる表現からは具体的な意味合いが生じるとはいえないことなどから、本願商標が本願の指定商品の品質を直接的に表現するものでないことは明らかである旨主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。
そうすると、本願商標は、上記のとおり、化粧品の分野における「ふきとり(拭き取り)」及び「ケア」並びに「ふきとり(拭き取り)ケア」の語の使用に係る取引の実情を鑑みれば、その取引者、需要者が化粧品との関係で特定の意味合いを想起することはないものとはいい難く、むしろ、「ふきとって肌をケアする」ためのものという商品の品質、用途を表したものとして、認識するというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するというのが相当である。
そして、上記、化粧品の取引の実情を踏まえると、「ふきとりケア」の語が辞書に掲載されておらず、動作を示す語と「ケア」の語とを結合することが一般的でないとしても、それにより上記、本願商標についての認定、判断が左右されるものではない。
よって、請求人の主張は採用できない。
イ 請求人は、「ふきとりケア」の語が、取引上普通に使用されているという程度に普及しているとは認められず、仮に、「ふきとりタイプのケア用品」との商品カテゴリーが存在するとしても、当該カテゴリーについては、「ふきとり化粧水」という語が用いられることが一般的であるから、本願商標の自他商品識別力を否定する理由はなく、本願商標を商標登録したとしても、何ら第三者の使用の妨げにならないことは明らかである旨主張している。
しかしながら、「ふきとり(拭き取り)ケア」の語が、化粧品の分野において、「汚れをふきとり、肌をケアする」ことを説明する際に広く使用されている実情は、上記のとおりであることから、本願商標をその指定商品中の「化粧品」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商品の品質、用途を表示したものと理解するというべきであり、これを記述する表示として取引に際しては必要適切な表示であって、何人もその使用を欲するものというべきである。
よって、請求人の主張は採用できない。
ウ 請求人は、過去の審決例や登録例を挙げ、本願商標も登録されるべき旨主張しているが、商標が識別力を有するか否かの判断は、登録査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として、商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ、請求人が挙げた登録例等は、いずれも本願商標とは構成等を異にし、かつ、本件の審決時における取引の実情は上記のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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