Trademark Appeal Case
色彩表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−3589(T2015−3589/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Satin Gold」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「ACアダプター,テレビジョン受信機,DVDプレーヤー,デジタルビデオディスクレコーダー,ハードディスクレコーダー,セットトップボックス,デジタルカメラ,デジタルビデオカメラ,デジタルフォトフレーム,携帯電話,スマートフォン,その他の電気通信機械器具,携帯情報端末,液晶ディスプレイ,液晶プロジェクター,コンピューター,携帯型コンピューター,ノートブック型コンピューター,タブレット型コンピューター,USBメモリ,フラッシュメモリーカード,フラッシュメモリ,半導体メモリ,SSD(ソリッドステートドライブ),ハードディスクドライブ,光ディスクドライブ,コンピューター記憶装置,コンピューター用マウス,コンピューター用キーボード,コンピューター用ディスプレイ,コンピューター周辺機器,コンピュータープログラム(記録されたもの),ダウンロード可能なコンピュータープログラム,その他のコンピュータープログラム,集積回路,プリント回路基板,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成25年12月26日に商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『サテンのような、光沢のある』等の意味合いの英語『Satin』の語と、『金、黄金』の意味合いの『Gold』の語を組み合わせて、標準文字により『Satin Gold』と表してなるものである。ところで、『Satin Gold』あるいはその表音である『サテンゴールド』等の文字は、商品一般の取引において、金色系の一種の色彩を使用した各種商品とともに、その色彩表示として使用されている事実が確認される。商品の色彩は、一般に需要者が商品を選択する際において、その機能や形状などと同様に選択要素の一つといえるものであり、商品についての特色、すなわち、商品の品質を表すものともいえるものである。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者等は、商品が金色系の一種の色彩であること、すなわち、単に商品の品質(色彩)を表示したものと認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないと判断するのが相当である。したがって、本願は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、別掲のとおりの事実を内容とする証拠調べの結果を通知した。
4 証拠調べに対する意見の要旨
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、以下のように述べている。
(1)「Satin Gold(サテンゴールド)」の語は、「表面が滑らかで光沢のある絹織物のような金色」という意味を想起させるものであるとしても、元来、金色は光沢のある色であり、該語がどのような光沢を伴う金色であるか需要者は具体的に認識することができないから、指定商品の品質を具体的に示したものということはできず、識別力を有する語である。
また、インテリア、時計、ファッションの分野に関するウェブサイトに「サテン仕上げ」の記載があっても、これら分野は、本願商標の指定商品の分野とは異なっており、また、「サテン仕上げ」の英訳は「Satin Finish」であるから、需要者が、本願商標の「Satin」部分から「サテン仕上げ」を認識するとはいえない。
(2)証拠調べ通知書において、「Satin Gold(サテンゴールド)」の語が、イヤホンやデジタルカメラ用ソフトケース、携帯電話用ケース、IH炊飯器、シーリングライト、ドアロック、扉用部材、戸当りテープ、鍍金・塗装名称、テープ、楽器のリード、楽器のマウスピース、指輪、サングラス、女性用サンダル、腕時計、バイク、自動車、ゴルフクラブに使用されている旨、指摘されているが、いずれの商品も本願商標の指定商品とは異なり、本願商標の指定商品に係る需要者の間において広く認識されている旨の証拠にはなりえない。
また、「Satin Gold」は、英語が公用語に含まれている欧州共同体やオーストラリア、シンガポールでも登録になっていることから、識別力があるものと思料する。
(3)証拠調べ通知書において、サテンホワイトやサテンシルバー、サテンレッド、サテンベージュ、サテンブルー、サテンブラウン、サテングレー等の「Satin(サテン)」と色彩を表す語とを結合した語の使用例がある旨、指摘されているが、いずれの語も本願商標と同一・類似の語ではなく、識別可能である。
また、色彩を表す語であっても、色彩とは別の観念を持つ語もある。そうした場合、需要者が「Satin(サテン)」と色彩を表す語とを結合した語であるという共通点だけをもって、本願商標を直ちに商品の品質(色彩)を直接的又は具体的に表示したものとして認識するとはいえず、本願商標が識別力を有しないとする証拠にはなりえない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「Satin Gold」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「Satin」の欧文字は、「しゅす(織)、サテン(表面がなめらかで光沢のある絹織物)、しゅすの(ような),なめらかな,光沢のある」等を意味する語であり、また、「Gold」の欧文字は、「金色」の意味を有する語として、広く一般に親しまれているものである。
そして、前記3の証拠調べ通知で示した事実によれば、金属等の表面仕上げの一種として、サテンのような模様や質感に仕上げること(サテン仕上げ)があり、また、本願の指定商品に係る電気通信機械器具及び電子応用機械器具を含めた幅広い商品分野において、その商品の色彩がサテンのような模様や質感を有することとその色彩を表すものとして、「Satin(サテン)」と色彩を表す語とを結合した語が使用され、さらに、その色彩が金色であるものに、「Satin Gold(サテンゴールド)」の語が使用されている実情がある。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者に、その商品が「サテンのような模様や質感を有する金色の色彩を施してなるもの」であると理解させるにとどまるものというべきであるから、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「Satin Gold(サテンゴールド)」の語からは、どのような光沢を伴う金色であるかを需要者が具体的に認識できないから、本願商標は、その指定商品の品質を具体的に示したものとはいえない旨主張する。
しかしながら、上記のとおりの本願商標の各構成文字の語意に、上記で示した実情をも踏まえれば、「Satin Gold」の欧文字からなる本願商標を、その指定商品に使用した場合、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、その商品が、サテンのような細かい線の模様や、サテンのようなつやのない質感を有する金色の色彩を施したものであること、すなわち、商品の品質を容易に理解、認識させるものというべきであるから、請求人の主張は採用できない。
イ 請求人は、前記3の証拠調べ通知で示した事実は、本願の指定商品とは分野が異なるものであるから、これらをもって、本願の指定商品に係る需要者の間において、「Satin Gold(サテンゴールド)」の語が、商品の品質を表すものとして広く認識されているとはいえない旨主張する。
しかしながら、証拠調べ通知は、本願の指定商品と製造販売部門や需要者の範囲を共通にすることが少なくない電気製品(別掲(2)エ、オ、別掲(3)キ、ケ〜サ)を含めた幅広い商品分野における事実を示すとともに、本願の指定商品に係る電気通信機械器具(別掲(2)ア〜ウ、別掲(3)エ、オ、ク)及び電子応用機械器具(別掲(2)ウ、別掲(3)ア〜エ、ク)においても同様の事実があることを示しているものであって、これらの実情をも踏まえれば、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、取引者、需要者が商品の品質を表したものと理解、認識するものというのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。
ウ 請求人は、前記3の証拠調べ通知で示した事実のうち、「Satin Gold(サテンゴールド)」以外の「Satin(サテン)」と色彩を表す語とを結合した語の使用例(「サテンレッド」等)は、本願商標と同一・類似の語ではなく、また、色彩を表す語であっても、色彩とは別の観念を持つ語もあるから、「Satin(サテン)」と色彩を表す語とを結合した語であるという共通点だけをもって、本願商標が識別力がないことの証拠とはなり得ない旨主張する。
しかしながら、証拠調べ通知で示した「Satin(サテン)」とGold(ゴールド)以外の色彩を表す語とを結合した語の使用例(別掲(3))は、いずれも、「Satin(サテン)」と色彩を表す語の結合である点を本願商標と共通にするものであって、本願商標に接する取引者、需要者の認識を認定、判断するに当たって考慮すべき実情であり、また、色彩を表す語が色彩とは別の観念を持つ場合があるとしても、少なくとも証拠調べ通知で示した事実(別掲(3))は、いずれも色彩を表す語がその商品の色彩を表したものと容易に看取,理解され得るものであるから、請求人の主張は採用できない。
エ 請求人は、過去の審決例及び登録例を挙げ、また、「Satin Gold」が外国において商標登録されているとして、本願商標も登録されるべき旨主張しているが、商標が識別力を有するか否かの判断は、登録査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として、商標ごと、各国ごとに個別具体的に判断すべきであるところ、請求人が挙げた審決例及び登録例は、いずれも本願商標とは構成等を異にし、かつ、本件の審決時における我が国における取引の実情及びその指定商品の取引者、需要者の認識は上記のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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